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迷子の竜、都に行く
魔術を使ってみよう!
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Sideコニー
おじさんが、魔術の使い方を教えてくれることになった。
真面目な顔をして、おじさんが魔術について語る。
「魔術とは、己の内なる魔力を源に、現象を……」
「おじさん、難しい」
コニーはおじさんの説明がさっぱりわからず、速攻でギブアップする。
おじさんは少し肩を落として言い直す。
「あー、簡単に言うとだな、身体の中にあるなにかを、『火になれ』とか『水になれ』とか強く思って動かすと、火になったり水になったりするんだ」
「へー、変だけど便利だね」
コニーは素直な感想を言う。
「そこは普通、『すごい!』と感動していいと思うのだが」
おじさんがため息を漏らした。
その後、ポチが見守る中で、コニーは魔術に初挑戦することになった。
まず、コニーの身長ほどもある木の杖を持たされる。
この杖の先から身体の中のなにか――つまりは魔力を飛ばすのだそうだ。
「がんばる!」
コニーはうんうんと唸りながら、身体の中のなにかを動かそうとするが、つい両手に集まってしまう。
これが原因でコニーは怪力なのだと、おじさんに教えてもらっていた。
「コニーはどうして、魔力を両手に込めるのだろうな?」
コニーの怪力で屋敷を壊されているおじさんが尋ねた。
「うーん? 力持ちって便利だから?」
木の実をたくさん持ち帰れるし、大きな猪だってへっちゃらだ。
「……なるほど」
おじさんも納得したところで、いざ魔術を使うことになった。
コニーがずっと魔力を動かしていると、だんだんと杖の先に集まってくる。
「これくらいかな?」と思ったところで、コニーは叫んだ。
「火になれ!」
ボウッ!
すると、杖の先からでっかい火の玉が飛び出る。成功だ。
「やったぁ!」
しかし、杖の先をポチに向けていたため、火の玉がポチのすぐ近くに出た。
「アウチッ!」
危うく毛皮が焦げそうになったポチが、おじさんの後ろに批難した。
コニーに聞こえないところで、ポチがおじさんに言った。
「他の魔術師は、呪文を唱えていなかったか?」
ポチは青い竜に会う時に魔術師をたまに見るので、コニーのやり方がなんだか違うと思ったようだ。
「呪文の理由はイメージ固めが少々、偉そうに見せるのが大半だ」
おじさんがポチにぶっちゃけていた。
「おじさん、出来た!」
キラキラした笑顔で報告するコニーに、おじさんが満足そうに頷く。
「コニーは木こりの子だから、火がどうやって灯るのかを分かっているのだな」
おじさん曰く、都生まれの人は火の魔術が一番苦手なのだそうだ。
便利な道具に慣れ過ぎて、自力で火をつけられないのだとか。
「えー? 火がつけられないと困らない?」
「うむ、だからなにかの拍子に道具が使えなくなると、都中がパニックだな」
都に住む人は不器用らしい。
続いておじさんに、ポチとおしゃべりする方法を教えてもらうことになった。
コニーがわくわくして待っていると、おじさんはヒモで繋がった二つのコップみたいなものを持ってきた。
「なにこれ?」
道具を手にとって首を傾げるコニーに、おじさんは胸を張って説明した。
「これはな、竜の言葉がわかる道具だ!」
おじさんが言うには、このヒモは魔力が通りやすいようになっていて、「ポチの言葉が聞こえますように」とお願いしながらコップの部分に耳を当てると、言葉が聞こえてくる仕掛けなのだそうだ。
よくわからないが、要するにポチとおしゃべりできる不思議道具らしい。
「使いたい!」
片方のコップをポチに持たせたが、コップが大きすぎるため、ポチは持つというよりもコップに頭をすっぽり入れていた。
そしてもう片方のコップをコニーが持つ。
「よし!」と気合いを入れていざ。
「おーい、聞こえますかー?」
コニーはコップ越しに話しかける。
「いや、竜にはコニーの言葉はわかるだろう」
おじさんにつっこまれた。
「あ、そっか」
ファーストコンタクト失敗。
気を取り直して、ポチに何かしゃべるようにお願いする。
「我は高貴なる竜である。断じて犬ではない」
「なんか聞こえた!」
聞いたことのない声が返ってきて、コニーは興奮する。
ポチの頭がコップにすっぽりと入っているせいか、多少声がモガモガしているのは仕方がない。
ポチも言葉が通じたことが嬉しかったらしい。
続けて何か言いたそうだったので、コップに耳を澄ます。
「我は好物は最後に食べるタイプである」
「そうなの? 俺は最初に食べたいよ」
何となく付き合いで、コニーもコップに話しかける。
「なので、デザートのイチゴは最後の楽しみであって、嫌いで残しているのではない」
「わかった、ポチはイチゴが好きなんだね」
「うむ」
ずっと言いたかったことを言えて、ポチは満足そうであった。
コニーとポチから離れた場所で、おじさんがうなだれていた。
「もっと先に話し合う話題はないのか」
慣れたら道具なしでも会話ができるそうだ。
――がんばるぞ!
おじさんが、魔術の使い方を教えてくれることになった。
真面目な顔をして、おじさんが魔術について語る。
「魔術とは、己の内なる魔力を源に、現象を……」
「おじさん、難しい」
コニーはおじさんの説明がさっぱりわからず、速攻でギブアップする。
おじさんは少し肩を落として言い直す。
「あー、簡単に言うとだな、身体の中にあるなにかを、『火になれ』とか『水になれ』とか強く思って動かすと、火になったり水になったりするんだ」
「へー、変だけど便利だね」
コニーは素直な感想を言う。
「そこは普通、『すごい!』と感動していいと思うのだが」
おじさんがため息を漏らした。
その後、ポチが見守る中で、コニーは魔術に初挑戦することになった。
まず、コニーの身長ほどもある木の杖を持たされる。
この杖の先から身体の中のなにか――つまりは魔力を飛ばすのだそうだ。
「がんばる!」
コニーはうんうんと唸りながら、身体の中のなにかを動かそうとするが、つい両手に集まってしまう。
これが原因でコニーは怪力なのだと、おじさんに教えてもらっていた。
「コニーはどうして、魔力を両手に込めるのだろうな?」
コニーの怪力で屋敷を壊されているおじさんが尋ねた。
「うーん? 力持ちって便利だから?」
木の実をたくさん持ち帰れるし、大きな猪だってへっちゃらだ。
「……なるほど」
おじさんも納得したところで、いざ魔術を使うことになった。
コニーがずっと魔力を動かしていると、だんだんと杖の先に集まってくる。
「これくらいかな?」と思ったところで、コニーは叫んだ。
「火になれ!」
ボウッ!
すると、杖の先からでっかい火の玉が飛び出る。成功だ。
「やったぁ!」
しかし、杖の先をポチに向けていたため、火の玉がポチのすぐ近くに出た。
「アウチッ!」
危うく毛皮が焦げそうになったポチが、おじさんの後ろに批難した。
コニーに聞こえないところで、ポチがおじさんに言った。
「他の魔術師は、呪文を唱えていなかったか?」
ポチは青い竜に会う時に魔術師をたまに見るので、コニーのやり方がなんだか違うと思ったようだ。
「呪文の理由はイメージ固めが少々、偉そうに見せるのが大半だ」
おじさんがポチにぶっちゃけていた。
「おじさん、出来た!」
キラキラした笑顔で報告するコニーに、おじさんが満足そうに頷く。
「コニーは木こりの子だから、火がどうやって灯るのかを分かっているのだな」
おじさん曰く、都生まれの人は火の魔術が一番苦手なのだそうだ。
便利な道具に慣れ過ぎて、自力で火をつけられないのだとか。
「えー? 火がつけられないと困らない?」
「うむ、だからなにかの拍子に道具が使えなくなると、都中がパニックだな」
都に住む人は不器用らしい。
続いておじさんに、ポチとおしゃべりする方法を教えてもらうことになった。
コニーがわくわくして待っていると、おじさんはヒモで繋がった二つのコップみたいなものを持ってきた。
「なにこれ?」
道具を手にとって首を傾げるコニーに、おじさんは胸を張って説明した。
「これはな、竜の言葉がわかる道具だ!」
おじさんが言うには、このヒモは魔力が通りやすいようになっていて、「ポチの言葉が聞こえますように」とお願いしながらコップの部分に耳を当てると、言葉が聞こえてくる仕掛けなのだそうだ。
よくわからないが、要するにポチとおしゃべりできる不思議道具らしい。
「使いたい!」
片方のコップをポチに持たせたが、コップが大きすぎるため、ポチは持つというよりもコップに頭をすっぽり入れていた。
そしてもう片方のコップをコニーが持つ。
「よし!」と気合いを入れていざ。
「おーい、聞こえますかー?」
コニーはコップ越しに話しかける。
「いや、竜にはコニーの言葉はわかるだろう」
おじさんにつっこまれた。
「あ、そっか」
ファーストコンタクト失敗。
気を取り直して、ポチに何かしゃべるようにお願いする。
「我は高貴なる竜である。断じて犬ではない」
「なんか聞こえた!」
聞いたことのない声が返ってきて、コニーは興奮する。
ポチの頭がコップにすっぽりと入っているせいか、多少声がモガモガしているのは仕方がない。
ポチも言葉が通じたことが嬉しかったらしい。
続けて何か言いたそうだったので、コップに耳を澄ます。
「我は好物は最後に食べるタイプである」
「そうなの? 俺は最初に食べたいよ」
何となく付き合いで、コニーもコップに話しかける。
「なので、デザートのイチゴは最後の楽しみであって、嫌いで残しているのではない」
「わかった、ポチはイチゴが好きなんだね」
「うむ」
ずっと言いたかったことを言えて、ポチは満足そうであった。
コニーとポチから離れた場所で、おじさんがうなだれていた。
「もっと先に話し合う話題はないのか」
慣れたら道具なしでも会話ができるそうだ。
――がんばるぞ!
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