ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します

たぬきち25番

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第四章 お飾りの王太子妃、郷愁の地にて

2 賑やかなお客様 

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 クローディアたちがガラマ領の領邸に到着する数時間前。
 辺境伯領の隣の領、リーリア領邸に二人の男性の姿があった。
 一人は明るい茶色の髪に琥珀色の瞳の見るからに高貴な出で立ちの貴族男性。そしてもう一人は、深緑の髪に髪と同じ瞳の一般人のような装いの男性。
 貴族男性が、深緑の目をした男性からの報告を聞いて苛立ちを露わにした。

「なんだって!? ディアたちがガラマ領ルートを選んだだと!? 全く、ヒューゴは一体、何を考えているんだ!? 呪われた地にディア連れて行くなど!!」

 さらに苛立った様子の貴族男性に対して、もう一人の男性は特に感情を表すこともなく淡々と答えた。

「物理的にガラマ領ルートの方が平坦だからではないですか?」

 貴族男性は大袈裟に頭を抱えながら言った。

「確かに平坦だが、火龍の呪いを受けてディアに何かあったら!! ディアに呪いなど……想像しただけで胃が痛い!!」

 青い顔をしたり、赤い顔をしたり顔色を変えながら、部屋を落ち着きなく動く貴族男性を見て、一緒にいた男性は、彼の次の言葉を想像して溜息をついた。

「もうすぐ日暮れですよ。しかも、恐らくガラマ領の方面は雨です。……雨雲が見えます。行きますか? 行きますよねぇ~~?」

 貴族男性は、さらに大きな声を上げた。

「行くに決まっているだろ!? 大雨なら何があるかわからないだろう? ハイマを出てからもう半月も経っているのだぞ!?」

「そうですね……ベルン国奪還をされていたようですから、お忙しかったでしょうね~~~ですが、お怪我はなくお元気だとのご報告でしたよ」

 貴族男性は鋭い目でもう一人の男性を睨みつけながら言った。

「そもそも、それが大問題だ!! 可愛くて可憐で生意気で我儘なディアにベルン奪還など!! スカーピリナ国の国王は何を考えているのだ!?」

「後半、悪口になっていますよ……閣下は普段は冷静なのに、ディア様のことになると本当に残念ですよね……」

 貴族男性は、深緑の瞳の男性を睨みながら言った。

「気安くディアと呼ぶなと言っているだろ!? ウィルファンも、いつも『ディア』と……まるで自分の妹かのようにふるまい不快極まりない!!」

「実際、クローディア様は、ウィルファン様とヒューゴ様が大好きでしたよね~~『ウル~、お花のお兄ちゃん』と呼ばれて、よく一緒にいらっしゃいましたよね~~。まぁ、その頃閣下は恥ずかしくて、遠くからクローディア様を睨みつけていたので、怖がられてましたが……」

 貴族男性は、額に青筋を立てながら言った。

「ほう、私にケンカを売るのか!? 言い値以上で買ってやる!! 表に出ろ!!」

「ケンカと壺は買うな、という言葉を祖父が遺言にしたいそうですので、残念ながら買えません」

 男性の言葉に、貴族男性は「お前のお祖父様はご健在だろうが!!」と声を上げた。男性は、溜息を付きながら言った。

「だから、遺言にしたいと言ったでしょう? ところでどうされるのですか? お迎えに行くのでしょう? に」

 貴族男性は、外套を羽織ると大きな声で答えた。

「行くと言っている!! ディアをあの呪われた地から救い出す!!」

 貴族男性の言葉に、一緒にいた男性も外套に袖を通した。

「御意」

 そして二人は、馬に乗るとリーリア領邸を後にしたのだった。





「クローディア様、ご気分は悪くありませんか?」

 リリアにお茶を入れながら尋ねられて私は笑顔で答えた。

「大丈夫よ、ありがとう。リリアは大丈夫?」

「はい。お気遣いいただきありがとうございます」

 リリアと部屋で話をしていると、アドラーがノックをして入って来た。

「クローディア様、お待たせいたしました」

 お風呂に入ってさっぱりとしたアドラーを見てほっとした。

「いえ、今日は突然雨になって大変だったわね。ここに座ってゆっくりして」

 私がソファーを勧めると、リリアがアドラーの分も温かいお茶を入れてくれた。

「兄が戻ってきましたので、私は荷物の整理に行きます」

「ええ。ありがとう」

 アドラーが戻ってきたので、リリアは荷物の整理に向かって、二人になり、アドラーが顔を曇らせながら言った。

「クローディア様。少し気になることがあります」

 私はお茶を置いて尋ねた。

「何かしら?」

 するとアドラーが顔を曇らせながら答えた。

「天候のせいでもあるかもしれませんが……街に人の気配がないように思えました……」

 やはりアドラーもブラッドと同じように感じたようだった。

「ええ、町の灯り少なかったわよね……」
 
「ええ、やはり気付いておられましたか……あまり長居はしない方がいいかもしれませんね。雨次第ですが」
 
「そうね」

 私はそう呟いて、窓の外に激しく降りしきる雨を見つめた。するとノックの音が聞こえガラマ領邸の執事を招き入れた。

「ハイマ国の王太子妃殿下、我が国の大公御子息様がエントランスにご到着になりました『ぜひお会いしたい』とのことです」

 大公御子息? 全く誰のことかわからないが、もしかしたら近くまで来たからあいさつに来たという感じかもしれない。
 貴族は知り合いではないが、あいさつをするというのはよくある。しかも相手が大公子息というのなら、政治的にもあいさつをしておいた方がよいだろう。

「すぐに行くわ」

「かしこまりました。ご案内いたします」

 私はアドラーと共に執事に案内されて大公子息が待つエントランスに向かった。






「レオン、レイヴィン」

 エントランスに向かう途中の廊下でレオンとレイヴィンに会った。
 
「クローディア。どうした?」

 レオンに声をかけられて、私はすぐに答えた。

「ダラパイス国の大公子息様がお見えらしいの。あいさつをして来るわ」

「大公子息が? ……俺も行こう。レイヴィン、荷物頼む」

「御意」

 レオンは荷物をレイヴィンに託すと、私と一緒に着いて来てくれた。
 それからエントランスに到着すると、明るい茶色の髪に琥珀色の瞳のイライラした様子の貴族男性と、深緑の髪に髪と同じ瞳の同じく笑顔の貴族男性が立っていた。そして、茶色の髪をした貴族男性が私を見ると大きな声を上げた。

「ディア!! なぜこんな所にいるのだ!?」

 え~~誰? 正直知らない人にいきなり大きな声を上げられる意味がわからない!! 
 しかも、ディア!? もしかして知り合い??
 
 男性は私に数歩近づきながら、益々声を大きくしながら言った。

「そもそも、半月も前にハイマを出たのだろう!? 寄り道が多いのではないか? どれだけ心配をかければいいのだ!?」

 背の高い男性に睨まれながら詰め寄られるとかなり恐怖だ。私が怯えていると、目の前にアドラーとレオンの背中が見えた。

「ダラパイス国の大公子息殿か? 貴殿のその態度、クローディアをハイマの王太子妃だと知ってのことか?」

 レオンの凄みある声がエントランスに低く響いた。
 怒鳴っていた男性は、レオンの凄みある声にも全く動じることはなく、レオンを射貫くように見上げながら言った。

「これはスカーピリナ国の国王陛下。むろん知っています。私も陛下が何をお考えになり、これほどまでに彼女の到着を遅らせたのか、問いたいと思っておりました。彼女のことを一番に考えれば、防犯や健康あらゆる面で、辺境伯邸に長期滞在するより、ダラパイス王宮に長期滞在した方がよろしいのでは?」

 男性はかなり威圧的なレオンに対しても堂々とした態度で言い切った。レオンは目を細めて答えた。

「なぜクローディアが、辺境伯邸に長期滞在していたのか知らぬわけでないだろう?」

「ええ。それも理解できない。なぜ彼女を危険に巻き込むのです?」

 睨み合う二人に向かって私は口を開いた。

「大公子息様。ベルン国奪還に手を貸すと決めたのは私です。むしろ私が皆を巻き込んだのです」

 真っすぐに見つめて答えると、茶色の髪の男性が私を見つめながら言った。

「そうか、ディアの選択なら受け入れよう。だが、大公子息などと……ディア、そんな呼び方ではなく名前で呼んでくれ」

「……名前」

 そういえば、この方はさっきから私のことをディアと呼んでいる。だが私は全く覚えていない!!

「もしかして……ディアは……私のことを覚えていないのか……」

 男性が絶望的な表情をしているので、なんだかこっちが申し訳なくなってくるが、本当にわからないし、記憶にも全くないのだ。
 私が困っていると、絶望に打ちひしがれている男性の隣に立っていた男性が近付いてきた。

「ディア様。こんにちは~~ちなみに私の事は覚えていますか?」

 そう言われて、男性の顔を見た。深い緑の髪と目……
 その瞬間、私の脳裏に美味しそうなクッキーや、焼き菓子が浮かんでそれを私に『ディア、ごめんね。彼に悪気はないんだけど、どうしようもなくお子様なんだ。これでも食べて彼のことは忘れてね』と言いながら優しく微笑む男の子の顔が浮かんだ。
 クローディアはこの子を知っている。ウィルファンや、ヒューゴと同じように心を許し、よく話をしていた。名前は……確か……

「あなた……リノ!?」

 男性は嬉しそうに微笑みながら答えてくれた。

「はい。正確にはディノフィールズと申します。幼い頃のディア様は、私のことをリノと呼んで下さっていましたね。どうぞ、私のことはディノとお呼び下さい」

 どうやら幼い私はまた発音が出来ずに、男性の名前を間違えて覚えていたようだ。
 ディノフィールズ、通称ディノは、ダラパイス国に行くとよく私をなぐさめてくれていた心優しい男の子だ。
 ダラパイス国の王宮に滞在していると、私を睨んだり、怒ったりするいじめっ子がいた。その子に泣かされた後に、優しくお菓子をくれたり、頭を撫でてくれたりなぐさめてくれたのだ。

「いつも私をいじめる男の子がいた。その男の子に泣かされた後は、いつも優しくして貰っていた……ディノ、すぐにわかったわ。面影があるもの!!」

 私が説明すると、茶色の髪の男性が大きな声を上げた。

「何!? 幼いディアをいじめた者がいるのか!? なんという不届き者!! 必ず見つける!!」

 男性の言葉に、ディノが呆れたように答えた。

「あ、そのいじめっ子、閣下ですよ。よかったですね! 発見です!」

「は……?」

 茶色の髪の男性が唖然としていると、ディノが楽しそうに言った。

「ディア様、こちらはダラパイス国、大公閣下の御子息サフィール閣下です。私はサフィール閣下の側近をしております。ちなみに、閣下とディア様とは御親戚になられます」

 え!? 親戚? この大公御子息様と!? クローディアの血筋凄いな……
 私たちが話をしていると、サフィールが真剣な顔で声を上げた。

「ディア!! 誤解するな!! 親戚と言っても血の繋がりはかなり薄い。水ほどの薄さだ言っても過言ではないかもしれない。親戚だと定義するのがおかしいくらいの濃度だ。つまり、結婚できるくらいの親戚だ」

 サフィールは、かなり高圧的な態度でそう言い捨てた。
 私とは血の繋がりが薄いということを強調したいのだろうか?
 それほどまで、私と親戚だと思われたくないということだろうか?
 そこまで否定されると地味に凹むのだが……

「……そうですか……」

 反応に困ってとりあえず返事をすると、レオンが私を見て困ったように呟いた。

「エルファンといい、大公子息殿といい、クローディアの血筋の者たちは、随分と……うる……賑やかだな」

 それ……私もなんとなく思った。言葉にされると、結構複雑な気分だよね……しかも、あのレオンが賑やかって少し言葉を選んだよね!? うるさいとか言いたかったっぽいけどね!?
 気遣いが居たたまれない。
 私がレオンと話をしている間も、サフィールは、ディノと揉めていた。

「ディノ~~~お前、いつの間にディアと仲良くなっていたのだ!? 聞いていないぞ!?」

「そうでしたか?」

「~~~~!! 白々しいにもほどがあるだろう!? あと、ディアと呼ぶな!!」

「御言葉ですが、ディア様の記憶にもない閣下が呼ぶよりも、私が呼ぶ方が自然では?」

「くっ……ディノ、表に出ろ~~」

「外は大雨なので却下です」

 サフィールと、ディノはとても……仲がいいようだ。
 外は雨が強くなっていた、嵐が来るのかもしれないが、私にとってはこの親戚だという男性の登場がまさに嵐だったのだった。




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