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艶のあるミルクティー色のゆるウェーブの髪
パッチ二重のエメラルドグリーンの瞳
まつ毛なんてバッサバサして羨ましい~

あーこれが俗に言う

尊い…

などと「萌え」を超越し、
信仰心のような感情を抱いて硬直していた私に美人さんは

さぁ入った入った~今日は何しに来たの~?
といつもの事のように
建物の中に案内された彩葉であった


ギルドの中は酒場も兼用しているようで

私と同じく職を探している者
買取をお願いする者
お酒を呑んでいる者

などの人々で活気に溢れており

私と一緒にいる美人さんを見た人々は
サナおかえり~と手を振っている

この美人さんの名前はサナさんと言うらしい。


いまだにぼーっとしている彩葉はハッと覚醒し
サナさんに仕事を探しに来た事を伝えた

サナさんはギルドの受付嬢でもあるようで

私が受付するからこっちよ~と
受付カウンター席に案内された彩葉


『ギルドの登録はしたことあるかしら?』


『ないです。』


『ならこれを先に書いて貰えるかしら~』


と登録書類を渡されたのだが彩葉は困惑

それもそのはず言葉が日本語と同じだった為、
ここが異世界と忘れていて重要な事を忘れていた

【文字がわからない】

当たり前だが登録書類も何が書いてあるかわからないのだ


『あの、すみません。文字がわからないです。』

『あら、そうなの?じゃあ目を閉じて私の方に向いてて貰えるかしら?』

言われた通りに目を閉じサナさんの方に向くと
サナさんは何か呟き、私の眉間を人差し指で軽く押してきた

終わったわよ~!の言葉で目を開けて登録書類に目を通すように言われた為、登録書類を見てみると先程分からなかったのが嘘のように読めるようになっていた。
また、文字も書けるようになっているとの事


さすが異世界なんでもありだ


早速登録書類に目を通した彩葉は
素早く必須項目のの記入をした。

と言っても名前と特技などの記入だけで後は注意項目の確認ぐらいだった為すぐに終わった

サナさんに書類を渡すと
ギルドカードなる物を渡され

ギルドカードに血を一滴垂らすように言われた為
針で指を刺し一滴垂らした

これで私しか使えないようになるらしいのだが
針で指した指が地味に痛い



『これで登録は完了ねー!
ギルドカードは無くすと再発行が1ヶ月以上掛かるから無くさないようにしてね。

次は仕事の紹介!どんな仕事が希望かしら?
魔物退治から雑用まで色々あるわよ~』


『住み込みの仕事ってありますか?』


『ちょっと待ってね~!
あ、宿場の住み込みがあるけどそれはどうかしら?
掃除、洗濯、料理とやる事は多いけど住むところとまかない付きよ』

そんな彩葉はもちろん即答!
住むところにまかない付き!願ってもない!

『お願いします!!』


そうして彩葉は働く場所をゲットしたのだった。
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