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第二章 お飾りの王太子妃、国内にて
9 空席の食卓(1)
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ブラッドたちが薬師と対面していた頃。
国王エルガルドの執務室には、レナン公爵と、カルム公爵、そしてフルーヴ侯爵の姿があった。
国王は自分の執務机に座り、レナン公爵とカルム公爵がソファーに向かい合わせに座り、フルーヴ侯爵は、中央のソファーに座っていた。
国王はフルーヴ侯爵の持って来たスカーピリナ国到着の知らせを見ながら眉を寄せていた。
「スカーピリナ国の到着は随分と遅かったな……レナン公爵よ、これをどう見る?」
国王の問いかけにレナン公爵が答えた。
「敵情視察と考えるのが自然かと……『我が国を訪問する』との理由で、ダラパイス国とイドレ国の国境付近を通れば堂々と軍隊をイドレ国国境付近に配置することができます。ダラパイス国としても、『客人警護』の目的で堂々と軍を国境付近に配置することができる。双方にとって利点しかありません」
カルム公爵が片眉を上げた。
「だが……敵情視察に新国王自ら……考え難いな。そのような危険を犯すだろうか…? 他に何か企んでいるのではないか?」
レナン公爵がさらに口を開いた。
「スカーピリナ国の新国王は、戦場で活躍し知将と名高い第二王子が任命された。新国王は現在政務を元王太子である第一王子に全て任せて、自分は様々な国に『友好の証』として出向いている」
レナン公爵の言葉に、カルム公爵が息を吐きながら言った。
「つまり、あちらの王も我が国の元イゼレル侯爵令嬢と同じ位置づけ……というわけか」
元イゼレル侯爵令嬢とはクローディアのことだ。クローディアと同じ位置づけということは、暗にスカーピリナ国の新王は、『お飾りの』王だとカルム公爵は言ったのだ。
「その可能性は大いに有り得るな……」
国王もカルム公爵の意図を見抜いて頷いた。するとフルーヴ侯爵が声を上げた。
「ということは、今回の訪問は軍事的な目的。ではこちらは、騎士団の幹部を集めて対応した方がよろしいということでしょうか?」
レナン公爵はフルーヴ侯爵を見ながら頷いた。
「それがいいだろうな」
「では、歓迎舞踏会に招待するのは騎士団の幹部そして、騎士団に物資を提供している家を中心に致しましょう」
要人の歓迎行事を任されているカルム公爵が口を開いた。カルム公爵の後に国王が口を開いた。
「私とスカーピリナ国行きの決まっているフィルガルドの正妃と指導担当も出席させる。カルム公爵及び、フルーヴ侯爵も出席を。誰にどんな交渉を持ちかけてくるかわからんからな。エサは多い方が良い。利用できそうなら利用すればよいし……もし我が国に仇をなすようなら……排除するだけだ」
国王エルガルドの威圧に皆は圧倒されながらもうなずいたのだった。
◆
「クローディア様、大丈夫ですか? お疲れではありませんか?」
私がぼんやりと歩いていると、アドラーが優しく声をかけてくれた。
「大丈夫よ。アドラーこそ……側近になったばかりなのに、私と殿下の会食に付き合わせてごめんなさい。まだ初日なのに、こんな忙しくて申し訳ないわ」
私が項垂れると、アドラーが微笑みながら言った。
「いえ、むしろ同席できてほっとしています。私としましては、クローディア様がフィルガルド殿下とお会いされる時は、いつでも付き添いをしたいと思っております」
「ふふふ、優しいのね」
個人的なことにアドラーを巻き込んでしまって申し訳ないと思っていたので、付き添ってくれると言って貰えると少しだけ心が軽くなった。
さらにアドラーは軽やかに片目を閉じながら言った。
「はい。寝室にだって同席する覚悟ですよ?」
「ありがとう、アドラー心強いわ」
冗談でも嬉しかった。
フィルガルド殿下と一緒にいるのは正直に言って……怖い。
嫌だとか、不快だとか、そういう感情ではなく……ただただ怖いのだ。自分の中にどうしようもない感情が生まれて暴走しそうだと感じる。本能が、傷つきたくなければ近付くなと言っている。
アドラーと話をしているうちに、王族専用の食堂に着いた。私は初めてこの食堂を使い、食事をする。
「行くわよ、アドラー」
「はい」
食堂に着くと、執事が「お飲み物をご用意致します」と言ったので、私たちは飲み物を貰って、フィルガルド殿下と側近のクリスフォードを待ったのだった。
◇
ボーン、ボーン、ボーン。
食堂の大きな柱時計がフィルガルド殿下と約束した時間を告げた。
だが、フィルガルド殿下の姿は見えなかった。
「クローディア様。先にお料理をお持ち致しましょうか?」
執事に聞かれて、私は首を振った。
「いえ、もう少しだけフィルガルド殿下を待つわ」
「かしこましました」
私は食事を待つことを執事に伝えると、アドラーを見ながら言った。
「アドラーごめんね。フィルガルド殿下を待とうと思うの」
「はい。私のことはお気になさらないで下さい」
それから私たちはさらに一時間も待った。もし公務が長引いているのなら伝言くらい来てもおかしくない。
何かあったのかしら……?
今日は雨が激しく降ってさらに不安が胸の中を渦巻いていた。心配で胸が押しつぶされそうになった時、執事がフィルガルド殿下からの伝言を持って来てくれた。
「クローディア様にフィルガルド殿下よりご伝言を預かっております。読み上げてもよろしいでしょうか?」
「お願い」
執事はゆっくりと口を開いた。
「かしこましました。『突然の大雨で運河の水位が上がり、跳ね橋が下ろせずに足止めされています。先に食事を済ませて下さい』とのことでございます」
どうやらフィルガルド殿下は遅れているようだ。私はフィルガルド殿下が無事なことにほっとしていた。フィルガルド殿下が遅くなるのなら、これ以上私たちがここで待って居ては、ここで食事の用意をすることが仕事の侍女や執事が休めない。フィルガルド殿下も無事で、今日はここには来ないのなら食事を遅らせる意味はない。それに……。
「食事をお願いします」
「かしこまりました」
私は、執事に食事を始めるように言った。
「よろしいのですか?」
アドラーの言葉に私は、小声で答えた。
「ええ。雨が激しいから心配していたけれど……。運河の向こうにいらっしゃるということはきっと、エリスさんのところにいらっしゃるのかもしれないから雨に濡れているということはないと思うわ。食事を頂きましょう。それにこれ以上私たちがここに居ては侍女や執事の方も休めないから」
「わかりました」
運河の向こうには、ベルト伯爵邸がある。執務の可能性もあるが、もうすぐエリスは離宮に入る。きっとエリスに会いに行っていたのだろう。
エリスさんと会うのなら、彼女と食事をしたかったはず……なぜ私を誘ったの?
私は不思議に思いながらもアドラーと二人で食事を終えた。案の定デザートが終わり、食後のお茶が終わってもフィルガルド殿下は姿を現さなかった。これ以上ここにいては迷惑なので私は、仕方なく席を立つと執事に言付けた。
「フィルガルド殿下に『お先に失礼致します。ご無理はされませんように』とお伝え下さい」
「かしこまりました」
食堂を出ると、私は申し訳なくてアドラーに謝った。
「ごめんね、アドラー待たせた上に、結局私と二人で食事しただけだったわね」
「いえ。……あれほど寂しい場所で、あなたを一人にせずに済んで本当によかった。クローディア様。本日は私を連れて行くという決断をして下さってありがとうございました」
アドラーの言葉に嬉しくて……涙が出た。
この数時間、私はアドラーと話をしながらも、フィルガルド殿下が座るはずだった場所をずっと見ていた。広い豪華な部屋で空席を見つめる時間は――想像したよりも遥に孤独だった。
今後フィルガルド殿下と婚姻関係を続けていくと、ずっとこんな思いをするのだと思い知った気がした。フィルガルド殿下は、エリスやこれから生まれてくる子供たちと幸せな時間を過ごす。
一方……私は『正妃』という檻に入れられてずっと一人だ。
ずっと空席を見つめていた私に、アドラーは『今日は本当に雨が強いですね』とか『このスパイスはなんでしょうか?』と話をしてくれた。
アドラーだけじゃない。
私にはこれまで、ブラッドやガルドやジーニアスやリリアが側にいてくれたからこそ、この孤独に耐えられていたんだと改めて思い知った。
私がアドラーを見上げていると、アドラーの指が頬に触れた。涙を拭ってくれたのだとアドラーの指先に付いた雫でわかった。
国王エルガルドの執務室には、レナン公爵と、カルム公爵、そしてフルーヴ侯爵の姿があった。
国王は自分の執務机に座り、レナン公爵とカルム公爵がソファーに向かい合わせに座り、フルーヴ侯爵は、中央のソファーに座っていた。
国王はフルーヴ侯爵の持って来たスカーピリナ国到着の知らせを見ながら眉を寄せていた。
「スカーピリナ国の到着は随分と遅かったな……レナン公爵よ、これをどう見る?」
国王の問いかけにレナン公爵が答えた。
「敵情視察と考えるのが自然かと……『我が国を訪問する』との理由で、ダラパイス国とイドレ国の国境付近を通れば堂々と軍隊をイドレ国国境付近に配置することができます。ダラパイス国としても、『客人警護』の目的で堂々と軍を国境付近に配置することができる。双方にとって利点しかありません」
カルム公爵が片眉を上げた。
「だが……敵情視察に新国王自ら……考え難いな。そのような危険を犯すだろうか…? 他に何か企んでいるのではないか?」
レナン公爵がさらに口を開いた。
「スカーピリナ国の新国王は、戦場で活躍し知将と名高い第二王子が任命された。新国王は現在政務を元王太子である第一王子に全て任せて、自分は様々な国に『友好の証』として出向いている」
レナン公爵の言葉に、カルム公爵が息を吐きながら言った。
「つまり、あちらの王も我が国の元イゼレル侯爵令嬢と同じ位置づけ……というわけか」
元イゼレル侯爵令嬢とはクローディアのことだ。クローディアと同じ位置づけということは、暗にスカーピリナ国の新王は、『お飾りの』王だとカルム公爵は言ったのだ。
「その可能性は大いに有り得るな……」
国王もカルム公爵の意図を見抜いて頷いた。するとフルーヴ侯爵が声を上げた。
「ということは、今回の訪問は軍事的な目的。ではこちらは、騎士団の幹部を集めて対応した方がよろしいということでしょうか?」
レナン公爵はフルーヴ侯爵を見ながら頷いた。
「それがいいだろうな」
「では、歓迎舞踏会に招待するのは騎士団の幹部そして、騎士団に物資を提供している家を中心に致しましょう」
要人の歓迎行事を任されているカルム公爵が口を開いた。カルム公爵の後に国王が口を開いた。
「私とスカーピリナ国行きの決まっているフィルガルドの正妃と指導担当も出席させる。カルム公爵及び、フルーヴ侯爵も出席を。誰にどんな交渉を持ちかけてくるかわからんからな。エサは多い方が良い。利用できそうなら利用すればよいし……もし我が国に仇をなすようなら……排除するだけだ」
国王エルガルドの威圧に皆は圧倒されながらもうなずいたのだった。
◆
「クローディア様、大丈夫ですか? お疲れではありませんか?」
私がぼんやりと歩いていると、アドラーが優しく声をかけてくれた。
「大丈夫よ。アドラーこそ……側近になったばかりなのに、私と殿下の会食に付き合わせてごめんなさい。まだ初日なのに、こんな忙しくて申し訳ないわ」
私が項垂れると、アドラーが微笑みながら言った。
「いえ、むしろ同席できてほっとしています。私としましては、クローディア様がフィルガルド殿下とお会いされる時は、いつでも付き添いをしたいと思っております」
「ふふふ、優しいのね」
個人的なことにアドラーを巻き込んでしまって申し訳ないと思っていたので、付き添ってくれると言って貰えると少しだけ心が軽くなった。
さらにアドラーは軽やかに片目を閉じながら言った。
「はい。寝室にだって同席する覚悟ですよ?」
「ありがとう、アドラー心強いわ」
冗談でも嬉しかった。
フィルガルド殿下と一緒にいるのは正直に言って……怖い。
嫌だとか、不快だとか、そういう感情ではなく……ただただ怖いのだ。自分の中にどうしようもない感情が生まれて暴走しそうだと感じる。本能が、傷つきたくなければ近付くなと言っている。
アドラーと話をしているうちに、王族専用の食堂に着いた。私は初めてこの食堂を使い、食事をする。
「行くわよ、アドラー」
「はい」
食堂に着くと、執事が「お飲み物をご用意致します」と言ったので、私たちは飲み物を貰って、フィルガルド殿下と側近のクリスフォードを待ったのだった。
◇
ボーン、ボーン、ボーン。
食堂の大きな柱時計がフィルガルド殿下と約束した時間を告げた。
だが、フィルガルド殿下の姿は見えなかった。
「クローディア様。先にお料理をお持ち致しましょうか?」
執事に聞かれて、私は首を振った。
「いえ、もう少しだけフィルガルド殿下を待つわ」
「かしこましました」
私は食事を待つことを執事に伝えると、アドラーを見ながら言った。
「アドラーごめんね。フィルガルド殿下を待とうと思うの」
「はい。私のことはお気になさらないで下さい」
それから私たちはさらに一時間も待った。もし公務が長引いているのなら伝言くらい来てもおかしくない。
何かあったのかしら……?
今日は雨が激しく降ってさらに不安が胸の中を渦巻いていた。心配で胸が押しつぶされそうになった時、執事がフィルガルド殿下からの伝言を持って来てくれた。
「クローディア様にフィルガルド殿下よりご伝言を預かっております。読み上げてもよろしいでしょうか?」
「お願い」
執事はゆっくりと口を開いた。
「かしこましました。『突然の大雨で運河の水位が上がり、跳ね橋が下ろせずに足止めされています。先に食事を済ませて下さい』とのことでございます」
どうやらフィルガルド殿下は遅れているようだ。私はフィルガルド殿下が無事なことにほっとしていた。フィルガルド殿下が遅くなるのなら、これ以上私たちがここで待って居ては、ここで食事の用意をすることが仕事の侍女や執事が休めない。フィルガルド殿下も無事で、今日はここには来ないのなら食事を遅らせる意味はない。それに……。
「食事をお願いします」
「かしこまりました」
私は、執事に食事を始めるように言った。
「よろしいのですか?」
アドラーの言葉に私は、小声で答えた。
「ええ。雨が激しいから心配していたけれど……。運河の向こうにいらっしゃるということはきっと、エリスさんのところにいらっしゃるのかもしれないから雨に濡れているということはないと思うわ。食事を頂きましょう。それにこれ以上私たちがここに居ては侍女や執事の方も休めないから」
「わかりました」
運河の向こうには、ベルト伯爵邸がある。執務の可能性もあるが、もうすぐエリスは離宮に入る。きっとエリスに会いに行っていたのだろう。
エリスさんと会うのなら、彼女と食事をしたかったはず……なぜ私を誘ったの?
私は不思議に思いながらもアドラーと二人で食事を終えた。案の定デザートが終わり、食後のお茶が終わってもフィルガルド殿下は姿を現さなかった。これ以上ここにいては迷惑なので私は、仕方なく席を立つと執事に言付けた。
「フィルガルド殿下に『お先に失礼致します。ご無理はされませんように』とお伝え下さい」
「かしこまりました」
食堂を出ると、私は申し訳なくてアドラーに謝った。
「ごめんね、アドラー待たせた上に、結局私と二人で食事しただけだったわね」
「いえ。……あれほど寂しい場所で、あなたを一人にせずに済んで本当によかった。クローディア様。本日は私を連れて行くという決断をして下さってありがとうございました」
アドラーの言葉に嬉しくて……涙が出た。
この数時間、私はアドラーと話をしながらも、フィルガルド殿下が座るはずだった場所をずっと見ていた。広い豪華な部屋で空席を見つめる時間は――想像したよりも遥に孤独だった。
今後フィルガルド殿下と婚姻関係を続けていくと、ずっとこんな思いをするのだと思い知った気がした。フィルガルド殿下は、エリスやこれから生まれてくる子供たちと幸せな時間を過ごす。
一方……私は『正妃』という檻に入れられてずっと一人だ。
ずっと空席を見つめていた私に、アドラーは『今日は本当に雨が強いですね』とか『このスパイスはなんでしょうか?』と話をしてくれた。
アドラーだけじゃない。
私にはこれまで、ブラッドやガルドやジーニアスやリリアが側にいてくれたからこそ、この孤独に耐えられていたんだと改めて思い知った。
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