チート奴隷使いですが文句ありますか

無謀突撃娘

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傭兵家業7

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「こちらとしては今後都市の防衛をするのは質も量も不足しています。他の場所で奴隷の子供らを買い訓練を施し装備や知恵を与え部隊の戦力を増加させる方針です。増加できる人数は最大500人前後です。他の都市への派遣も契約内容に含まれていますし商人らの護衛などをするにはどうしても頭数が必要です。装備作成はこちらでしますので資源を出して下さい。それ以外にも・・・」

アラール、バラード、ナルダーの統治者や重役達や傭兵ギルドの幹部に職員を集めて今後の方針を話し合う、自分ら以外にも傭兵団は存在するが自分らほど危険で難しい依頼を上手く大量に捌けるような実力も規模も大きくない。程々に働けるという評価なので自分らには難易度の高い依頼ばかりが来てしまう。別にそれはいいのだがもう少し他の傭兵らの実力差はどうにかならないかな。大半が難易度の高い依頼を受けようとしないためこっちの負担が大きいのだ。

「分隊として都市に戻ってきているカインらは非常に優秀で難易度の高い依頼を一度の失敗も無く捌いています。欲を言えばもう少し人数が欲しいですね」

「エレンらも文句が付けられないほど優秀だ。商人らからは専属の護衛にしたいと毎日申し出てくる。もっとも手放す気は無いがね」

仲間らはそれぞれの場所でキッチリと仕事をしている。そうなると物資調達のほうも聞くが不足無くしているとのことだ。とりあえずはこのままで大丈夫だろう。

農地を豊かにする堆肥なども大量に製作して荒れた農地に出して開墾をしている。結果が出るにはしばらくかかるが食料が不足すれば士気が激減するので確保が急務だ。モンスターのせいで荒れ果てた農地は数多く存在するのだから。

「すると各都市の経済状況は良い状態という事で纏めていいんですね」

「そうですね、白狼のおかげで治安維持はこの上なく高まっています。経済発展も数年必要ですが十分計算できるので今後はさらに他の都市との貿易などもする必要はあるでしょう」

そのときの護衛はこちらに一任するとの事だ。

「塩などは当然として交易品の目星はどうなっていますか?」

近くに海が無いためどうしても海産物や塩などが不足しているのだ。その辺りはやや遠い場所に大規模な取り引きが出来る都市があるのでそこに商人を行かせる計画だ。公爵様の領地で大規模な鉱山が多数発見されたのでそこに労働者を送り込んだりもしなくてはいけない。さすがにこの辺りは傭兵が口出しできる範疇を超えているのでどうしても他人任せになる。

「ベルーナとブランクの両都市から白狼の派遣依頼が何度も来てますがどうしましょうか」

傭兵ギルド職員は面倒な問題を話し出す。どうやら対応に困っているようだ。

「現時点の戦力では3都市分の防衛で精一杯なのです。これ以上広げると惨敗する可能性が大きすぎます。もう少し人材育成を終わらせてから派遣するのが普通ですがよほど緊急事態なのですか?」

傭兵ギルドらは両都市の状況報告をするがあまりよい顔をしない。

「ベルーナは貴族が治めていて私兵がそれなりにいるはずですし傭兵らを殆ど受け入れようとはしませんから白狼を派遣したとしても使い潰す計算が高すぎます。ブランクは飛び地で派遣するのは距離が遠すぎますしあの辺りはさしてモンスターの脅威は大きくありません、他の傭兵を雇い入れれば解決は難しくないです。現時点では派遣は見送ってよいでしょう。こっちもただただ要請があれば出すという選択肢が出来ないのです。傭兵ギルドの情報網を甘く見ないでください」

どうやら他の都市の情報をかなり集めているようで現時点では派遣の意味が無いとギルド幹部らは判断した。むやみやたらに動かす事が出来ないのでこっちに問題解決を任せるのは無意味だと判断したのだろう。こっちも色々とやらなければいけない仕事がたくさんあるので各地の情報源を握っている傭兵ギルドの協力はありがたい。

「両都市にはもっと傭兵の影響力を高めろとしか言えませんね。軍隊は莫大な金と物資を消費しますがいつ危険が襲い掛かるのか分からない現実をもっと理解しろとしかいえません。白狼がこの辺りでは一番優秀なのは間違いありませんがすでにこちらに確保済みなのです。無意味な横槍は非常に迷惑です、そもそも優秀な傭兵確保はどこでも急務ですがそれを横取りすれば良いだけなどと思い違いも甚だしい。こっちだって白狼以外の傭兵らにも仕事を割り振ってるのですよ。だけど大半がランクが低い仕事しかしたがらないから脅威度の高い依頼はいつまでたっても解決できない、こっちだって頭が痛いんですからね!」

傭兵ギルド関係者全員が愚痴を言い出す。

自分らと他の傭兵とではランクなど評価が完全に違うのは引き受けている依頼難易度の違いがありすぎるのだ。上の依頼を受けなければ評価が上がらず下のランクだとまったく評価が上がらない。自分らは脅威度の高い依頼ばかり優先的に受けて捌いているので評価が段違いに高いが他の傭兵らは自分と同等かそれ以下の依頼、もしくは最低クラスの依頼しか受けようとしない。全てがそうではないがどうしても負傷者や戦死者などのリスクが大きすぎて受ける者がほとんどいないのだ。傭兵ギルドのネームカラー評価は当然ながら上がることもあれば下がる事もある。

内部資料は定期的に見直しが行なわれ依頼の受注数や達成数、難易度などなどを考慮して書き直しは当たり前で高いランクを維持するのは非常に難しいのだ。圧倒的多数が緑色止まりなのは現在の傭兵らでは上げられる要素がまったく無いという単純明快な理由である。紫色にすら辿り着けず終わり行けたとしてもその維持すら殆ど不可能、それ以上の傭兵団ですらその維持が限界なのだ。これではまず優秀な傭兵になどなれない。

だからといって最初から危険度の高い依頼は受けられない。最初は誰もが下積みをさせられそれから魔物討伐などを出される。中には勝手に魔物と戦おうという愚か者もいてそいつらの最後など簡単に予想できる。ここまでだと臆病者呼ばわりされるかもしれないがそれだけ魔物の脅威が強大すぎるのだ。人数を揃え訓練を施し装備を整え万全の準備でも戦場には何があるのか分からない。突然モンスターが別方向から来ることも当たり前だし休憩中に不意打ちを食らう事も多い。

その辺りの情報が傭兵らの間で恐怖として当たり前になり危険度が高すぎたり長期間の依頼は受けたがらない事に繋がってるのだ。人間は集団で行動するもの、それが当たり前なら疑問を持たない。自分ら以外には難易度の高い依頼を受けないのが長い事当たり前になっているのでこれを変えるのは非常に難しい。他の傭兵らでもある程度まで行けると思えるがただ数任せの力押しだけの戦術ではどうしようもないのだ、自分が指揮を執ればどうにでもなるがそこまで手が回らない。

結局自分らだけ危険度の高い依頼を受け続けるという悪循環に陥っている。こっちだって常に依頼をこなせるのかと言われれば難しいのだ。半分くらいは壊滅させられるが残り3割は長期的な計画を立てなければ難しいのであり残り2割は一歩間違えればこちらが壊滅してしまうモンスターも多い。それらの情報をデータ化して何度と無くシミュレートを繰り返しても予想外の行動を取られて被害を出しかねたことも一度や二度ではない。

自分らの装備を提供すればもっと楽と思う事も多々あり傭兵ギルドらに話したこともあった。

「残念ですがこの装備の数々は強力すぎます。公開すると貴族間の争いの火種が拡大するだけです。よほど信頼できる人物か傭兵ギルドの人間以外には見せないで下さい。絶対ですよ」

残念ながら完全に止められた。この装備の数々は現在は白狼以外使用させると危険度が高すぎると。

「これだけの装備なら善も悪も思うがままです。健全な傭兵であるあなたが使うなら問題ありませんが悪傭兵の手に渡ると弱者を虐げる道具にしかなりません。提供してもらえば戦いが一変するほど負担が減りますがすぐさま貴族らが独占技術とするでしょう。無能な人間らにこれを渡すわけにはいきません」

現在の状況ではこれを自分ら以外に使わせる必要性はどこにも無いと。まぁ、これだけの装備が世に出回れば戦いが一変してしまうな。もうしばらくこの装備などは傭兵ギルドの最重要機密情報として扱い関係者や中位幹部以上でなくては分からない様にするそうだ。

「いくら白狼が優秀でもそう簡単に戦力増加できるわけではありませんし傭兵は他にも数多くいます。危険度の高い依頼を優先的に捌いてもらいましたから治安は安定してしますがまだまだモンスターが数多くいる場所のことも考えると迂闊に動かすのは危険です」

「そうだな、もうしばらくはここで質と量を揃えてから派遣するのが最善だろう。他の都市には悪いがここまで優秀な傭兵団なぞそう簡単に出てくるものではない。互いに協力し合い都市の発展を促そう」

重役やギルドの人間も全員賛同する。その判断に異論は無いので黙っている事にした。

話し合いが終わり解散する

それ以降も同じように依頼と訓練をこなす日々が続く。あれからボムの生産数を大幅に増やし奴隷の子供らの携帯数も増やしておく。どこでなにがあるのか分からない戦場で生き延びるのは装備の充実が不可欠だからだ。

「AA~ACまで3段構成で射撃開始!それ以外は左右から攻撃しろ。S単位はボムを投げ込み敵に身動きさせるな。F単位全員は合間を埋めるため周りを見ながら攻撃しろ!!」

モンスターの大多数が前の世界の恐竜に近く体格が大きく固い上に移動速度もそれなりという厄介極まりないので装備使用をフリーにして全力で攻撃するしかない。しかもこいつらは【咆哮】でこちらの動きを止めたり【集団本能】で増援を呼ぶからさらに危険度が高い。矢もボムもありったけ用意してるが3割ほどが弾かれてしまうので武器による接近戦も行なわなくてはいけない。

「やぁっ」「このぉ」

子供らの腕力では中々武器が通用しないのでどうしても苦戦が多い。装備は優秀だがそれでも倒しずらいのだ。索敵と戦闘を何度も繰り返していく。再使用できる矢は全て回収する。

「各自の戦術単位の情報を更新、装備の状態を報告」

それぞれの単位で状態を確認する。装備品は足りているが各自疲労が大きすぎる。これ以上の戦闘は危険度が高すぎるだけだと判断してモンスターの解体が終わったら周囲を警戒しつつキャンプに戻る。

「ハクロウ、お帰りなさい」

フィアナとエリスや審査役や支援兵の子供らが休憩の準備をして待っていた。

「本日の働きはどうでしたか」

「予想以上に敵が強すぎる、こっちの装備が悪いわけではないけどそろそろ新しい装備が欲しくなってきたと感じてるよ。この場所の危険度の高さはしつこいほど説明されたけどこれなら依頼が放置されていった理由も理解できる」

さすがに装備が通用しなくなり始めたのだ、こればっかりはどうしようもない。そろそろ新装備も作成しなくてはいけないのだと実感するがこれ以上改良できる要素が無いのだ。どうしても製作したいなら基本構造を見直すしか方法が無いしいっそのこと火縄銃にするか?火薬の性能が高いため前の世界より遥かに強力となるだろうしこれなら殺傷能力が高い。しかし、そうなると弾薬の装填をどうしようか?

「う~ん」

早合のようにするか?でもそれだと邪魔になるし詰め替えてる間は無防備だ。クロスボウは優秀だからそれと組み合わせてみるのも面白いかもしれないな。というか魔法という万能の力があるから火薬にこだわる必要性もないか。

「「ハクロウ!」」

「な、なに?」

フィアナとエリスが大声を上げる。

「脅威の排除を考えるのは結構ですがもう少しこちらに気を配ってください」

「そうです。いくら話しかけても自分の世界に入り込んでしまうと周囲が見えないのは問題だと思います」

この二人は何時の間にか協調路線を取り始めている、いつの間に仲良くなったんだ?食事を取るとすぐさま荷物を纏めて都市に戻る。新装備も考えないといけないな。傭兵ギルドに向かう、依頼内容は十分すぎるほど達成したがそんなことなどもう頭の中に無かった。さらに脅威に対抗するためにどうすれば良いのかしか考えられない。いつからこうなったんだろう?

「ハクロウ、ちょっと」

受付に行くとギルド職員らが近づき小声で話しかけてくる。

「どうしましたか?」

「今ベルーナから貴族共らが来て身勝手な事ばかり言っているのです。報告は審査役から聞きますからしばらくギルドには来ないでください。依頼のほうも緊急時以外出しませんからしばらくお休みとなります」

どうやら大問題が起こっていたようだ、正直タイミングが良かった。新装備の設計や開発に時間が必要だったので渡りに船だ。

「わかりました、問題の解決はそちらにお任せします」

「申し訳ありません」

ギルド職員から頭を下げられる。久々に自由な時間になるので子供らにお金を与えてストレス発散させようこのところ厳しい戦闘続きだったから。自分にはお休みは無い、さらに戦術を練り装備も開発しなくてはいけないのだから。



~ナルダー傭兵ギルド会議室~

「そんなことなぞ絶対に認められない!」

ナルダー傭兵ギルド長は大声を上げる。普段は温厚で優しいと評判な分だけ怒りも凄まじい。

「お前らはどこまで愚か者なのだ!話を聞けば白狼の全戦力をベルーナに回せと言ったり物資支援の量は何も知らない子供が書いたかのように馬鹿げた数字、さらに訳の分からない契約書を用意してハクロウに絶対サインさせろともはや駄々をこねる子供以下だ。こんな条件など言い出せると思っているのか?それとも傭兵ギルドが脅しに屈すると考えたのか?お前らの醜さは見てられない、帰れ!!」

あまりにもあまりな内容にさすがに見過ごせるものではないと激怒していた。

「傭兵は基本的にフリーな立場だが金を受け取り依頼を受ければ達成しなくてはいけない。すでに白狼は3都市と長期間の契約をしている。割り込む余裕など無いしさせない。それをお前らは一方的に奪い取ろうとしておる、そんな横暴な行為など通用せん」

「移動させる代わりにそちらの補充要員をこちらから用意すると言っているではありませんか。皆立派な騎士なので即戦力ですし傭兵ごときが主役などあってはいけないこと。今こそ騎士の時代なのです」

どう考えても馬鹿者の極みであった。

「その騎士らが役立たずだから傭兵らが活躍してるのだ。それほどご立派な騎士ならば自分の領地を護衛させれば良いはずだ」

「残念ながら魔物らとは縁遠い場所なのでどうしても他の場所に派遣させる必要があるのですよ」

のらりくらりと話をするこいつらには悪意以外感じない。傭兵ギルドは各地の情報を正確かつ詳細に把握できる情報網が存在する。こいつらの都市や領地にもそれなりに魔物がいて経済が悪化していると事前に情報を入手しているのだ。もちろん、こいつらの言う騎士の情報も入っている。『中央騎士学校』を卒業したと書かれているがその中央の腐敗ぶりは猛毒以外ありえないと評判だ、そんなのと白狼を交換などどう考えても天秤が釣り合わない。

最低レベルの依頼すら受けるのかも分からないし騎士は定期的に金が出される、それはこの都市の財源からだ。白狼に支払ってる金額は他の傭兵らと比べ物にならないほど高いがそれを問題としないほど敵を徹底的に潰すし護衛の依頼も完璧だし物資だって無意味に要求はしない。危険と判断すれば撤退する事もあるが戦果は十分すぎるほど稼いでいるし一度で依頼が達成出来なければ何度か同じ依頼を受ける。受ける依頼は危険度がもっとも高い依頼だけなのでそれは当然だし次回以降も予定に入れておけば時間はかかるがほぼ必ず達成してくれる。

基本的に『不可能です』と言う事はないがどうしても時間がかかるのが当たり前な依頼ばかりであり長期間張り出しても受けてもらえず悩みのタネだったが白狼だと優先的に捌いてくれるので他の依頼も傭兵らに出しやすくなったのだ。それと釣り合いの取れる傭兵団などどこを探しても見つからないだろう。

ネームカラーはすでに『銀』に上がっていてもおかしくないが結成から最低6年以上経たないと認められないのが規則だ。言い換えればそれ以外の条件は全て満たしているということ。ヴァトラー公爵様の推薦も貰っているのでネームカラーは青色だがそれ以上の実力だと資料にキチンと書かれている。それほどの傭兵を手放すなど愚か以外ありえない。

こいつらは間違いなく白狼を好き勝手に使い潰す気なのだ。

「そなたらの言う騎士らをとりあえずこちらに派遣してもらい様子見をしよう」

「なぜですか?こちらとしても貴重な人材なのですよ。交換でなくては釣り合いが取れません」

他の貴族も大声を上げる。交換交換とうるさいが現時点で計算できないほど強い傭兵団とどうなるか分からない騎士団を入れ替えてどうするのだ?問題が起こったら責任を取れるのか?身勝手にも限界があるぞ。

「とにかく。現時点では白狼を外に出す気はない」

「こちらには明確な戦果を書いた書類がありますが」

そうして書類を渡される。それを見るとあまりに馬鹿馬鹿しかった。

(たったこれだけの敵を討伐してこの評価だと?白狼とは比べ物にならん、質でも量でも遥かに違いすぎる。こいつらは魔物のの脅威難易度を間違えているとしか思えん。このぐらいならば緑色でもどうにかなるぞ、どう考えても傭兵ギルドとは基本基準が違いすぎる)

中身を見て大きな溜息をつく。この程度なぞ大半の傭兵がこなせるレベルだ、それをいかにも華々しく盛大に書いていてまるでお話の中の主人公のように。しかも、傭兵等と同じようにネームカラーで色分けしてあり大半が青紫色以上であり中には金色までいる始末。一体誰がこんな評価を出したのだ。

「これを審査した人物は誰だ?」

「シゼル侯爵様とニール騎士団長と・・・」

話はいかに正確に厳しく評価が出されたのか自信満々だったがその人選は最悪極まりなかった。侯爵は平然と賄賂を要求し各都市から金と物資を巻き上げる欲に塗れた極悪人としか言いようがない。略奪と裏切りを平然と繰り返し傭兵ギルドを始め各地でもっとも嫌われていた。騎士団長も無能極まりない日和見主義者で戦場に出た事などなくただただ親と金の力で出世しただけだ。犯罪には手を染めていないが他人が行なうのを平然と眺めているし取り入り方が上手いだけの小心者である。そんなのが行なった審査などゴミにすらならない。

審査する人物が最悪なら審査される人物も最悪、やはりこいつらには現実を見せてあげたいと思う。

『絶望と恐怖と悪夢という形でな!』

(白狼と同じ難易度の依頼を受けさせようか?いやいや、それではあまりにも呆気なさすぎるし生き残るなどされたら問題の火種となってしまう。敗走しかけてるのを傭兵に追撃させるか?それならば山賊役を用意しないといけないな。いっそのこと完全に放置しようか?この辺りのモンスター相手ではまず間違いなく完全に負けてくれるだろうから後始末が楽だ)

ギルド長はいかに問題が起こった場合責任を彼らに背負わせて処理するしか考えが浮かばなかった。こんな奴らなどさっさと永久退場してくれたほうが世の中のためになる。ギルド幹部らも同調してくれる。こいつらには甘い夢から覚めてもらわないといつまでたっても世の中は変わらないのだから。

「とりあえずこの都市に限定的に派遣してもらおう。結果を出したら考える」

どうしても白狼と交換だとほざくが箸にも棒にもかからない無能な騎士団を見てやろうというのだ、貴族だとて甘い顔をする理由はまったくない。結局派遣させて結果次第ということで納得させた。先に明言しておくが無意味に逃げ出したり依頼を誤魔化したり遊びまくるなんて禁止だ。白狼と同等に仕事をこなせると自信満々なのだから同じ条件で働いてもらおうか。

(ククク、契約書に何の疑問も持っていない。以前とは違い内容は完全に別物だぞ?ハクロウからの忠告で遥かに健全かつ一部厳しく優しくなっておる。結果を出せる実力があるのならば何の問題もないが結果が出せないとあっと言う間に違反金を出さないといけないし逃げ道は徹底的に潰してあるので身勝手な判断など出来ない。ハクロウは本当に法律知識に詳しいな、王国法の抜け道をいくつも見つけ出してくれたから書類は誤魔化しなど出来ない。精々元気よく足掻いてくれ)

以前から王国法や規則により契約から逃げる輩は多かったのでハクロウと注意深く慎重に話し合い契約書などを書き改めたのだ。中央ギルドの方でもそういう違反者が出ている事に頭を悩ませていたがハクロウに話すと、

「それならば書類をもっと簡単かつ簡潔、そして健全なものに変えましょう。違反者は徹底的に潰しますがよろしいですね?」

そうして書類をほぼ完全に書き改めた。

いくつか聞いた事がない言葉も入っているがそれらの意味もちゃんと説明してくれた。王国法や現在の規則の見直しを数日で行いそれの抜け道などを明確に書き出し契約書から逃げられないようにしたのだ。もちろん、内容の事前説明は絶対にしなくてはならないがこいつらの頭の中には以前の内容しか入っておらず細かく変わった項目なども聞こうとはしない。基本的に説明するがそれはむこうが聞く事が義務として入っているのでそれすら怠るということは真っ白の紙に名前だけ書くのと同じ事であり無責任以外ありえない

別にこのぐらいは悪いわけではない。それが当たり前なのだから聞かない方が悪いのだ。内容に疑問を持てば質問するのが当然なので別に悪徳契約でもなんでもない。命と金に関わるのだから徹底的に書類を綺麗にするのは当然だ。

これらは全て中央ギルドや各地の傭兵ギルドに出されて非常に高評価を出した。書類が遥かに良くなったと。以前の書類とは比べ物にならないほど簡単かつ最適であり残酷だ。もはや悪傭兵などは契約書にサインが出来ないししたとしても逃げ出せないのだから。

そいつらは内容を程々に見ながら質問もせずサインをした。これで退路は完全に無くなってしまったのだ。こういうと詐欺師のように聞こえるが人道的かつ良識に沿っていて悪人には一切容赦しないだけだ。

「それでは都市に戻り派遣が決まったと報告します。人員は3000人ほど。派遣されたらすぐさまモンスターを一掃する事をお約束しましょう。そして、我ら騎士こそが王国や都市でもっとも求められるのだと証明します」

「よろしくお願いしますよ」

白狼を交換で手に入れられなかったがこれだけ大規模の派遣に腕が鳴るという顔だ。はたしてその自信が通用するのかな。

「ギルド長、あいつらは契約書の内容をまったく理解してないようですが」

「そうですね、ハクロウ殿が審査内容や契約内容を書き改めた事にすら気づいていません」

「完全に馬鹿の極みですね。あれで自分らと白狼が対等などとよくも言えるものです」

他のギルド幹部も無責任以外ありえないと呆れている。

「ハクロウとて騎士が完全に無能だとは断じておらん。守るべき誇りや礼儀なども考慮しておるし譲るべき部分はキッチリ守っておる。それを勘違いしておる愚か者が大多数なのだ。あいつらは私利私欲を満たすだけの悪徳騎士だ、見栄えだけしか能がなく賄賂で何でも許されると思っておる。こういうのが大きな顔をしておるから王国が腐ってしまったのだ、それを傭兵にまで押し付けて巻き込むなど絶対に許せん」

大体賄賂を持って戦場に出るなど常識以前の問題だった。もはや王族だろうが貴族だろうが平民だろうが奴隷だろうが今日立場を守れても明日同じ立場でいる保障などどこにも存在しない。モンスターの脅威に住民は怯え一刻も早い排除が望まれているのだ。それなのに貴族らは賄賂を取る事に熱中していて好き勝手に昇進している、無責任に他者を貶め派閥で自己防衛するなど最悪以外表現しようがない。ヴァトラー公爵様のように本気で脅威に立ち向かおうとする貴族などまったくいないのだ。

正直ハクロウのような人物こそが正規軍の総指揮官や元帥にこそ相応しいと思うことは数多い。彼のような人物ならば騎士も傭兵も誰もが文句なく付いて行くのだから。といっても腐りきった貴族や騎士社会を毛嫌いしているのでよほどの事がない限り近づこうとはしないだろう。傭兵という立場だが必要であるならば騎士側の都合も考えてくれる。

以前公爵様お抱えの精鋭であるリカルド部隊長率いる騎士団を敵味方負傷者無しで降伏させ騎士の愚かさを明確に指摘したそうだ。それからは捕らえられた騎士らは意識改革に着手している。どうして傭兵のほうが信頼されるのか、どうして傭兵の方に依頼が来るのか、それらを含めて少しずつ変化し始めているそうだ。

「こういうのは言葉だけでは理解できない、実際に直面しないと答えが出せない」

ハクロウは最初の一歩が難しいと苦笑いをした。誰かが始めなければ誰もしようとしないと。時間はかかるだろうが間違いに気がつけば改善すれば良いだけ、最悪の立場だからこそそれを理解して行動しろと。年は非常に若いが物事を冷静に広く深く見ていた。

白狼は大部分が奴隷の子供らで構成されていて殆ど大人はいない。別に買えないわけではないが横暴で反抗的すぎて子供らの大反発があるため信頼できる人物以外入れられないそうだ。教官役や相談役などで大人は欲しいそうだがそのような好人物などまったくいない。訓練は徹底させているが個人戦闘ではどうしても分が悪いそうだ。この辺りの改善策もどうにかできないかと話してくれた。やはり騎士団などから引き抜くしかないと答えたが。

「もう少し正規軍や騎士団はどうにかならぬのか?このままでは傭兵にばかり負担が増えてしまう。礼儀や礼節は否定しないがそれでは何も守れない。無駄に敗走ばかりを繰り返すくせに結果を認めようとしない。先人達が築き上げた立場や名誉が失墜しておる。これでは先祖にどう顔向けすればよいのだ」

自分を含めて大半が正規軍や騎士団には失望しているのだ。魔物の脅威が激化したのはこれが初めてではない、歴史を紐解けばいくらでも出てくるがいつの時代でも数任せの力押しだけ、これではいつまでたっても戦局は好転しない。ヴァトラー公爵様らは戦術の徹底的な見直しを開始しているが打開策がまったく出てこないそうだ。

「ハクロウの戦術をもっと詳しく調べるか、確認役も派遣しよう」

すぐさま行動に移す。審査役からある程度報告されているがどれもこれもが既存の戦術概念とは完全に異なっている。周囲を囲み殲滅したり、退路を断ったり、わざと逃げ出して罠にかけたりと徹底的な合理化がされている。装備自体も既存装備が子供の玩具と言えるほどに優れているし的確な場面で使うなど指揮能力も非常に高い、何より驚くのは命令を絶対遵守させる信頼度の高さだ。大多数の傭兵が好き勝手に動くのでどうしても効率的ではない。どれもこれも欲しいが現時点では出させるのは不可能だ。

以前使っていたという『ブラッドライン・クロスボウ』の性能には言葉が出てこなかった。強力で連射可能かつ装填も簡単という夢のような装備は戦い方を一変させるほど高性能だ。傭兵ギルドにも今後の装備発展のため提供され試験と解析を開始している。矢の消耗は激しいが有効射程内なら相手を選ばず通用するし数を揃えれば一方的に蹂躙できる。技術者や職人らに回して量産計画を立てた、同等の性能を安定して作るのは時間がかかるそうだが半年もあれば問題ないと答えが返ってきた。

白狼にはこれ以上の装備が正式に与えられているので以前の装備はあまり必要ではないそうだ、だから出来るだけ値引きしてもらった。まぁ、それでもこの装備の代金は高いがこれを他の傭兵団に標準装備させれば非常に効果的だし依頼難易度も格段に下がる。もちろん提供するのは信頼の置ける者達だけだ。

アラールやバラードとの正式契約に入り込むのは非常に大変だった。ハクロウには話してないがその時点でネームカラーは青色まで行っていたので優秀な傭兵確保が都市などの発展に大きく関わるので当然ながら交渉は難航した。

「白狼の派遣先として正式に登録し契約に入り込みたいと。先に言いますがこれだけ優秀だと出すモノは大きいですよ、その辺りは分かってるのですか?」

むこうの重役や傭兵ギルド関係者は厳しい態度を隠さなかった。傭兵は基本的にフリーな立場だが優秀であるなら引く手数多だ、長期契約も当たり前だし戦力分散なども難しい。こっちにはめぼしい傭兵はいなかったし資金などもそれほど余裕がなかった。むこうも2都市分の戦力維持が難しくハクロウに頼んでも戦力増加してもらえるのか確証がなかったのだ。そんな難しい条件でありながら粘り強く交渉して何とか正式契約に入れた。

ハクロウの意思をほぼ無視して進めたので反発もあったし嫌な顔をされたが受け入れてもらえた。限定派遣の時でも依頼を上手く大量に捌いていたしすぐさま難易度の高い依頼にも手を出して処理してくれた。商人らの護衛も完璧にこなしそのおかげで経済は上がり始めたのだ、物資の量もキッチリ計算して予算表を出すし訓練日数や休日の予定も事前申告してくるので安定して動かす事が出来た。味方に引き入れるという回答は大正解だった。

今後は防衛戦力の要として働いてもらうが現時点では他の都市に出す事は出来ない、この辺りの奴隷の子供らは買い占めてしまったしこれ以上人数が増やすのは難しいからだ。予定人数に空きはあるが大人の奴隷はいらないと断言された。結構な人数が存在するが子供らから大反対され言う事を聞かないため手に余ると。

「公爵様の領地で大規模な鉱山が発見されたのでそこに送り込むなりしてください。苛酷ですが自由になるのに時間はかかりませんし働き先としていくらでも人数が予定できます。それとも子供らを先に送り込みますか。どっちが面倒が少ないかなど簡単に分かるでしょう?」

残酷に言い放った。戦力としても労働力としても大人のほうが遥かに需要が高い、どう考えても順番は変化しないのだ。逆にすると面倒な事が増えすぎてしまう。大人の利用性を冷酷に理解しているのだ、さすがに鉱山労働に子供を駆り出すとなると非常に難しいし大人のほうが扱いが楽なのは当然だ。人権を多少無視しているとも思えるが子供の方が面倒が多く手間もかかる、どうやってもこれは覆せない。

借金を支払い終えれば残りは自分の取り分になるし働き具合は正確に計算されている。それなりの人数が支払い終えているが離脱する者はまったくいない。生活待遇は平民などより遥かに上であり必要な物も申請すれば出してくれる。定期的に焼肉なども出されているのでそこらより不自由はしないのだ。それも命令に従うという大前提があるが損害など出さないから裏切る危険性も皆無だし忠実に働けば働くほど利益が増えていくのでむしろ買われた方が幸せなのだ。

他の場所でもその話を聞いて奴隷を運用などしたりするが完全に失敗してしまう。

『お前らド素人の戦術と自分の研磨精錬された戦術を一緒にするな。簡単に真似できるのならこれほど状況は悪化してない』

残念ながら他とはあらゆる部分が違いすぎて真似するのは不可能なのだ。無駄に犠牲が増えて損失ばかり出てしまう。結局また奴隷として売られるか捨てられてしまうのだ。いくらハクロウでもそんな事まで面倒は見ないし見る必要もない。

「奴隷を運用して効率的に稼いでいる傭兵がいるそうですね、それを教えて下さい」

何組かの愚かな傭兵団が率直に聞いてきた。どうやら同じことが出来ると思っているようだがそれはハクロウだから出来る事だ、他人が出来る事ではない。一応忠告したがやはり同じように損害ばかりが増えてしまい結局見切りを付けるしか出来なかった。こんな愚か者が愚かな考えで愚かな行動をしただけなのだから責任は本人ら以外一切ない。中には不平不満を隠さずに言うのもいるが、

「お前らとは依頼の難易度が違いすぎるんだ、文句があるなら同じ依頼を受けてみろ」

依頼を提示すると全員逃げ出したのだ。

不平不満大いに結構だが覆しようのない実力差が横たわっているのだ。同じ依頼をこなせるのなら聞いてやるがそうでないなら黙っていろ。言っておくが脅迫したり襲おうとするなよ?そうなったらどうなろうと庇えないからな。ハクロウとの契約内容では『同じ都市に所属する傭兵でも明確な敵対行為をしたら警告し排除する』と書かれている。基本的に傭兵同士の戦いは禁止されているが中にはそれが分からない者らもいるのだ。前に白狼を脅迫した傭兵らはほぼ全員がすぐさま死体に変わった。話し合いが不可能だったため仕方なく戦ったが完全に一方的に相手だけ死人が積み上がっていきその後始末が大変だったそうだ。

基本的に白狼には密偵専門の傭兵らが監視役として付けられている。手を出すのはよほどの事がない限り禁止されている。それらの報告が上がるのだが、

「全員が恐ろしく命令に忠実で合理的、まともに戦っては勝ち目がない」

密偵の報告はそれだけだった。モンスターを殺すのも人を殺すのもハクロウの命令一つ、それに不平不満を言わないし嫌悪もしない。どんな強力なモンスターが相手でも倒しまくっているそうだ。

「あの子らは自分らの生活がハクロウがいなくなればどうなるか分からない事を自覚している。勧誘は無理だし反感を買うと都市を乗っ取るかもしれない。対応を間違うと大火傷でもすまない」

近辺の傭兵を全部集めても勝利する可能性が見つからないと断言される。約束を守るうちは条件次第である程度自由に動かせるが破った時にどのように動くのか判断できないそうだ。

「彼を絶対に敵に回さないで。あんな冷酷非情な敵と対峙したら自分らでも逃げ出す。私達は基本的に裏方、戦闘力はそれほどではない。白狼は現時点でも王国最強の戦力、正規軍ですら壊滅させる」

それだけを報告して消える。密偵らは嘘は言わない、それだけ強力すぎるという事だ。基本的に善人だが残酷な思考も持っているのでどこに危険な罠が存在するのか分からない。交流を深めて考えを知る必要があると全員が頭を悩ませる事になった。



「さてっと、どんな装備を作成するかな」

以前と比べて大量に資源が手に入るようになったから色々な装備が作れるようになった。まずは標準装備のクロスボウから始める。現在は3種類の装備だが内1種類は威力不足なので今後の発展性は無くなってしまっている。かなりのデータが取れたのでその仕組みは継承しつつさらに新しい装備としなくてはいけない。

「『ファング・クロスボウ』の連射力を継承しつつ『バトルラインクロスボウ』『サンダー・クロスボウ』の発展強化をしなくてはいけないな。機動性と取り回しを考えるとこれ以上の大型化は難しいから威力を向上させつつ色々改造しないとな」

頭の中で設計図を書き出す。これ以上の性能になると魔法で強化しなくては不可能なレベルだ。装填できる数も増やせないし有効射程もそれほど伸びないが威力だけならいくらでもカスタマイズできる。もはやゲームを改造しているとしか思えないが脅威は目の前に数多く存在している、これで平和が守れるのなら神様とて大目に見てくれるだろう、

そうして装備作成に4時間をかける。

『ヴァーシルライン・クロスボウ』 バトルラインの魔力強化発展装備 火属性雷属性の魔力を内包している融合兵器 基本構造を根本的に改め強力な魔力付与の矢を常時放つ事を可能とすることで威力を飛躍的に増加 矢に螺旋状の回転を与え殺傷性も増加 鉄板数枚を軽々貫通する 攻撃速度も大幅に増加されている 装填数25

『グラッドラー・クロスボウ』 サンダーの魔力強化発展装備 火属性風属性の魔力を内包している融合兵器 基本構造を根本的に改め強力な魔力付与の矢を常時放つ事を可能とすることで威力を飛躍的に増加 矢に螺旋状の回転を与え殺傷性も増加 大きな岩すらも簡単に粉々に出来る 攻撃速度は少し増加 装填数20

ヤベェ、とんでもない装備になってしまった。これ拳銃より危険じゃないか?とりあえず試し撃ちをしてみる事にする。

バヒュ~ン ドカーン

2つとも練習場で試してみると的が跡形も無く消し飛び後ろの方にまで大穴が空いてしまった。これは本気でヤバイ、火薬装備と合わせると正規軍や騎士団を皆殺しに出来るかもしれない。いくら奴隷の子供らで構成されてるとはいえこれほど強力すぎる装備だとよからぬ考えが出てきてしまう。しかし現実には今の装備ではモンスターに対抗できなくなっているのは事実でありなりふりかまっている状態ではないのだ。

(神様は許してくれるかなぁ)

(青年よ、悩みが深そうだな)

ぼやくとどこからともなく声が聞こえてきた。

(もしかして神様?)

(一応この世界では軍神などと崇められておる。どうやらこの世界の状態が最悪なのに悩んでおるのだろう。本来ならば何らかの救済措置を与えるのが当然なのだが国王や神官らは【勇者召喚】しか頭に無いから無駄に神々の信仰が激減しておる、もう少し現実を直視して欲しいものだ)

どうやら神々でも現在の世界は間違っていると判断しているようだ

【?????】→【軍神の啓示】 軍神から直接言葉を与えられ話が出来る 他の存在には聞こえない 

(その軍神様が現実で足掻いている自分に何か用ですか)

(そっけないな。主神様が異世界から連れてきてから今までずっと側で行動を見てきたぞ。王国の対応から現在までな、奴隷の子供らに徹底的に訓練を施し強力な装備を与え卓絶した戦術で圧倒的に勝利を手に入れてきたな。軍神としてはこれほど嬉しい事は無い、他の神々は良く思っていないがもはや脅威が大きすぎて残酷であろうとも排除しなくては力なき人々が無意味に墓場送りとなる。そなたには期待が大きいのだ)

手放しで褒めているがあまり嬉しくない。

(王国で召喚している勇者らはどうしているのですか?)

(非常に残念な結果しか出てこない。異世界の常識は知らぬが『勇者なのだから無敵だ』『死んでも蘇生される』『リセットボタンはどこだ』などとほざいておりまともに戦える状態ではない。それでも戦うのなら良い方で大多数が戦闘放棄して現実逃避している。異世界には戦場が存在しないのか?)

残念だが大部分が妄想の中でしかないと説明するしかない。もちろん本物の戦場も無いわけではないが大半がそんな事とは無関係の生活なのだ。自分だって最初モンスターと戦うときには恐怖を覚えた、今でもそれは変わらないが行動しなくては何も守れない現実を受け入れて足掻いているのだ。逃げ出したいと思う時もあるがそんな場所はどこにもないし過去に戻れるわけでもない。

(この世界の神様は万年休日なのですか、現実にはそこらじゅうで負傷者や死人が出ているのですよ)

(反論が出来ぬな。遥か以前は【勇者召喚】で勇猛な強者は数多く呼び出されてそれで解決できたが現在は指揮官の重要性が大きすぎて中々そんな人材が見つからない。数任せの力押しだけの戦術だけしかない事は歴史上最悪の失敗だ。神々の話し合いでも人材選定を厳しくしろとの意見が圧倒的に多い)

それならば前の世界の軍隊関係者を呼び出せば良いと思うが出来ないそうだ。

(それほどの人物だと影響力が大きすぎて歴史を狂わせてしまう可能性が大きい。我々とて異世界からの召喚には多大な力と信仰を使っているのだ。無意味な人選をしているわけではないがどうしてもその世界に影響が少ない人物が優先されるのだ。我々とて困っているのだよ)

だったらもっと知恵を出して恩恵を出せ、もしくは直接どうにかしろ。

(神である自分らが直接手を出す事は無理だ、あくまで見守る存在でしかないのだからな。見所のある存在に多少手心を与える事は出来ても直接どうこうは出来ない)

神とはそういう存在なのだと。信頼されるのも憎まれるの平等であると。別にそれはそれで良いが現実に生きている人たちには救いにはならない。

(この世界はこのまま滅びに向かうしかないのですか?)

(我々も可能性を模索しているがこのままモンスターの脅威を排除できなければそうなるな)

アッサリと本音を言った、それでよく神などと言えるな。現実でもがき苦しんでいる人々を簡単に切り捨てた。

(ふざけんな!神様の仕事を放棄して滅亡まで眺めているだけなのか?それでよく軍神などと言われているな?いつか絶対にその首を切り落としてやる!!)

(勘弁してくれ、これでも色々苦労してるのだ)

もはや喧嘩腰だ。

(こっちとしても文句は色々あるが話しかけてきたということは回避手段が存在するということだろうな)

(極々小さいが君次第ということだ)

自分次第?話が分からなくなってくる。

(【勇者召喚】で呼び出す勇者が全て駄目だと言うのならば【勇者育成】で新しい勇者を育て上げれば良いという結論だ)

なるほど、それならば人材選別が確実だし無駄になる事も無い

(それとこれとどういう関係があるのか説明して)

(君は異世界の力や知恵や技術を知っている、そしてその卓絶した戦術家として最強の元帥として絶対権力者としての能力はこの世界において極めて有用だ。君が後に生まれてくる英雄達の父となり旗印となるのだ。そうすればこの世界に希望が見つけ出せる)

よほど困っているようでこちらに丸投げしてきた。

(自分はただの人間ですし神様など信じていませんが)

(それでよいのだ。神々が問題を解決など出来ない、今を生きる存在こそが未来を変えうるのだから)

しばらくはそのままやってみろとのことだ、どうせ他に道など無いし神様公認で動けるのならばそれはそれでかまわない。そして【勇者の指導者】の加護を与えられる。今後は自分を最重要人物として援助するとの事だ。別に神々がどう考えていようと脅威となるならば排除するだけ、敵となるなら殲滅するだけなので今までもこれからも変わらない。

(自分が製作した装備はいつかは他人の手に渡りますがその時はどうするのですか)

(その強力な装備は今すぐにでも技術を公開して欲しいがそうなると王国などから独占技術として扱われさらに無意味な格差を生んでしまう。しばらくは君自身が認めた人物以外に渡らないようにしてくれ。神々から監視者を出して君を見守らせる事としよう。ところで)

『奴隷使い』である事はどうするのか?と聞いてきた。

(これが無いとすぐさま殺されてしまいますし欲しいのは忠実に動く仲間だけです。別に気にしてませんし『ガーガス・オルタネイト・システムマスター』などが無ければ装備などが作成できません。これを取り上げるというのならば二度と戦場には出られません)

(それを他人に譲り渡す気は無いか?それを他の人間でも使えるように出来れば全てにおいて有用なのだ)

う~ん、と悩む。正直に言えばこれを他人でも使用可能にして良いか悪いかと言えば前者だろう。この世界の戦術理解度は最悪レベルをさらに下回っているので軍事用でも民間用でも使用できれば飛躍的に安全が向上するがそれと同時に危険性も増すのだ。愚かな人間がこれを使い弱者を虐げる道具となる可能性が捨てきれない。何らかの選別試験を用意する必要があるだろう。

(まずは神々の中で自分の能力評価などを嘘偽り無く行なって下さい、話はそれからです)

(わかった)

これで話を終わる、呼び出そうと思えばいつでもできるのだから。

装備の性能を確認出来たのですぐさま量産する事にした。10日ほどかけて全員分を製作する。6:4に分けて揃え【アイテムボックス】でカインらに送っておく。装備が変われば動きも変わる、しばらくは新装備の熟練度を上げるために訓練しないといけないし飛躍的な威力の増加に戸惑う事も予想できる。以前のに比べて少し大型化して重量も増しているので少し取り扱いにくい部分もあるだろうが馴染んでもらわないとな。

装備を渡して射撃訓練を開始するとやはり射撃体勢が確保しにくく反動も増加してるので扱いが難しいと。座らせると多少安定するけど身動きが出来なくなるし地面にうつ伏せさせるなんて出来ない。装備の大きさは大人基準なのだから扱い方が難しくなるのは当然だった。移動しながらの運用が当然なので余計なモノは付けられないが応急策として補助用のストックを装着させる、これで大分扱いやすくなるはずだ。しばらくするとしっかりと的に当てられるようになる(数発で的は跡形も無くなるが)、傭兵ギルドからの依頼は緊急時以外来ないと言う事なので十分な訓練時間が予定できたのでひたすら訓練をこなす。

そうしてしばらく経ち傭兵ギルドに向かうとピカピカの鎧を着た偉そうな人たちが多数並んでいた。

「あなた達は誰ですか)

「自分らはベルーナから派遣された【牙龍騎士団】だ!お前は傭兵だな?仮面を被りそんな細い体で戦闘など出来るのか?自分らが来たからには今後はこの場所の仕事は一切無くなる、さっさと他の場所に行け。金で依頼を受けるお前らなどとは違う我等の優秀さに比べれば一目瞭然だ、さっさと消えろ!!」

どうやら愚か者の集団が到着したようだ。傭兵ギルド建物にいると言う事は同じように依頼を受けることには違いは無いはずだ。一体何を要求するのだ?先に言うが名誉とやらでは飯は食えない、何かしら物品は受け取るはずなので形が違うだけで意味は同じだ。そいつらは大人数で建物に押しかけているので他の人が入り込む隙間が無いので仕方なく出て行く。

しばらくしてからまた向かうとそいつらはいなくなっていたのでギルド職員に話を聞く事にした。

「ハクロウ殿、申し訳ありません。騎士団の方々が大量に来ていたので話が出来ませんでした」

「先ほど派遣されてきた騎士団とはどういうことですか?契約内容には無い状況なので説明をお願いします」

職員らは全員申し訳なさそうな顔をしている、どうやら何らかのトラブルがあったようだ。

「少し前に来た貴族から『白狼と騎士団を交換しろ!」と一方的に言い出しまして、何とか話をして騎士団を派遣して結果次第だと答えたのです。一応契約書にサインをさせて様子見をします。白狼など傭兵らには迷惑は掛けさせない条件なのですが・・・」

あいつらの態度だと傭兵を完全に見下してるな、また悩みのタネが増えてしまい傭兵ギルドは大変だろう。

「しばらく間が開いたので半分訓練目的の依頼を受けたいのですが」

「それが、その・・・」

しどろもどろな態度を取られる。

「申し訳ありません!先ほどの騎士団が白狼に回す依頼を全て持っていったので依頼が無いのです!!」

「はぁ!?」

そんな馬鹿な、自分らに回ってくる依頼は他の傭兵が引き受けられない難易度なんだぞ。それを全て持っていってどうするんだ?本当に達成できるのか?依頼期限は長めに取られているが一つだけでもかなり危険なのだ、それを大量に抱えて失敗でもされたらせっかく安定した治安が再び荒れてしまう。

「詳しい事は奥のギルド長らに聞いて下さい、十分時間を取っていますから」

どうやら予想外の事態にギルドのほうでも対応に困っているようだ、すぐさま奥の個室に向かいギルド長らと話し合う。

「傭兵ギルド長、なぜ自分らに回すはずの依頼が横取りされたのですか?それほど信頼が無いのですか?説明をお願いします!」

「ハクロウ殿!真に申し訳ない、それもこれも貴族らの横暴から始まった事。許してとは言えない状況なのだよ。内部の事情を話すから落ち着いてくれ」

どうやらむこうの都市の貴族らから強引な横槍が来たそうだ。依頼は全て自分らで受けてしまい傭兵らには一つも渡さない考えなのだと。そんな事をすれば傭兵らは日干しになってしまい都市から離れてしまう。自分らには余裕があるが他の傭兵らは何とか依頼をこなして何とか維持している状況なのだ。そこに降って湧いたように依頼の強引な横取りが起これば傭兵らの反発は確実で最悪反乱を起こすかもしれない。まだ契約期間終了してない傭兵団は多いので下手をすると莫大な違反金をこちらから支払わなくてはならなくなる。

「相手は契約書の内容を本当に理解しているのですか?これだけ大量に依頼を抱えて失敗した場合の罰則はとても厳しいのですよ。自分が傭兵ギルドや中央ギルド公認で内容をほぼ完全に書き改めたのでそんな事になったら治安は悪化しますし悪い前例を残す事になりますが」

「その悪い前例を起こして欲しいのだよ、こちらとしては」

意味が分からない、どうしてそうなるのか自分の頭では答えが出なかった。

「もはや正規軍や騎士団など一部を除いて害悪以外評価できない。そんな事態を放置するのは後世に悪い影響を与えるのだと断じて取り返しのつかない大失敗を犯してもらおうという判断が全員一致で出された。彼らの中にも本気でモンスターと戦おうという者らもいるかもしれないがもはやこの国の病魔を取り除く数少ない機会なのだ、文句は後でいくらでも聞くから協力して欲しい!」

全員が地面に頭をつけて頼んでくる。信頼できる他の傭兵にも話を通しているそうなので話を聞く事1時間で絶句するしかなかった。

「・・・本気でそれをやれと言いますか?そんなことをすれば王国が無視するとは思えませんよ。他の都市の人々も納得してもらえるかどうか判断できませんし下手をすれば大規模な内乱となります」

それを回避できる根回しは当然しているのだろうか?そう聞いたが大分前からそういう話が持ち上がっていたが明確な旗印が存在しないため立ち消えになっていたそうだが自分にその大役をして欲しいのだと。正直王国の対応は最悪以外言えないし正規軍や騎士団が無意味なのだと自分もほぼ確信しているのだ。問題となる障害への対応もすでに行なっていて後は自分次しだい時間しだいとなる。

(軍神様~、お話し~)

緊急コールを送る。

(おおっ若者よ、どうかしたか)

ギルド長らの話を伝える、正直これ以上無意味な【勇者召喚】などして欲しくないし内乱なども嫌なのでその辺りを何とかして欲しいと頼む。

(それぐらいならば非常に簡単だし神々にも話を通しやすい、しかし、そなたはそれで良いのか?)

そうなると世界のあらゆる場所で変化が起こるだろうし良い事ばかりではなく悪い事も起きるだろう。しかしこれ以外に打開策が存在しないのも事実だ。カインやエレンらがいるがもっと広く世界を見る必要があるだろう。自分としてはこれ以上無駄な犠牲者を減らしたいとの事実も存在するのだから。

(わかった、正式に認められるには少し時間がかかる。その時になったら連絡する)

軍神の同意も得た。これでもう自分はただの『傭兵』ではなくなってしまうし無駄に注目されるかもしれないがこの世界の脅威に立ち向かうのならば明確なシンボルが必要なのだ。それがどういう影響を与えるのかはまだ自分には分からなかった。
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