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第二章 お飾りの王太子妃、国内にて
7 薬草保管へ(1)
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ガルドとラウルは、リリアの言っていた薬師に話を聞くために薬草保管室に向かった。薬草保管室の前には、仕事を終えたと思われる侍女が多く訪れていた。
「あれは、ガルド様とラウル様?!」
「うそ!! こんなところでお会いできるなんて!!」
「お二人ともこんなに近くで初めて見たけど、噂以上に素敵だわ!!」
侍女たちは突然のガルドとラウルの登場に、色めき立っていた。ガルドは、侍女たちを見るとにっこりと微笑みながら、甘い甘い声で言った。
「皆様、少々席を外して頂けませんか? 薬師の方とお話があります」
侍女たちは、ボーとしたようにガルドを見つめた。
「声がいい……」
「ずっと聞いていたい……」
ガルドを見つめ動かなくなった侍女たちに今度は、ラウルが声を上げた。
「ご令嬢の皆様、申し訳ございませんが通して頂きます。それと退出をお願い致します」
ラウルが騎士団の副団長らしい声を上げると、令嬢たちがピシッと背筋を伸ばして道を開けた。
そしてラウルが颯爽と薬草保管室に入ると、唖然としている侍女たちに優しく微笑みながら言った。
「皆様、ありがとうございました。おやすみなさい」
ラウルが片目を閉じて、そう言って扉を閉めた。
「今の……」
「はぁ~~ラウル様、素敵……」
すると廊下からは「キャ~~~!! 見た? ガルド様とラウル様だったわ~~~!! ガルド様の声一生聞いていたい~~!! ラウル様素敵~~~!!」と黄色い歓声が上がった。
ガルドとラウルは侍女たちを薬草保管室から締め出すことに成功すると、この部屋の主である薬師に鋭い視線を向けた。
「薬師殿、少々お話をよろしいでしょうか?」
騎士団副団長のラウルと、レナン公爵子息の側近に凄まれれば大抵の人物は怯えて震えるだろうが、この薬師は待っていたとばかりに不敵に笑みを浮かべながら答えた。
「ええ。もちろんです」
そして、ガルドとラウルと共にブラッドの元に向かったのだった。
◆
ガルドやラウルが薬草保管室で薬師と会っていた頃、ジーニアスは記録部に戻って、シーズルス伯爵領で開かれる船の披露式の招待客に、変更があったのかを確認していた。
同じ記録書記官であるジャックがジーニアスに言われて、招待客の変更届が来ていないかを確認してくれた。
「ん~~変更届は来ていないぞ……フィルガルド殿下がご出席されるなら公式行事だし、警備の関係もあるし、変更届が提出されないなんてあり得ないよな~? それ、本当なのか?」
ジャックが眉を寄せながら言った。
「そうか……やはり出ていないか……ドイルの帰りを待ってみるか」
ジーニアスも首を傾けた。すると確認に言ってくれた記録書記官のドイルが記録部に戻って来て、慌てたように言った。
「おい、大変だ!! 変更届を預かってきたぞ。なんと!! フィルガルド殿下が船の完成披露式に出席されるらしい」
ドイルの報告を聞いたジャックとジーニアスが青い顔をしながら声を上げた。
「やはりそうか……」
王太子が出席するの行事なのにこんなに緊急で変更されるのは異例中の異例だった。
「本当だ……フィルガルド殿下がご出席って書いてある……」
ジャックが唖然としながら読み上げた後に、ジーニアスも口を開いた。
「しかも、フィルガルド殿下のサインもある。日付は……本日付け……?」
ぼんやりと変更届を見つめるジャックとジーニアスに向かってドイルが大きな声を上げた。
「おい!! ぼんやりしている場合ではないだろ?! 早く写しを作ってクローディア様とブラッド様に報告した方がいいんじゃないか? 文官のあの態度、わざとお二人に知られないように提出を遅らせていた可能性もある。きっとお二人ともご存知ないだろう?!」
ドイルの言葉に、ジーニアスとジャックはハッとしながら答えた。
「そうだな!! ジーニアス。早く写しを!!」
「ああ。そうだな!! 大変だ……早くブラッド様に報告しなければ!!」
ジーニアスは変更届を急いで写して、ブラッドのもとに走ったのだった。
「あれは、ガルド様とラウル様?!」
「うそ!! こんなところでお会いできるなんて!!」
「お二人ともこんなに近くで初めて見たけど、噂以上に素敵だわ!!」
侍女たちは突然のガルドとラウルの登場に、色めき立っていた。ガルドは、侍女たちを見るとにっこりと微笑みながら、甘い甘い声で言った。
「皆様、少々席を外して頂けませんか? 薬師の方とお話があります」
侍女たちは、ボーとしたようにガルドを見つめた。
「声がいい……」
「ずっと聞いていたい……」
ガルドを見つめ動かなくなった侍女たちに今度は、ラウルが声を上げた。
「ご令嬢の皆様、申し訳ございませんが通して頂きます。それと退出をお願い致します」
ラウルが騎士団の副団長らしい声を上げると、令嬢たちがピシッと背筋を伸ばして道を開けた。
そしてラウルが颯爽と薬草保管室に入ると、唖然としている侍女たちに優しく微笑みながら言った。
「皆様、ありがとうございました。おやすみなさい」
ラウルが片目を閉じて、そう言って扉を閉めた。
「今の……」
「はぁ~~ラウル様、素敵……」
すると廊下からは「キャ~~~!! 見た? ガルド様とラウル様だったわ~~~!! ガルド様の声一生聞いていたい~~!! ラウル様素敵~~~!!」と黄色い歓声が上がった。
ガルドとラウルは侍女たちを薬草保管室から締め出すことに成功すると、この部屋の主である薬師に鋭い視線を向けた。
「薬師殿、少々お話をよろしいでしょうか?」
騎士団副団長のラウルと、レナン公爵子息の側近に凄まれれば大抵の人物は怯えて震えるだろうが、この薬師は待っていたとばかりに不敵に笑みを浮かべながら答えた。
「ええ。もちろんです」
そして、ガルドとラウルと共にブラッドの元に向かったのだった。
◆
ガルドやラウルが薬草保管室で薬師と会っていた頃、ジーニアスは記録部に戻って、シーズルス伯爵領で開かれる船の披露式の招待客に、変更があったのかを確認していた。
同じ記録書記官であるジャックがジーニアスに言われて、招待客の変更届が来ていないかを確認してくれた。
「ん~~変更届は来ていないぞ……フィルガルド殿下がご出席されるなら公式行事だし、警備の関係もあるし、変更届が提出されないなんてあり得ないよな~? それ、本当なのか?」
ジャックが眉を寄せながら言った。
「そうか……やはり出ていないか……ドイルの帰りを待ってみるか」
ジーニアスも首を傾けた。すると確認に言ってくれた記録書記官のドイルが記録部に戻って来て、慌てたように言った。
「おい、大変だ!! 変更届を預かってきたぞ。なんと!! フィルガルド殿下が船の完成披露式に出席されるらしい」
ドイルの報告を聞いたジャックとジーニアスが青い顔をしながら声を上げた。
「やはりそうか……」
王太子が出席するの行事なのにこんなに緊急で変更されるのは異例中の異例だった。
「本当だ……フィルガルド殿下がご出席って書いてある……」
ジャックが唖然としながら読み上げた後に、ジーニアスも口を開いた。
「しかも、フィルガルド殿下のサインもある。日付は……本日付け……?」
ぼんやりと変更届を見つめるジャックとジーニアスに向かってドイルが大きな声を上げた。
「おい!! ぼんやりしている場合ではないだろ?! 早く写しを作ってクローディア様とブラッド様に報告した方がいいんじゃないか? 文官のあの態度、わざとお二人に知られないように提出を遅らせていた可能性もある。きっとお二人ともご存知ないだろう?!」
ドイルの言葉に、ジーニアスとジャックはハッとしながら答えた。
「そうだな!! ジーニアス。早く写しを!!」
「ああ。そうだな!! 大変だ……早くブラッド様に報告しなければ!!」
ジーニアスは変更届を急いで写して、ブラッドのもとに走ったのだった。
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