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城からつまみ出された彩葉。 

城の外はレンガ調の建物が建ち並んでおり

ヨーロッパのような街並み

まだ外は明るい為買い物客などの人も多く
大変賑わっていた


『はぁ~どうしろって言うのよ~。』


ため息もつきたくなる。

勝手に召喚されて勇者じゃないからサヨウナラは
あんまりではないか。

そう思っても先程のやり取りと
王様の顔を思い出すと

戻って文句を言う気にもならない。


とりあえずここに居ても仕方がないと思って

彩葉は人が多く賑わっている方に
適当に歩き出したのはいいが


『ぐぅ~~~っ』


お腹が減った。

それはそうだ。
ご飯が出来るぞという時に召喚されたのだから。

あー。私の豚汁どうなったんだろぅ~

明日の仕事だってこれじゃあ行ける訳ないし

まぁ戻れないって言われたから
仕事とかの問題じゃないんだけどさ。


そもそも異世界やら召喚やらってなんなのよ!!


知り合いもいないし、お金もない

これじゃあご飯食べれないじゃない!!

あー!!

目の前に美味しそうな匂いのする屋台があるのに食べれないなんてキィーーーーッと少し苛立ちながら屋台のお兄さんを見ると

フサフサのお耳が…獣耳だと…

触りたい!!

じゃなくて地球では有り得ない光景を目の当たりにして

あーやっぱり地球じゃないんだ。。

帰れないなら仕方ない。

今の現実を受け入れ
異世界で生活して行こうと決意をした。


さて
異世界で生活していくと決意した彩葉ではあるが


今現在おたまを片手に持った
ホームレスニートという最悪コンボ中


まずは仕事を探そうと先程から見ている
屋台の獣耳お兄さんに話し掛けてみる事にした。


彩葉が近付くと獣耳お兄さんはお客さんが来た!と
満面の笑みで声をかけてきた


『いらっしゃい!お嬢ちゃん!
うちの焼き串は美味しいよ!』


お嬢ちゃんって年齢じゃないんだけどなと思いつつ
彩葉はどもり気味で話しかけた


『あ…あの、お、お客さんではなくてですね…

仕事を探しているのですが、
何処にいけばいいか教えてもらえませんか?』


そんな彩葉に獣耳お兄さんは一瞬お客じゃないのかという顔をしたのだが、

ここから二本目の道を右に行って三本目を左に曲がると青い屋根があるのだけど、そこが【ギルド】と言う場所でそこに行けば仕事が紹介して貰えるよ。
と丁寧に教えてくれた。

獣耳お兄さん神!!と思いながらお礼を言い

お金が手に入ったら焼き串を買いに来よう!と決意しながら屋台を後にした。


教えて貰った道を歩くと
すぐ青い屋根を見付けることができた。

ここがギルドかぁー!
職安みたいな所よね!


いざ出陣!

なんて思って
ギルドのドアを押したが開かない。

むしろビクともしない


え、もう終わったの!?


なんて焦ってると後ろから

『押すじゃなくて引くのよ』

と言われドアを引いたらすんなり開くドア


彩葉は恥ずかしくて死にたくなったが
勢いあるまま後ろを振り返り

『教えて頂きありがとうございます!』

とお礼を言って顔を上げると

ものすごく綺麗な天使の様な女性がいた

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