チート奴隷使いですが文句ありますか

無謀突撃娘

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傭兵家業1

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「各自陣形を構築、NAとトップに三角形陣形を取れ!」

奴隷達に命令して訓練成果を見る。あれから奴隷は20人増えたがそれ以降は買っていない、この都市でこれ以上人数を増やしてもそれに見合う依頼がないからだ。数ではなく個々の能力を高める必要性が大きいため部隊の連携と精度を高めないと子供しかいないので簡単に崩壊してしまう。

「NAはもう少し周囲を見ろ、NBとNCは援護するべき仲間を見極める、NDはもう少し進軍速度を上げる、NEとNFは優先脅威を正確に判断しろ、サポートが遅れればそれだけ無駄な負傷者が出てしまうぞ!」

始めは自分が製作したクロスボウが主力だったがやはり個人個人で得意不得意が出始めてしまい上はほぼ確実に狙った場所に命中させられるが下は6割程度まで落ちてしまう、接近戦が得意な子もいれば遠距離戦が得意な子もいるのだ。

NAには接近戦を得意とする子を配置してNBはそれに追従しNCは中距離からNDはそれと同程度でNEとNFは遠距離からの戦闘を得意とする子で構成している。リーダー格の子供に『ナンバー』を与えて部隊ごとに統率させている、基本的に自分が全ての指揮を出来るので普段は自分が出すが今後を考えると子供らの中からリーダー格を厳選するべきだった。

配置が変われば装備も変わる、自分が開発したクロスボウは文句がないがそれ以外の装備が無かった、町で売られている装備はどう強化してもこれには勝てない。なので、専用装備の開発が必要不可欠だった。

「(子供達の非力さを考えると射撃武器以外選択の余地が無いが両手が塞がることを考えると接近戦ではあまり大型の装備は不可能だ、ダガーなどを携帯させてクロスボウを元に威力や連射力や有効射程を長くするなどして攻撃範囲を広くするか)」

木を切り倒す作業をしている子供達を見ながら装備の改良を黙々と考えることにした。

「装備の改良ですか?」

「うん、人数が増えたから戦闘範囲が広くなった。基本となるクロスボウは強力だけど攻撃範囲が重なりどうしても無駄が出てしまう、距離に合わせて新しい装備が必要になったから」

ミリオンらに説明する、現時点では問題ないがクロスボウの連続射撃で全て倒してきたが今後出てくる敵を考えると新装備は必要なのだ。

「(さて、どうしたものかな)」

装備は全員に渡してあるが今までの戦闘で強化すると3つの選択肢が出てくる。一つ目は接近戦用に連射力を高めて大量の矢をバラ撒いて威力制圧するという物、二つ目は元々のクロスボウをそのまま発展改良させるという物、三つ目は有効射程と威力を重視した物、この3つが候補となる。

前世の火器の技術を応用して数日間製作に引きこもる。

『ファング・クロスボウ』 接近戦用装備 ブラッドラインの専用発展型 元となる装備に改良を加えて連射力と装填できる矢数を高めた 矢は小型だが性能は損なわれていない 攻撃速度増加 装填矢数25

『バトルライン・クロスボウ』 汎用戦用装備 ブラッドラインの強化発展型 元となる装備をそのまま全体的に強化した 矢はそのままだが基本構造が見直されているためさらに扱いやすい 装填矢数20

『サンダー・クロスボウ』 遠距離専用装備 ブラッドラインの特化発展型 元となる装備を大型化して威力と有効射程を大幅に増加 矢が大型化して重量が増加した反面鉄板すら楽々貫通する 装填矢数15

『ファングダガー』 高度な技術により作られた万能装備 子供でも扱いやすく解体から料理まで何でも使えるが恐ろしい切れ味 強度増加

『大型矢筒』 魔力によって大量の矢をストックできる 最大300

この装備が今後の基本になるだろう。ここから専用の矢が必要になったので木材の殆どを矢に加工してしまう。男女による腕力などの差を無くして可能な限り機械化している。

子供らに最低一つの属性魔術を与えているから魔力を付与すれば様々な効果が出せる。問題は個人個人で属性や魔力量が違い効果が安定しないことだ。

カインやエレンなどごく一部を除いてまともに魔物とは接近戦など出来ない。どうしても安全圏から威力制圧という戦法が一番安全なのだ。かなり一方的になるが。

装備を奴隷に渡すために出ようとして、

「ハクロウ、そのままの姿で出てはいけません」

ミリオンらが止める。

「どうして?」

「あなたは気づいてないかもしれませんが少々この都市で名前が売れすぎてきました。戦力とならないはずの子供らを大量に買い漁り数多くの依頼を捌いている私達を見て真似する愚か者も出始めています。あなたには捨て駒という考えはありませんが他の傭兵らは子供らなどただの処理要員でしかありません」

どうやら上手く仕事を捌きすぎたことで同じことが出来るだろうと考えた馬鹿者達が出始めているそうだ。

「まいったなぁ、どうしようか?」

基本的に傭兵団のリーダーでなければ依頼は受けられない、高額の依頼も回って来るようになりだして稼ぐためには依頼を受けないといけないがこのままだと目立ちすぎてしまい面倒なことになる。

「これを着てください」

「なにこれ?」

出されたのは狼のような仮面と服装だった。

「【王狼の仮面】【惑わしの衣】というマジックアイテムです。能力向上などはありませんが外見を完全に誤魔化す効果があります」

それを装備して正体を隠せということらしい、他にも子供の奴隷が大量に買われることを誤魔化したり品物の出所を辿られたりしないためである。その辺りは考えていなかったので今後傭兵団を動かしていくためには複数の姿が必要であると。

彼女らの厚意はありがたかったのでそれを装備するが、

「何か道化師みたい」

着替えると変な役者のようでありセンスはなかった。

「普通は名のある傭兵団の隊長は名前や姿を豪華に見せるのですがこちらの戦闘要員のほぼ全てが子供という特殊な状況を考えると多少愛嬌がある方が受け入れやすく信頼されやすいと思います」

姿を見せると子供らは大喜びだったので文句が出せない。装備品を全員に手渡す。

それからはその姿のまま依頼を受けている。

「アンタが『白狼』のリーダーか?」

護衛の子供と一緒にギルドに依頼を受けに行くと体格の大きな男らが数人近づいてきた

「あんたらだれ?」

同業者風だが。

「『バンテリオン』傭兵団のオズルだ」

何か話があるらしいので付いて行く。もちろん、仲間らに極秘裏に連絡して戦闘をいつでも開始できるようにしてから。

「他の仲間はどこだ?」

「教える必要は無い」

男らにはどうも嫌な感じがする

「単刀直入に言おう、そちらの傭兵団を解散して仲間に入れ」

「なんで?」

「安値の子供の奴隷らで格段に稼いているお前達を確保すれば莫大な利益となる、面倒を見るから仲間になれと言っているのだ」

どうやら同じように奴隷の子供らを使いながら損失ばかりが増えてしまい面倒なので傭兵団ごと引き抜こうと考えたようだ。

「お前らは安直過ぎる、背後から撃たれるかもしれないのに何で手を組む必要がある?身の丈にあった仕事をして稼げ」

男らから殺気が出始める。こちらもそれに気づいて戦闘状態となる。

「もう一度だけ言う、従え」

「嫌だ」

子供らをただの処理道具としか見ていない奴らなど無意味だ。

「そうか・・・、残念だが死んでもらおう!」

笛を鳴らす、仲間を呼んだのだな。

「こちらは200人ほどもいるぞ!その半数にも満たないくせに逆らうからだ!殺して金目の物は全て奪え!」

目の前には10人前後だがこちらは5人、援軍の数を含めると戦力差は絶望的だ。こちらと相手の仲間が全員集まり都市側に自分ら、草原に敵と別れる。

こういう傭兵団とは名ばかりの山賊まがいの連中もやはり存在することを実感する。

「あなた達は何をしてるのですか!傭兵同士の殺し合いはご法度ですよ!」

ミリオンがギルド職員を連れてきていた。

「こいつらはこちらに無条件で従えという脅迫行為をしてきた」

基本的に傭兵同士の殺し合いは特別な事情を除いて禁止されているが中には契約破りも存在するのだ。

「『白狼』に『バンテリオン』のリーダー、どういう事情か知りませんがこんなことに何の意味もありません、武装状態を解除して話し合いをしなさい!」

「皆殺しにしろ!」

相手はもはや話し合いなど無用として進撃してくる、こうなったら互いが全滅するまで止めようが無い、人殺しは嫌だがそれでは子供らを守れない!

「戦術単位構築!各自最大火力で敵を殲滅しろ!」

醜い殺し合いを始める。向こうは半数以上が接近戦の装備であり盾装備が多く弓使いや魔術師もいるが少数だ、接近させて物理攻撃で敵を倒す古風な戦術。この世界の常識的な傭兵だが。

ガガガガ~

「ギャァァ~!」

「ヒイッ!何で盾を貫通するんだ!」

「助けてくれ!」

こちらは能力的に劣っている子供らばかりだが戦術を徹底させている上に装備が圧倒的に違いすぎる、ひたすら絶え間なく矢を打ち込む、向こうの盾など何の意味も無い。最初は前面から攻撃していたが殲滅速度を速めるため左右に分かれて三方向から矢を打ち込む。

相手は密集陣形で防備しているが矢は一人300本も持ってるし交代で補充すれば切れることは無い。完全に一方的に攻撃を加える、中には死体を盾に進んでくる奴らもいたがこのクロスボウにはそんな物など意味が無い。時間が進めば進むほど相手にだけ負傷者や死体が増えていく一方だった。

10人ほど生き残っている状態で攻撃を止める、ギルド職員らがあまりにも一方的に殺していくので仲間に警備兵を連れてくるように頼み戦闘を中止させる。

「もうここまでよいでしょう、生き残りは裁判にかけますので安心してください」

生き残りは全員血まみれであり負傷して無い者などいなかった。

遂に人殺しをしてしまい子供らに手を汚させてしまった重圧が大きい。

「これが愚か者の末路です、あなたは正しいことをしただけですよ」

エリスが慰めてくれる。神官である彼女だがこれは『事前予防』とだけ言った。こちらを攻撃してくるのが分かっていながら何もしない方が悪いと。この世界ではこれぐらいおこっても仕方ない問題なのだ。

「俺達はただ『勧誘』しただけだ!」

裁判が行なわれて生き残りは真っ当な話だと反論していた。

「裁判長、『バンテリオン』には依頼の受注数に比べて説明が出来ない収入や品々が存在します」

ギルド職員は彼らに提供している『拠点』としている建物に調査の手を入れるとどこから持ってきたのか分からない金品を多数発見した。それらを調べると盗品や強奪品が数多くありギルド規則破りをしているという証拠として提示した。

「お前ら!勝手にアジトに入りやがって!」

生き残りは激昂するが警備兵に無理矢理押さえ込まれる。

建物には傷ついた子供らが数多くいることも判明した、自分と同じように奴隷の子供らを使って稼ごうとしたが満足な戦闘訓練もしてない上に指揮官としてもど素人なので負傷者が続出、治療薬も使わず放置していた。奴隷でも人権は存在するし買い主には最低限の衣食住を提供する義務がある、それを完全に無視したのだ。

業を煮やした彼らは直接自分らを手に入れるという強攻策に出て壊滅し今の状況になる。

裁判は建物も財産なども全て没収し傭兵団は解散し全員強制労働か死罪となった。自分らはすぐさま奴隷として買われた子供らに治療と食事を与える。大分怪我が酷く衰弱していたが五体無事であり時間をかければ全員健康になる。

「この奴隷として買われた子供らを保護して傭兵団の規模を拡大しませんか?」

傭兵ギルドの重役達と話をしている。

「『白狼』の規模は小さいですが依頼達成の確実さと速さ、何より能力不足の子供らが大多数戦闘要員でありながら戦力は人数より遥かに高いです、こちらで出来る限り援助しますから大規模な依頼を受けて欲しいのです。考えてもらえませんか?」

所帯が増えることは大規模な依頼が受けられることを考えれば良いと言えば良いが。

「あれだけの数の子供を受け入れるとこの場所では仕事を持て余します、他の都市に派遣するなどの営業が必要になりますが」

他の都市の話を聞くと戦力不足はあちらこちらに存在しているのに優秀な指揮官や指導者が居らず戦局は悪化の一途、物資の流通も途切れていて難民が続出し奴隷として大量に溢れまともな政治が出来ないそうだ。派遣されてくる指揮官も見栄えばかりを気にして役立たず、もはやどんな条件でも受け入れるから実戦本意の優秀な戦術家が欲しいのだと。

今まで最大規模の『バンテリオン』は完全に潰れたのでどうしても空白が生まれてしまう、そこで自分に白羽の矢を立てたのだ。

「具体的にどのように援助してもらえるのですか?」

色々と項目が書かれた書類に目を通す。

「(ミリオン、エリス、この条件は簡単に良いか悪いか判断して)」

二人に書類を見せる。

「(・・・資金を始めとして奴隷の優先的な購入など色々ありますが要約すると正規軍顔負けの援助だということです)」

「(そうですね、この都市は豊かですがそれだけ切望しているということでしょう。予算など軽く五百人程ですし食料などの援助も傭兵団の範疇を超えています)」

二人ともあまりにも多大な援助に半信半疑だ。

「傭兵の本質は『暴力』です、話し合いの段階など完全に超えている状態だから自分らの商売として成り立っています。対外的なパフォーマンスなどしませんし依頼主とは金の繋がりしかありませんが金を支払えばどうにでも動かせるなどとは思わないでください。金が支払いたくなければそれでかまいませんが二度と仕事はしてもらえないと思って下さい」

さすがに職員らも予想外の答えに驚いている。

「では、あなたは何のために傭兵をしてるのですか?」

「これ以外に取り得が無く仕事として成り立たないからですよ。ぶっちゃければ独善的な生き方という奴です」

前の世界では民間軍事会社など存在するが人の生死に関われる責任が持てなかった、この世界でそんなことを言っても馬鹿なだけだし殺されるしかない。罪悪感が無いわけではないがすでに人殺しをしてしまい逃げ道はないのだ。

「そちらの条件に不満はありませんが指揮権は完全にこちらのものとします。あと、保護した子供らは全てこちらの奴隷とすることが条件です」

簡潔に答えを出す。

「それでは契約してもらえるのですね!」

すぐさまサインする。これで資金や物資の調達の手間が省けたが裏切らないとも限らないので逃亡用の退路を確保しておかないとな。

彼らのアジトだった建物から子供らを全員病院に送って奴隷として契約する。かなり酷い扱いをされていたので戦闘兵として使えるようになるのか半々だが無理なら支援兵として回復薬や装備作成として力を発揮してもらう。

保護した人数は100人近くいるためどれだけ馬鹿者が多いのか実感することになった。さらに100人も奴隷の子供の買ったのだ。都市側からモンスターの脅威が手に負えなくて大急ぎで戦力を増加して欲しいとのことだ。

奴隷の子供らが全員回復してから軍事訓練を施す、応急処置から始まり武器の手入れから使用方法に軍律などなど山ほどある。部隊編成人数がもはや想像以上となり悪戦苦闘する。

「1・2・3・4、呼吸を乱さず隊列を崩さず走る!」

カインらが子供らに訓練を施している、自分が直接見るのが一番なのだが時間が無いのだ。

あまりにも数が大規模になったので新しい戦術単位を作る

『総合戦術軍団A(アタック)』

中人数単位で編成される戦闘タイプの戦術単位 全員の能力向上 ステータス異常回避 効率化 武器適性 体力増加 ヒーリングバフ etc

今まで訓練をした子供らにはこれで戦闘能力をさらに高めてもらう。

『総合戦術軍団S(スピード)』

中人数単位で編成される機動力タイプの戦術単位 全員の能力向上 ステータス異常回避 効率化 速度増加 隠密 識別 ヒーリングバフ etc

敵地の偵察を専門にする単位も作成する、情報量の有無で格段に被害が抑えられるからだ。

『総合戦術軍団F(フォックス)』

中人数単位で編成される狙撃タイプの戦術単位 全員の能力向上 ステータス異常回避 効率化 鷹の目 忍耐 ヒーリングバフ etc

最後は射撃装備のことを考えて遠距離から攻撃する単位とした。

これを子供らに全員与える。もちろん、全てがこれに適応できるわけではない、30人ほど戦闘行為が不可能なのもいたので『総合戦術軍団N(ノーマル)』を与えて素材採取や資源回収をさせるサポート部隊とする。

始めは突然与えられた情報と命令に戸惑うが半月ほど経つと理解できるようになる。装備を全員に与えて操作方法を学習し本当の実戦に行くことにする。

「AAを中心に攻撃開始!SAからは左右に散らばれ、FAからはその援護だ。今までの訓練どおりにすればいい」

すぐさま大規模なモンスター討伐依頼を引き受ける、結果をきちんと出し続けなければ援助を切られるからだ、今までよりも遥かに数の多いモンスターを見て多少緊張していたが最適な命令を出し効率的に倒す。

「AAとABの二隊に分かれて攻撃継続、SAとSBはAAにSCとSDはABに付いて行け、FAとFBは両面に援護するように攻撃をしろ」

敵の数が多いため単位の情報の更新が早い、射撃武器が殆どなので矢切れをおこさない様交代で補充をする。

「全敵の殲滅を確認しました」

30分ほどで全ての敵を倒す。

「各自周囲を警戒、NAはモンスターを解体をしろ・SAは周囲に散らばりモンスターを探せ」

部隊ごとに命令を出しておく

「東に約200Mほどにモンスターがいます、数は50」

偵察がモンスターの情報を確認する。

「AAとSBとFAを行かせる、NBはそのサポートだ」

部隊を分けて行動させる、一塊ではこれだけの人数だとどうしても効率が悪い、最大で3隊にまで分けられるが現時点では2隊以上は不可能だ。しばらくして、

「(こちら分隊、敵目標を確認しました)」

カインが連絡してくる。

「(周囲に他のモンスターは存在するか?)」

「(確認しましたが増援は無いと思います)」

どうやら不安点はないようだ、敵を殲滅して素材剥ぎ取りを終えるまでその場で待機させる。ヘッドサークレットには高度なカメラのような機能があり奴隷たちの見ている情報はすべて頭の中に入ってくる。

こちらの休息が終わり次第そちらに向かうと連絡を入れる、NAがモンスターの解体が完了したことを伝えに来たので【無限収納】に入れてから移動する。合流すると大型モンスターが多くまだ全て解体できていなかった。まだ経験不足なのである程度は時間に余裕を作らないといけないと考えた。矢は再使用可能なのは全て回収する。

そうして夕暮れとなる。

「本日の戦闘はこれまでにする」

全員で都市に帰る。もちろん、こういうときこそ敵が襲ってくる確率が高いので最大の警戒をしておいた。

「これが今日の戦果です」

都市に戻りモンスター討伐や素材採集の数や素材数を報告する、かなりの大金を貰っているので定期報告する必要があるのだ。今日は大中小合計で450体ほど倒した。とりあえず最初の仕事としては最低限の仕事だと思っていたが、

「・・・本当にこの数字ですか?」

何か不思議そうな顔である。もしかして規模に比べて少ないのだろうか?

「何か問題がありますか」

まだ地図作成が終わっておらず地形も全て把握しているわけではない、殆どが訓練不足の子供ということであまりにバラけさせると奇襲などで混乱することを考慮しているためである。今以上倒すのならばもっと訓練を厳しくしなくてはいけない。

「いえ、非常に上出来ですから驚いているのですよ。同程度の傭兵団でもこの半分にも到達しませんしそれなりの負傷者が出ますし日数もかかる、負傷者0でこれだけの上手に早く仕事を捌いてくれるなんて。『バンテリオン』はやたらめったら金や物資を要求していたのを考えると大幅な資金削減になりましたから」

とても都市の利益に適うのだと手放しで喜んでいた。

この世界の戦術など何も考えず『突撃しろ!』としか言わず射撃装備の重要性が分かっていない。剣などで装備し鎧や盾で身を固めて接近戦に持ち込むしか考えていない。別にそれが悪いわけではないがモンスターの攻撃に耐えられるほど強い奴らなどまったくいないのが現実だ。それなら最初から切って射撃攻撃などだけにして反撃など許さず殲滅したほうが全てにおいてメリットになるがそんな装備などどこにもない。それどころかそうすることこそだけが唯一の戦いだとしか考えいないのだ。

都市にいるほぼ全ての傭兵がそんな馬鹿の一つ覚えなので負傷者が出て当たり前の戦法であり病院には連日負傷者が担ぎ込まれてパンク寸前である。

もっと戦術を高めて訓練をして攻めと守りを徹底させれば格段に犠牲者が減るのだが、

『傭兵家業は世界で一番金になる』

各都市でそんな募集をしているようだ。それは間違いではないが負傷するリスク、物資欠乏のリスク、戦力確保のリスクなどなど考慮するとほぼ完全に天秤がマイナスに傾く。この世界の戦術レベルではまともに稼げるのはほんの一握りだろう。都市などから援助を受ければ多少状況は変わるが大半がまともな頭数を揃えられずその日暮らしの生活、酷いと半日もかからずに皆殺しという結果、これでは一方的に墓場送りが増える。

世界中で戦術レベルの極端な低さの問題解決の話が上がるが実験しようにもそんな余裕などどこにも存在しない。ひたすら数をそろえて物量で押すだけである

「(非常にバランスが悪いな、頭が悪いのか経験不足なのか知らないがそれなりにモンスターの脅威は長い時間存在しているはずだ?それなのに指揮官が人材不足だとは聞いていて呆れるしかない。どうにもこうにもおかしいところばかりでどう突っ込んでいいのか)」

非常にご機嫌な重役達を眺めながら未来がとても不安だった。

都市から拠点として大規模な宿屋を安値で部屋を借りている。ミリオンらを呼んで、

「この世界の戦術研究や理解度の低さはいつから始まったのか教えて欲しい」

彼らに一番の疑問をぶつけると。

「この世界ではほぼ全てがハドルニア神を信仰しています。教義の一説に『汝がもてるだけの力を持って戦え、勝つも負けるも己ひとりである』として言葉が残されていて戦いとは個人個人の自由である、集団で単独の敵を襲うなど外道として解釈されていて全ての兵士や傭兵がほぼ正面からの力攻めしかしません」

「そうですね、近年はモンスターの脅威に対抗できず各地で敗走を重ね戦術を考えようとしても『誰も何も考えず手を打たず勝手気まま』に戦わせているのがほぼ全てです。こちらが数で有利な時は勝利しますが不利な時は惨敗を仕方なく受け入れております」

ハクロウのように強力な装備の製作や綿密な役割分担や個々の能力分析をして徹底的に命令服従させたりなどしないと。それもこれも指揮官が完全に無能なのが問題だった。王族や貴族だとかにそういう指揮官らしい教育はしているそうだがあくまで『らしい』である。無意味な礼儀作法や人との見せ掛けばかりの付き合い方などは教えてくれるが戦闘訓練などはほぼしない、それどころか戦場にすら出ないそうだ。

「なんでそんなことになるの?」

エリスの話だと軍部は華やかな反面派閥争いが激しく大半が親の七光りで入隊し賄賂を渡して出世してるそうだ。ほぼ全てが金の力でどうにでもなるため無能さがさらに加速しいかに金を手に入れるかだけしか頭に無く戦場で指揮を取ることなど部下にまかせっきりで責任を取らない、要するにトカゲの尻尾切り状態でしかなく勝っても戦功は横取りされ負ければ切り捨てられる。軍部の劣悪さは周囲にまで飛び火して必要戦費として徴収し放蕩三昧の日々を繰り返す、そんな人々に頼ることなど出きずに滅亡した都市も数多く難民が数多く溢れ出し奴隷に身を落とす人々はそこらじゅうに存在する。上手く買われれば多少は楽な生活だが大半は酷い状態での生活が待っている、それでも幸せなのだとか。

一部の国を除いて世界中でそんな状態に陥りもはや王族や貴族などは信用されず独自に戦力確保をして自立しようとしている都市も数多い、このアラールもその一つだ。近隣に傭兵を募集して戦力確保をしていたがやはり数任せだけの素人戦術と数多くの負傷者や犠牲者が出て資金繰りがギリギリの状態であったがそれでもないよりはましであった『バンテリオン』は多額の金を取っていたがそれなりの戦果を上げていて目を瞑ってたが自分らが来てからは遥かに上手く早く仕事を捌くので注目していたそうだ。

その傭兵団の半分以下の人数で壊滅させたため都市の重役や傭兵ギルドはメインの仕事を自分らに鞍替えして回すようになった。あいつらは事あるごとに金を出せなどと要求していて悩みのタネだったが自分らはそんなことなどまったくしないし契約内容をきちんと守るし資金や資源は都市側にさほど負担にもならないし負傷者を出さないしかなり健全だ、もちろん場合によれば支払いがされないこともあるが。

どこもかしこも戦いに継ぐ戦いで帳簿は赤字続きであり街道の安全確保すら難しい状態であり魔物討伐から警備まで人手はいくらあっても足りないのだが指揮官が無能ならばどうしようもないのだ。

「向こうは今回は何も言いませんでしたが次回からは何かしら注文をつけてくると思います」

傭兵は契約を終わればどこに行こうとかまわないが都市側からの契約期間は最低6ヶ月という長期契約だ、戦力となる人数確保や資金調達はむこうが優先的にしてくれるので楽だがそれだけ戦力確保が緊急事項という裏返しでもある。

仕事をこなしても依頼主次第で金が支払われないことも多い、前の世界でも2回に1回は未払いが発生していたのだ、それを考えればこの世界はそれなりに健全ということだろう。モンスターの脅威が人間より遥かに上であり国々で争っている状態で無いということもあるが。

そうして一ヶ月の間モンスター討伐から素材確保まで真面目に仕事を行なう、軽く4桁以上倒してギルドに報告した、向こうはあまりにも短時間で大量に倒していることが信じられず信用できる職員を帯同させてまで事実の確認をしたぐらいだ。

素材などは装備に加工したりして戦力の強化をした、いつまでも普段着同然ではいけないだろうし。各自に雨を防ぐ外套や着心地の良い服などを与える、こんなことですら他の奴隷購入者はしないから酷い世界だと思う。

それからはさらに都市の周辺警備や商人部隊の護衛などの依頼を与えられる、交易が途切れ途切れであり山賊などが存在する可能性が確認されたからだ。

「ハクロウ、暇ですね」

「そうですよ、ただの護衛だとつまらないです」

カインやエレンは愚痴を言う。

今日の依頼は隣の都市まで商隊の行きと帰りの護衛だ。近隣のモンスターは大概倒したので次は物資補充や購入の商隊の護衛の依頼となった、隣の都市バラードに大規模な交易品を買いに行く部隊を編成してその警備を一任された。

「戦闘が無いかもしれない依頼だけど楽だし無用の戦闘がない、金払いも良いから」

かなり大規模の依頼であり他の傭兵も入っている。以前から何度か行なっている交易部隊だが殆どが山賊に襲われてしまい交易品を奪われてしまったそうだ。

「他の傭兵らの動きを監視しろ、裏切り者がいる可能性が存在する」

奴隷の子供らに他の傭兵の監視をさせる。

何も問題なく警備している内にバラードまで到着する。

商人らが物資や商品を買い込んでいる間にこの都市の状況を確認することにした。子供らにお金を与えて色々調査する。

宿屋で待機して子供らの様子を確認する。ヘッドサークレットからは都市の状況が逐一入り、

(食料の金額も金品も流通もおかしな所は無い、でも、どこか不自然だ?これはもしかすると最悪の状況も考えて行動しないといけないな)

違和感が芽生える、それは時間が経つごとに大きくなる一方だった。そうして交易品を予定数まで買い商隊と護衛の自分らは都市を出て行く。

「護衛に皆さんはお疲れでしょう?甘いモノを用意しましたので食べてください」

他の傭兵らが果物を持ってきていたあまり顔は良くない。

「傷みが早いのですぐに食べてください」

どうしてだかすぐに食べるように促す。

「厚意はありがたいが今は警備中だ、後で食べる」

それでも今すぐ食べろとやや乱暴に言ってくる。

(どうやらそういうことか)

全員に食べるフリだけをさせる。

「ゆっくりとお休みください、ゆっくりとね」

男らは満足そうに帰っていくのを見ながらすぐさま吐き戻す。おそらく予想どおりならもうすぐ行動を起こしてくるだろう。

「ギャハハ~、商隊を襲い荷物は全部奪え!全員皆殺しだ!」

やはり恐れていたことが起こった。他の連中は、

「なんだ!体が動かない、どうなってるんだ!」

麻痺状態であり指一本動かせない。

そこに先ほど果物を持ってきた男らが現れる。

「へっ、傭兵団なんて見入りが合わねぇよ。山賊の方がよっぽど楽しいぜ!ギャハハ!」

「お前ら、何をした・・・」

「まだわかんねぇのか?おめでたいねぇ。果物に麻痺毒を大量に入れておいたのさ!向こうの領主様らは交易で品々を出したくなくてねぇ、他の都市からの形だけ交易して金を取り後で俺らに頼んで品物を回収させているのさ!」

このクズどもは同じ傭兵でありながら山賊のほうが本業だった。

「さてと、理解できただろ?サクッと死んでくれや」

「嫌だ、助けて」

商人らは懇願するが、

「証人を生かしておくと領主様がやってることがバレちまうし俺らも殺されちまう。これまで生きたんだから十分だろ?サクッと死んでも」

ガスッと、男の頭に矢が突き刺さってそのまま絶命する。

「な、何だ!」

「お前らの愚かさはクズ以下だ」

自分らと奴隷の子供らが姿を現す。

「何でお前らは動ける!」

「食い物に違和感があるからすぐに吐き出した、お前らは証人となる以外は全員死ね」

馬車の影に隠れていた子供らと周囲に隠れていた子供らに殲滅しろと命令を出す。

「たかが子供らに何が出来る!」

「お前らにも何ができるのかな?」

相手の攻撃範囲外からの正確無比な射撃を数え切れないほど行なう、さすがに無差別に撃ちまくると味方にまで当たるので多少狙いが付けにくいが今まで訓練した子供らは容赦なく敵だけを倒していく。

「ギャァ~!」

「何だこの強力な射撃は!」

「矢が体を簡単に貫通する!」

向こうは150人ほどで機動力を生かした装備だったがこちらの攻撃を回避できない、矢の威力や速度がそれを許さないのだ。一部反撃する奴らもいたが移動する前に容赦なくクロスボウの的となり死んで行く。一人二人と死んでいきリーダー格の男と5人だけ生き残った状態となる。

「何だよお前らは!」

「都市側に雇われている傭兵だ」

簡潔に答えを言う、こいつらにはまだまだ聞きたいことがあるのだ。

「ここまで正確に移動経路を見つけることが出来たのは内通者がいるな、都市に連れ帰り全て白状してもらおう」

奴隷らに彼らを捕縛するように命令する。

「ふざけんな!これでもそれなりの傭兵団だぞ!」

むこうも捕らえられ裁判にかけられてしまうと今までの悪事が発覚することを恐れている、この様子ではかなりの回数を重ねてきたのだろう。

口ぶりから領主などが完全に関わっていることは確実だった。

「な、なぁ、見のがしてくれよ?そうしたらアンタにも甘い汁を吸わせてやるよ、どうか」

「あいにくとお前らのような悪人と手を組む意味は無いし汚れた金にも興味がない」

もはや話す必要すらない。全員捕縛して都市まで連れて行くことにした。毒物を飲んだ人たちは解毒剤を飲ませて回復させる。

商人の部隊を全員無事に連れて帰るとすぐさま捕縛した傭兵団の彼らは事情聴取を行なわれる。多少荒っぽい方法が取られたが全て白状した。領主公認での他の都市からの商人の暗殺から始まり苛酷な奴隷への暴行など罪状はキリが無かった。すぐさま王国に書類を送ったが、

「王国の人間は腐りきっています。書類を何の証拠もない偽物と断じて破り捨てました、おそらく賄賂を貰っているのでしょう。バラードに兵を派遣して奪い取ることにしました」

何の関心も持たれず追い出されたことにアラールの重役や傭兵ギルドの職員は激怒、力ずくで都市を落とす決定を出した。

「ハクロウ、なぜこんなにも話が大事になっているのですか?」

ミリオンらや子供らも不安の色を浮かべている。まさか証拠があるとはいえ他の都市に攻め込むなど予想外なのだろう。殺すのは領主とその側近ら全てとそれに味方する傭兵団だけだが住民を人質に取る計算なども入れなくてはいけない。

さすがにこっちとしてもこんな大規模なことになるとは思ってなかった、捕虜を渡せばそれで十分だと考えていたしここまでの事態になるとは考えもしていない。どうやら今までにも何度か同じことがあったようだ。

バラードにすぐさま攻め込める準備を整えると、

「敵戦力の無力化は全て『白狼』に一任しますので存分に戦ってください」

アラールの重役達が頼み込んできた。基本的に他の部隊は囮であり内部に侵入して戦うのは自分らだけだそうだ。

「出来る限り援護したいのですが戦闘能力に差がありすぎて他は足手まといです、無用な兵を守るより信頼できる兵だけで戦うほうが楽でしょう」

まぁ、確かにそうだな。敵戦力は確認では2000ほど、矢などは過剰とも言えるほど確保してある。莫大な依頼金を先渡しで受け取っているので逃げ出すことは出来ない。

翌朝都市をギリギリ視認で切る場所で偵察すると防備を固めているようで各所に陣地が構築されていた、こちらが攻めて来る事を事前に察していたようだ。他の部隊を動かすのを止めて周囲を偵察する。

「(各所に均等な数を配置してるな、正面には柵が立てられていて侵入するのが難しいから左右から同時攻撃でいけるか、新しく製作した『スタン・ボム』や『フラッシュ・ボム』を使えば無力化は容易い)」

『スタン・ボム』 魔力で作成された局地戦携行装備 着弾点を中心に雷属性で攻撃する 一定時間強制的に麻痺状態にする

『フラッシュ・ボム』 魔力で作成された局地戦携行装備 着弾点を中心に光属性で攻撃する 一定時間強制的に盲目状態にする。

正面から進軍する部隊は出来限り敵の注意を引き付けさせて左右から強襲し一気に本丸を落とす作戦を立てる。部隊を二つに分けてその後ろに援護の傭兵を付いてこさせる。

「ふわぁ~、いきなり警備を固めろと言われたけど」

西門の兵は突然傭兵らに警備を任せたことが疑問だった。

「どうせお飾りだろ?この都市に侵入してくる敵なんていな」

ガスッ、と男の頭に矢がどこからとも無く刺さる。

「ヒイッ!敵襲、敵襲だ!」

情報を他の場所に伝えられては困るので一息で殺す。西側から電撃的に進入して次に東側から侵入させる。あまりにもいきなりの攻撃に殆どが装備など抜けないまま絶命する。

「(カイン、東側の敵を排除しつつ中央本部を目指せ。武器を抜いて抵抗する敵は容赦なく殺して良いが無抵抗の人間の攻撃は一切禁止する)」

「(了解しました)」

東側の部隊に命令を出しつつ西側の部隊を纏める。

「(ABはそこの敵をボムなどで一掃しろ、SB、その場所の敵はこちらより多いからTBの援軍を待て)」

部隊は半々に分かれていて瞬時に指揮を出さなければいけない。

「(AAはそのままSAの先導に従い進め、FAはその後方からだ)」

予想よりこちらの制圧速度が速い、むこうはまさか宣戦布告もなしに攻撃されたので混乱していた。

「(都市の中央まで来ました)」

「(SBとFBを残して正面門に向かい敵の背後から攻撃して制圧、その後他の部隊が入ってくるまで警戒しろ)」

すぐさま正面門を背後から攻撃しほぼ全て殺す。

「都市の防備は無力化しました、入りましょう」

他の部隊と共に都市に入るとかなりの死体が散乱していたがそれを無視して領主館まで奴隷の子供らと一緒に向かう。門は頑丈に閉ざされていて大金槌を使い強引に開ける。内部にはメイドたちが多数いたが抵抗はしない。領主の部屋まで何の抵抗も無く進む。

「ヒィッ!お前らはアラールの傭兵だな!宣戦布告も無く攻撃するなど卑怯ではないか!」

イチイチ戦争でそんなことをしても何の意味も無い。それよりも卑怯でいいから脅威を排除する事の方が重要なのだから。

「守りを固めていた傭兵らは全員始末しました、色々悪事をしてくれましたね。それらを含めて罰します」

酒盃と短剣を差し出す。

「毒を飲んで死ぬか自刃するか選びなさい!」

アラールの重役たちはそれ以外責任の取り様が無いと断言する。

「じ、自分は領主だぞ!こんなことをすれば王国が黙っておらんぞ!」

「かまいませんよ。どうせ王国は形だけで成り立っています、こちらに戦力を回す余裕などありませんし向こうにも後ろ暗い部分がありますから簡単に切り捨てるでしょう。甘い汁を吸い続けて経済を傾ける領主などもはや害悪以外ありません。ここの統治は今後こちらが責任を持ってしますから安心してください」

領主らは激昂して武器を抜くがクロスボウの連射に、

「ヒイッ!何だその装備は!正々堂々と武器を打ち合わせて戦え!」

戦いにルールも安全地帯も存在しない、例え大人だろうが子供だろうが敵を殺さなければ生き残れない、奇襲強襲罠などは当たり前だ、そんなことすら分からないほどこの世界は遅れている。

結局毒を飲むことも自刃することもしなかったので捕縛して牢屋にぶち込む。

その後アラールの重役達は領主館を初めとして調べると罪状が数え切れないほど出てきた。他の都市から来た商人らを殺して金を奪ったり交易品の略奪を初めとして傭兵団に金をばら撒いての死体のもみ消しをしたり他の都市の重役を暗殺したり毒物の作成などいくらでも出てきた。

「民ら!これは陰謀だ!領主である自分らを助けろ!」

領主らや側近を始めとして関わった傭兵団などを広場に引き出して公開処刑とする。住民らからは一人も助けようとする人がいない、よほど悪事に手を染めていて敵意以外なかった。さすがに自分や子供らは見てしまうとトラウマになりそうなのでその報告を聞いただけであった

バラードはアラールの支配下に入り統治者などをこちらから派遣することが決定ししばらく様子見をすることになるが、

「そっちの敵を優先的に倒せ!S単位とF単位は2方向からA単位を援護しろ!矢の装填は交互に出来るように動け」

傭兵らは連日大忙しだった。今までいた傭兵団は領主の息が掛かっており使い物にならず追い出したのだ。その分だけアラールから傭兵などを派遣することが決定事項となったのだが自分らほど早く確実に損害を出さず仕事が出来る傭兵団などどこにもいない。周辺の警備からモンスター討伐までほぼ全ての仕事を受注することになった。

さすがに人数不足なので150人も新しく奴隷の子供らを買い最低限の訓練と装備と軍律を教えて部隊を編成し直し仕事をこなす。全員を戦闘特化には出来ないので半分は素材採取や治療薬を作成する生産部隊として編成する。色々言いたいことは沢山あるが子供らにも自由に出来るお金が欲しかったので黙々と仕事を捌くしかなかった。疲労の面を考慮して自分以外を2部隊に分けて警備と休憩する部隊に分ける。

予想より短時間で大規模な部隊となってしまったので奴隷を買うのはしばらく出来ない。満足な訓練を施しておらず自分が指揮しなければあっと言う間に壊滅する危険性があるからだ。ミリオンやエリスらに子供の面倒を見させておき反乱などが起こらないようにする。厳しい訓練を終われば楽しい食事の時間となる。

「「「お代わり~!」」」

子供らは元気一杯に食べ物を腹の中に納めていく、多大な契約金のおかげで食糧事情は大幅に改善したので色々な料理を出せる。この世界は粥が主食であるためそれに野菜などを入れる。にんにくも手に入ったのでそれも入れてる。時折だが焼肉も出す、畜肉を手に入れるのは難しいが最初に茹でてから火で炙る。茹で汁をソースに使うなど工夫もちゃんとしている。健康な体を作るには誰よりも食べることが重要だ。

「はいはい~、お代わりはいくらでもあるから!」

「一人一人皿を出してください!」

エリスらはお代わりをする多数の子供らを何とか相手にしている。軍隊では食事以外に楽しみが殆ど存在しない。子供らにギャンブルを教えるわけにはいけないし何かしらストレス発散の遊びも提供しなくてはいけないだろう。

「おつかれさま~」

ミリオンとエリスを労う。子供らは寝所で見張り役を除いて眠っている。

「この傭兵団は本当に奴隷の子供で構成されているのか疑問だらけですね」

「本当です、訓練は苛酷ですが身の安全を確保するため当然ですし食事なども普通の住民より良いですから」

二人とも同じ奴隷だが年長者で女性なので子供らの気配りに長けているので正直助かっている、戦闘指揮はだれよりも出来るがあまり子供らと遊んだことが無いのでその心情を理解するのは難しいからだ。【奴隷化】してるので考えていることはほぼ全て筒抜けだが守るべき一線は存在する。

「予定していたより遥かに早く資金や資源なども調達できたし人数も足りている、当分はこのまま訓練を行い個人個人の能力を高めていこうと思ってる」

「そうですね、まだまだ戦闘がおぼつかない子供は多くもっと訓練が必要でしょう」

二人とも同意してくれるがどこかしら不満があるようだ。

「こっちには筒抜けだけど言わなければ何も始まらないよ」

考えていることをちゃんと言えと促す。

「性別や年齢を問わず奴隷は各地で溢れています、彼らに何かしら仕事を与えることは出来ないのでしょうか?」

やはりその問題だ。自分としてもどうにかしたいが横暴な大人が多く先の問題で部隊には組み込めないし購入金額も高くそもそも仕事も住む場所すらも存在しない。金も自由も無く生活が出来なくなったために奴隷となっているのが大半でありそんな彼らを大人数買うことも仕事を与えることも出来ないのだ。

お金には多少余裕があるが子供らに暴行を加えられてはたまらないし仕事は子供らのほうが真面目にしてくれるので必要性を感じない。

「どう考えても不可能。もし、それを可能としたいなら一から国を建てなくてはいけない」

無情だがそれが現実なのだ。自分だって好きで子供らに殺し合いをさせているわけではないし成長すれば開放してあげることも考えているがここ以上に安全に生きていける場所が存在しないのだ。何の意味も持たず無理矢理労働させられるより武器を装備してモンスターなどを殺しているほうが多少気持ち的に楽というだけ。

結局大河の流れの中を小船で流されている状態でありその舵取りを自分がしている現実は変わらない。どれだけ指揮官として優れていても選べる選択肢は似たような物だけだ。

(もっと奴隷らを救って欲しいという願いは理解できるし同情できないわけではないがそんな資金も場所も存在しない。例えどれだけお金や土地があろうともそれは夢物語なのだ)

食料だって農民が育てて対価を受け取る、時間という労働に金という形として渡してるだけなのだ。どこからとも無く沸いて出てくるわけではない。

「二人の言い分は分かるけど不自由な農民と自由な奴隷のどちらが幸せ?」

二人は非常に悩んでいる。奴隷として買われた子供らのほうが戦闘に出されるという危険性があるが生活待遇は格段に良い、それに比べて大半の農民や住民がその日暮らしの食事に不足しているという現実を考えれば後者のほうが幸せかもしれない

都市の外に出れば魔物の脅威はどこにでも存在する、自己防衛すら出来ないのに守ってあげても『奴隷の子供なくせに!』と不満と暴言を言われたこともあったのだ。自分らも慈善で仕事はしてない、きちんと報酬があるからこそ危険を承知で傭兵をしてるのだ。プロとして働くのは当然だ。

自分が例え全員を奴隷から解放しても状況は良くなるどころか酷くなる一方だ。奴隷商人に捕まり誰とも分からない人のために働かされる。自分も同じだがこの子らにキチンと与える物は与えている、衣食住は当然で文字の読み書きや数字の計算など前の世界の小学校高学年ぐらいは教えている。殆どの子供はチンプンカンプンだがその使用方法も説明した。

もしこれが大人だったら、

「勝手に戦い勝手に死ね」

それだけで終わっていたはずだ。こんな子供らだからこそ放って置けなかったのだ。

「今の自分にはこれ以上のことは出来ない」

それだけしか答えはない。二人も自分の能力は認めているが足りない物だらけの現実を変えるには自分らが無力であるとしか答えを出すことしか出来なかった。

翌日以降も奴隷の子供らに訓練を施してモンスター討伐を繰り返す日々が続いていくと思われたが、

「こいつらだれなの?」

呼び出されて会わされたのはピカピカな服を着た男女10人ほどだった。

「この都市では防衛のための兵が不足してると聞いて優秀な貴族である自分らが必要不可欠であるとして親から指揮官として配置された。今後この都市の全ての戦力は指揮下に入る」

ありがたく思えと非常に偉そうだ。指揮官として配置、ねぇ。年はさほど違わないと思うが。

「仕事ができるのですか?」

「不満がありそうだな?王国軍学校で優秀な成績で卒業した我らならばこの都市の安全は約束されたも同然である!」

こっちはまだ何も言ってないのだが。

「自分が従うのは依頼主から支払われる金であり言われた仕事だけです」

「はぁ?よく聞こえなかった?なにやら従わないと聞こえたのだが?」

わざとらしく聞こえていないとアピールする。

「傭兵は金だけが全てです」

「聞いたか皆!こいつは金のためだけに仕事をするのだそうだ!この守銭奴め、お前のような奴などと仕事をしなければならないなど身が汚れるわ!」

そうして彼らはどこかに行く。

「なぜあんな奴らがいるのですか?」

付き添いは、

「この都市近郊の貴族の子供なのですよ。どうやら親の七光りで軍に入ったので戦闘の怖さをまるで知らないようです」

アラールからの人間は無用の人間だと切り捨てる。別に彼らのことなど何も気にしてない。金が支払われ続けるのならば仕事をこなすだけだ。周囲の警備からモンスター討伐までの仕事を淡々とこなしていく。

その間奴らは昼間から酒を飲み仕事の書類は丸投げであり軍事訓練もしないというダメっぷりを全力で発揮して何の権限もない見せ掛けばかりの端っこに追いやられた。

「何で我らには兵の指揮権が与えられない!こんなのは完全な差別だ!」

理由の説明を求め始めた。

「この都市では『白狼』が全ての軍事行動を一任されています。彼らの許可が無ければ兵は動かせません」

「こんな仮面を被ったどこの誰とも知れぬ人物を信用してるというのか!」

淡々と説明されるたびに激昂する、指揮官なら常に冷静でいろ。

「我らが指揮を執ればこんな奴らなど必要が無い!」

もはや完全に意味不明である。

「兵士達!そいつを殺せ!」

彼らが連れてきた兵士達に命令してこちらを殺そうとするが、

「ヒギャッ」「ギャァァ」「グフゥッ」

護衛の子供らが問答無用で兵士達の足をクロスボウで打ち抜く。鎧を着たまま横倒しとなる。

「太ももを打ちぬけ」

命令どおりに一人につき2~3本矢を打ち込む。それで兵士らは動くことが出来なくなる。

「「「ヒッ!武器を向けるな!こっちにくるな!」」」

これだけでどれだけぬるま湯な世界にいたのか分かってしまう。モンスターどころか人間同士の模擬戦すらしていない、ただの子供の遊びの延長にいただけであった。

「は、はは、早く貴族の自分らを助けろ!」

自分らが連れて来た兵士では役立たずと判断して周囲の警備兵に助けを求めるが、

「分かりました、お助けしましょう」

一瞬安堵するがそれは最悪の判断だった。助けを求められて兵士全員が彼らに容赦なく武器を振るって包囲したのだ。

「な、何でだよ!こいつらは傭兵だぞ!金だけが全ての奴らだぞ!」

「キチンと金を払い依頼を受けてもらえば彼らはプロ、結果を出さなくてはその日の安全すら確保できません。彼らの戦闘能力をまったく理解していないあなた達はクズ以外言いようがありません」

残念だが『お前らのほうが悪い』と断言する。

「貴族である自分らに危害を加えればタダじゃすまないぞ」

「ではハクロウ様に金を積んで依頼をしましょう、『近隣の貴族を皆殺しにしろ』と。正直に言いますがあなた達は好き勝手にやりすぎました、もう十分でしょう」

もはや味方がいないことを断言する。

そうして彼らは恐怖に震えながら領地に帰っていった。もはや二度と逆らう気など無いと思っていたが、

「近隣の貴族らが兵を引き連れて来ました!」

どうやらまだ夢から覚めていないらしく領地の私兵を呼んで都市に攻め込んだ。傭兵団と貴族の私兵が激突したのだ。もはやここまで来ると武力で解決するしかない。

「い、命ばかりは、お助けを!」

結果は向こうの大惨敗である。説明が面倒くさいので省くがこちらのクロスボウの射撃攻撃に耐えられずあっと言う間に死体が積みあがり敗走しようとしたが先に退路を絶っていたのでアッサリ降伏した。子供らに唆されて出陣してきたがあまりにも一方的な展開に戦意を喪失した。

「こちらに絶対服従する代わりに見逃されるか全財産を没収されて追い出されるか選べ。和解金の支払いと領地の削減は当然で今後一切問題を起こすな」

「そ、そんな!」

何の意味もない殺し合いをさせられたのだ、それなりの条件を出させなければ納得できない、向こうは突然家族が死んだことの問題もあるがそれは向こうの問題でありこちらには負うものはない。どう説明しようが身勝手な判断をした貴族らに全ての責任があるので不満が膨れ上がるがこちらは一方的に戦争を仕掛けられたのだから正当防衛である。

その後貴族らは無責任に家族を殺された人たちに多額の賠償金を支払い勢力を大幅に削られてしまった。こんな愚か者ばかりでよく秩序が成り立っている物だと思ってしまう。
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