5 / 33
5
しおりを挟むサナさんにお礼を言いギルドを出て
早速紹介された宿場へと向かったのだが、初めて見るお店や食材などに目を奪われていたせいでいつの間にか道を間違えてしまったようです。はい。
現在の私【ここどこ?】状態
来た道を戻ろうにも何処から来たか分からない
これ完全に詰んだわ。
『お嬢ちゃん迷子かえ?』
声を掛けられた方へと目を向けると
バスケットを持っているおばあちゃんがいた
なんてタイミングが良いの!?
私に話し掛けてるんだよね??などと思いながら
宿場へと行こうとして道に迷った事を話すと
そうかい~そうかい~と愉快そうに笑って
宿場まで案内してくれた。
異世界の人優しすぎない?
『お嬢ちゃん名前なんて言うんだい?
私はトキって言うんだよ。
宿場の近くに住んでるから宜しくね』
『彩葉と言います!
トキさん宜しくお願いしますね!!』
雑談をしながら歩いて居るとわりとすぐ宿場へ到着
こんな近くで迷子になってたのかと
恥ずかしく思いながら
トキさんにお礼を言って改めて宿場を見る。
七階建ての大きめな建物
入口にはウルルと書いてあった。
今更だけど宿場はウルルと言うらしい。
彩葉はドキドキしながら
宿場ウルルの中へと足を運んだ
カランコロン~
入口にあるベルが来客を知らせる
『いらっしゃい~!宿泊かしら?』
店の女将さんだろうか?
ニコニコ笑いながら話しかけられて思わず【はい】と答えたかったが今の私は無一文である。
嘘をついて捕まるのはゴメンだ。
なのでギルドカードを見せ
ギルドから紹介されて来た事を伝えた。
女将さんはギルドカードを確認して
彩葉ちゃんって言うのね!
これから宜しくねと言いながら
私がこれから住む部屋に案内してくれた
『うわ~~~ぁ!
ここの部屋本当に私が使っていんですか??』
目を輝かしながら部屋の中を見る
部屋の中は七畳ほどあり
クリーム色の壁紙にダークブラウンの床
ベッドに机と椅子
後小さめのクローゼットが置いてあり
狭くて汚い部屋だろうなと覚悟していた彩葉は
落ち着いた雰囲気の綺麗な部屋に予想以上に喜んだ。
女将さんはそんな私に勿論よ!と言い
クローゼットの中に仕事用の衣装があるので着替えて来るように言った。
明日からの仕事内容を説明してくれるらしい
紅葉はわかりました!と軽く返事をし、
早速着替える事にした。
仕事着は
ブラウンの七分丈のワンピースに
ポケット付きのエプロンととてもシンプル
そうして着替え終わった彩葉は
女将さんの元へと向かうのだった。
『着替え終わりました~!』
『あら、良く似合ってるじゃない!
所でその武器は何かしら??』
武器??
なんの事だろうと自分の服を見た彩葉。
見てびっくり先程机に置いたはずの
おたまがポケットからぶら下がっていたのだった。
そもそも【おたま】は武器ではない。
たしかにステンレス製のおたまなので
武器に見えなくはない…いや見えないが、
紅葉は女将さんに汁物を掬う道具と説明し
これからキッチンに行くとの事なのでそのままおたまを持っていく事にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
202
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる