ポリコレ反転にも程が有る異世界に生れ変ってしてしまった……/第1部:幻世篇

蓮實長治

文字の大きさ
36 / 70
第3章:Juvenile

(8)

しおりを挟む
「そいつと、そいつが感染してる魔法の細菌兵器の最大の弱点は熱だ」
 謎の女(その2)が、そう解説してる内に、細菌兵器人間の体は……あっさり灰になった。
「え……えっと……これで……終り……?」
「そう、終り」
 あっけない。
 あっけなさ過ぎる。
「病原体も感染者も灰になった。もう大丈夫だ……が……」
「じゃあ、次は……?」
「その前に訊きたい事が有る」
 謎の女(その2)は、サイコ女に声をかける。
「何だ?」
「何でガスマスクを取らない?」
「お前は馬鹿じゃない。でも、その頭の良さは『ひらめき』や『直感』だ。想定外の事が起きた時に、瞬時に対応策を思い付くのは得意でも……『相手が、こう来たら、どうするか?』『こっちが、こういう手を打てば、相手はどうするか?』そんな事を何手先までも何通りも根気良く考えて、相手を罠にハメる事に関しては……私に数段劣る」
 ……えっ?
 罠?
 どういう事?
「で……でも……あんたには、さっきの奴以上に兇悪な手下は居ない筈じゃ……?」
「おい、ガキ、お前……数学苦手だろ?」
「えっ?」
「あと、注意力も散漫だ」
「な……何を言ってるの?」
「そ……そう来やがったか……しまった……。悪いわりぃ
 ちょ………ちょっと待ってよ……どういう事? 何が起きてんの?
「お前の味方になってる私の片割れは、お前を魔法で支援する権利は、さっきの1回しか行使しない、そう明言した。残念だが、そいつがそう言ってしまった時……魔法用語で言う『誓言』が成立した。そいつが、その『誓言』を破る事は出来ない。いや、不可能じゃないが……『誓言』を破れば……私達『魔法使い』にとって、とんでもなく恐ろしいペナルティが発生する」
「な……でも……」
「そして……さっきの奴の脅威や兇悪さについて……『以上』と言ったのはお前だけだ。私や、そいつは、さっきの奴が、どれだけタチが悪いかについて『以上』『以下』って言葉は使わなかった筈だ」
「え……?」
 え……えっと……どう云う事?
 な……何……何か罠にハマったらしいけど……その罠の正体が……判らな……。
。中学か高校の数学の授業で習わなかったか、小僧?」
「へっ?」
「まだ気付かねえのか、馬鹿ッ‼」
 謎の女(その2)の罵声。
「じゃ、お前の最後の対戦相手を紹介しよう。敵とは言え、健闘を祈るよ。祈ると言っても、多分、私達ほど……神サマってのはクソったれしか居ない、って事を思い知らされてきた奴らも、そうそう居ない以上、どんな神サマに祈ればいいか、見当も付かないけどな……」
 サイコ女の……その言葉と共に……前に出た奴は……。
「あ……」
 しまった……。
 サイコ女は……さっきの奴より兇悪な強敵を作れない。
 でも……「以上」と「より」はビミョ~に意味が違う。
 、「
「芸が無くてすまんな。さっきの奴と……」
 さっきの奴が一番兇悪だってのは……さっきの奴を一体しか作れない、って意味じゃなかった。
「同じ能力の持ち主だ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

処理中です...