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第二章 お飾りの王太子妃、国内にて
26 チームお飾りの正妃の功績(3)
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ガルドとブラッドは、クローディアたちから離れて甲板にて、招待客に外部に今回のことを決してもらさないようにと念書を書かせていた。だが人の口に戸は立てられぬというので、対外的は『この作戦を指示したのは、王族だ』ということにした。
実際、クローディアは皆から離れた場所にいたので、招待客のほとんどが、水の壁は見ているだろうが、誰が指示をしたかは、乗組員と近くにいた一部の貴族や騎士くらいしか知らないだろう。
あえて王族と言えば、誰でも王太子のフィルガルドの指示だと思うだろう。クローディアも王族だが、まさかこんな大胆な策が王太子妃のクローディアの発案だとは思わない。結果、誰もが今回のことは王太子フィルガルドの功績だと思うだろう。
咄嗟に今回の功績をフィルガルド殿下の功績に仕立て上げたのは、あのロウエル元公爵だった。
ロウエル元公爵は、必死な様子で『この状況でクローディア殿が優れていることを外部に知られるのは、彼女にとって得られることなど何もなく、危殆しかない。今回は王太子殿下に花を持たせつつ、彼女を守ることに注力するべきだ』と言って、今回の火計の阻止はすべて王太子フィルガルドが考えたことだ、と思わせることにしたのだ。
きっと明日には王族がではなく、フィルガルド殿下が水の壁を出現させたと噂になるだろう。
・瞬時に状況を見る観察力。
・追い込まれた中解決策を見出す思考力。
・適材適所に的確に指示を出した判断力。
・短時間で自分の思考を形にするように実行した行動力。
クローディアはこれだけの能力をあの短期間で発揮した。
彼女のこれほどの能力を他に知られれば、彼女の危機になるのは確実だ。
だからこそブラッドは、本来なら彼女の功績だと伝えたいのだが、ロウエル元公爵の助言を受け入れることにした。
ブラッドは、クローディアがフィルガルドと船室に避難した後、ロウエル元公爵と話をした。
ロウエル元公爵は、長年この国の公爵と言う立場で国の裏と表を見て来た人物だ。彼は、刺客が言っていた情報など知らないはずだが、状況を見て咄嗟にクローディアを保護することを優先した。
――あなただって、お飾りの正妃など噂を流して必死に彼女を守っていたのだろう? 確かに彼女は隠さなければ、奪われかねない。ためらうな、今、優先すべきは彼女自身だ。それに……真実とはいずれ明るみに出る物だ。
ロウエル元公爵はそう言った後に、クローディアが考えた水の出る装置を眺めながら目を細めた。クローディアに真実を明るみにされたロウエル元公爵の言葉には重みがあった。
「ブラッド様。フィルガルド殿下とクローディア様には今回の処置についてのご説明はまだですよね? 後はライナス殿が請け負うとおっしゃってくれていますので、ブラッド様はクローディア様の元に戻られたらいかがですか? きっと不安に思っていると思いますよ?」
対処を終えてガルドに声をかけられて、ブラッドはふとクローディアの姿を思い描た後に、ガルドを見ながら言った。
「不安か……確かに不安に思っているかもしれないが、それ以上に状況がわからなくて、静かに怒っているかもしれないな」
ガルドもクローディアの様子を思い描いて困ったように言った。
「あ……確かにそうかもしれませんね」
ブラッドは、近くにいたシーズルス領主のライナスに、クローディアの元に戻ることを伝えて、「後を任せる」と言うと、ガルドを見ながら言った。
「行くぞ、ガルド。クローディア殿の元へ」
「はっ」
こうしてブラッドとガルドはクローディアの元に向かったのだった。
実際、クローディアは皆から離れた場所にいたので、招待客のほとんどが、水の壁は見ているだろうが、誰が指示をしたかは、乗組員と近くにいた一部の貴族や騎士くらいしか知らないだろう。
あえて王族と言えば、誰でも王太子のフィルガルドの指示だと思うだろう。クローディアも王族だが、まさかこんな大胆な策が王太子妃のクローディアの発案だとは思わない。結果、誰もが今回のことは王太子フィルガルドの功績だと思うだろう。
咄嗟に今回の功績をフィルガルド殿下の功績に仕立て上げたのは、あのロウエル元公爵だった。
ロウエル元公爵は、必死な様子で『この状況でクローディア殿が優れていることを外部に知られるのは、彼女にとって得られることなど何もなく、危殆しかない。今回は王太子殿下に花を持たせつつ、彼女を守ることに注力するべきだ』と言って、今回の火計の阻止はすべて王太子フィルガルドが考えたことだ、と思わせることにしたのだ。
きっと明日には王族がではなく、フィルガルド殿下が水の壁を出現させたと噂になるだろう。
・瞬時に状況を見る観察力。
・追い込まれた中解決策を見出す思考力。
・適材適所に的確に指示を出した判断力。
・短時間で自分の思考を形にするように実行した行動力。
クローディアはこれだけの能力をあの短期間で発揮した。
彼女のこれほどの能力を他に知られれば、彼女の危機になるのは確実だ。
だからこそブラッドは、本来なら彼女の功績だと伝えたいのだが、ロウエル元公爵の助言を受け入れることにした。
ブラッドは、クローディアがフィルガルドと船室に避難した後、ロウエル元公爵と話をした。
ロウエル元公爵は、長年この国の公爵と言う立場で国の裏と表を見て来た人物だ。彼は、刺客が言っていた情報など知らないはずだが、状況を見て咄嗟にクローディアを保護することを優先した。
――あなただって、お飾りの正妃など噂を流して必死に彼女を守っていたのだろう? 確かに彼女は隠さなければ、奪われかねない。ためらうな、今、優先すべきは彼女自身だ。それに……真実とはいずれ明るみに出る物だ。
ロウエル元公爵はそう言った後に、クローディアが考えた水の出る装置を眺めながら目を細めた。クローディアに真実を明るみにされたロウエル元公爵の言葉には重みがあった。
「ブラッド様。フィルガルド殿下とクローディア様には今回の処置についてのご説明はまだですよね? 後はライナス殿が請け負うとおっしゃってくれていますので、ブラッド様はクローディア様の元に戻られたらいかがですか? きっと不安に思っていると思いますよ?」
対処を終えてガルドに声をかけられて、ブラッドはふとクローディアの姿を思い描た後に、ガルドを見ながら言った。
「不安か……確かに不安に思っているかもしれないが、それ以上に状況がわからなくて、静かに怒っているかもしれないな」
ガルドもクローディアの様子を思い描いて困ったように言った。
「あ……確かにそうかもしれませんね」
ブラッドは、近くにいたシーズルス領主のライナスに、クローディアの元に戻ることを伝えて、「後を任せる」と言うと、ガルドを見ながら言った。
「行くぞ、ガルド。クローディア殿の元へ」
「はっ」
こうしてブラッドとガルドはクローディアの元に向かったのだった。
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