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荒木田編
熱い告白(荒木田ハキハキ喋れるじゃん)
しおりを挟む滝さんの口内で私の舌が踊る。そう、まるで伝説の龍の如く華麗に踊りまくるッ。
「ん~、む~ッ、んんんッ」
おいおい、私の腕の中で幼子のように喚くのか。ふっ、可愛いヤツめ。お前の気持ちのイイところを探してやろう。上顎か?それとも舌裏か?よおし、いい子だ。ジッとしていればもっと快感を与えてやろう。
…という気分だった。
だってっ、酔ってたしッ。
ところが途中で妙に思考がハッキリしてきて、靄の掛かった視界が突然クリアになったのだ。
「きゃあっ、ど、どうして私、滝さんとキスしてるんですかッ??」
ああ、演技さ。こんなもの演技に決まってる。そうしないと恥ずかしくて死ぬからな!!涙目でこちらを見つめている滝さんに、まるで被害者ですと言わんばかりに訴えてみた。
「責任とって本当に付き合ってくださいッ」
「だって荒木田さんの方からしてきたんだよ?それにキミが好きなのは柴崎じゃないのかい?」
何となく自信は有ったのだ。
だって、滝さんはキスを嫌がらなかった。他の男性ならともかく、誠実で真面目なこの人が果たして好きでも無い女とのキスを延々と続けたりするだろうか?舌を絡め返して来たりするだろうかッ?!
>お~い、話が見えないんですけど~。
>滝さんと荒木田、
>本当は付き合ってないって
>ことなんですか~?(※柴崎の叫び)
「違います!私が好きなのは滝さん!!」
「だって俺、来年40だぞ?!」
「私、年齢差とか気にしないんで」
「バカだな、どうして俺みたいに冴えない男を。普通の女は柴崎のような男を好きになると決まってるんだぞ」
マーライオンみたく目から涙があふれている気がする。だって、どうすれば伝わるのだろうか。
ずっとずっと好きだった。
この人に褒めて貰いたくて頑張ったのに。
「そんなこと言わないでくださいッ。私にとって滝さんは世界一素敵なんですから!貴方が隣りに座っているだけで頑張れました。いつも貴方だけを見つめていました。コウイチといえば私の中では柴崎晄一ではなく、滝浩市が真っ先に浮かびますッ。
サンズイに告げると書く『浩』の文字は、水が豊かで広々しているという意味。『市』の文字には人が多く集まるという意味が有るそうですね。それに名字の滝が付けばもう完璧です!名は体を表すとはよく言ったもので、正に貴方は皆んなの心のオアシス、癒し的存在なんです。
ああ、さっきのキス、エロかった。あれでもしかして妊娠したかもしれません。だから責任取って、私と付き合ってください!滝さん、お願い、大好きなんですぅ~」
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