ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します

たぬきち25番

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第四章 お飾りの王太子妃、郷愁の地にて

22 大公邸への訪問

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「クローディア様とご一緒に馬車に乗るのは新鮮ですね……」

 ダラパイス王都到着3日目。
 私は大公家に行くためにラウルとアドラーと一緒に馬車に乗っていると、ラウルが嬉しそうに言った。

「ええ。そうですね」

 アドラーも大きく頷いた。確かにいつもは、ラウルやアドラーは馬車ではなく馬での移動なので、同じ馬車に乗ることはほとんどない。

「本当にそうね!! ふふふ、ラウルとアドラーと一緒に馬車に乗るのも楽しい」

 普段とは違って私も楽しくなった。するとラウルも楽しそうに言った。

「何かあると、ブラッド様がクローディア様を抱き上げるでしょう? 今日は私がそれをします!!」

「いえ、ラウルは何かあったら外の様子を見て下さい。なんのためにドア側に座っていると思っているのですか?! 私がクローディアを抱き上げます!」

 アドラーがすぐに言葉を発してラウルが目を大きく開けた。

「ドア側? そうか、それで私を押しのけて先に乗ったのか!? 確かにブラッド様は窓側、ジーニアス殿がドア側だ!! アドラー、帰りは私が窓側だ!!」

「いえ、窓側は側近の私です!!」

 どうしよう……なんだかラウルとアドラーが修学旅行のバスの席をめぐって争う小学生と同じ内容で争っている。どちらが窓側に座るのか……馬車でも同じ争いが起こるようだった。
 一応ドア側にも窓はついているが……
 そして二人の微笑ましい言い争いを聞いているうちに、馬車は大公邸に到着した。
 綺麗に整備された道。城から大公邸までほんの数分。景色をのんびりと堪能する暇もないほど早く到着した。

「着いたみたいね」

 御者からの大公家到着の報告を聞くと、二人は力なく「早かったですね……」と答えたのだった。
 私は二人に抱き上げられるような危険なこともなく、無事に大公邸に到着した。
 馬車を降りた途端に、サフィールの大きな声が聞こえた。

「ディア!! 待っていた、遅かったな。道中何もなかったか? やはり今度からは迎えに……」

 まさか玄関の前で待っていてくれると思わなかったので驚いてしまった。サフィールの顔を見たと同時に矢継ぎ早に、しかも早口で話かけられて戸惑っていると、ディノが困ったように、私とサフィールの間に入って来た。

「閣下。どうどう、落ち着いて下さい。がっつき過ぎですって!! しかも全然遅れていません。時間ピッタリです。閣下が一時間以上も前からこんなところで仁王立ちで待つから長く感じるんですよ!! ディア様。閣下はディア様に会えたことが嬉しくて、興奮しているだけですので閣下の言葉などお気になさらないで下さいね」

 約束に遅れてしまったのかと思っていたので、ディノの言葉でようやくほっとしているとサフィールが再び声を上げた。

「ディノ!! 人を馬扱いするな!! くっ!! 表に出ろ!」

「はいはい、もう一時間以上も外にいますよ~~しかもディア様に呆れられていますよ~~さらに追い打ちをかけると、今のフォローで私の好感度は爆上がりですが、殿下の好感度はこれ以上落ちようがないほど底辺ですよ~~ほら折角の機会ですので、ディア様の好感度を少しでも上げて、上げて!!」

「何?! 今ので好感度が底辺……」

「本気でへこまないで下さいって!! はぁ、本当にディア様が絡むと閣下残念すぎますよ……知っていましたけど……」

「う……」

「ほら、なんて言うんでしたか? 何度も練習したでしょう? 今ですよ、今が、練習の成果を発揮するタイミングですよ!! さぁ、照れを捨て去って、はいっっ!!」

 サフィールとディノのじゃれ合いをのんびりと眺めていると、サフィールが大きく深呼吸をして、私を見ながら口を開いた。

「ディア……その……待っていた。今日は誘いを受けてくれて……感謝する……」

 目は合わないが、サフィールは顔を私の方を向けてたどたどしく歓迎する言葉を伝えてくれた。私もサフィールの歓迎の言葉に答えた。

「本日はお招き頂きありがとうございます、サフィール様」

 私があいさつをするとサフィールがようやく私を見ながら呟いた。

「……可愛い」

 サフィールはしばらく、私を見て動かなった。困ってディノを見るとディノは口元を押さえて「言えた!!」と目を潤ませている。
 そしてサフィールは、はっとしたように私に背を向けた。

「早速だが、ディアに見せたい物があるので来てほしい」

「ええ」

 私が返事をするとサフィールがゆっくりと歩き出したので、私たちはサフィールについて行った。
 大公家の庭は、ダラパイス国王宮やイゼレル侯爵家のようなキッチリ左右対称にと整えられた庭園という雰囲気ではなく、様々な種類の花が咲き乱れ、ベンチや小川や橋もありどこか落ち着ける庭園だった。

「素敵なお庭ですね」

 私が声をかけると、サフィールは私を振り向いて「そうだろうか? 気に入ったのなら……いつでも来てくれ」と答えてくれた。歩くたびに様々植物の匂いがするが、ふと爽やかで甘い匂いがして立ち止まった。私が立ち止まると、ディノが尋ねた。

「どうされました?」

 すると、先を歩いていたサフィールも立ち止まった。

「甘くて爽やかな香りが……何かと思って」

 私が辺りを見渡すと、サフィールが「ああ」と言って少し上を指さした。私の頭上に白に少しだけピンクの混じった可憐な花が咲いていた。そろそろ花も終わりだろうか、ひろひらと花びらが落ちてくる。

「おそらくゴリンの花だ……そろそろ終わるが……」

 ゴリンとは、リンゴのような植物の名前だ。まるで桜のように辺り一面に白い花が咲き誇っていた。

「ゴリンの花……綺麗ですね」

 私は思わず目を閉じて、花の匂いを嗅いだ。

「ふっ……花が好きなのか?」

 サフィールに見たこともないほど優しく微笑まれて、私は少しだけ恥ずかしくなりながら「はい」と答えた。するとサフィールはどこか切なそうに「ああ、このような顔が見たくて……あれを作ろうと思ったのか……」と呟いた。なんのことだかわからないが、私はサフィールの切なそうな顔が妙に引っかかっていた。
 サフィールは私の方を見ながら言った。

「ディア、こっちだ」
「はい」

 そして再び歩き出したサフィールについて歩きだした。しばらくすると、周りをレンガの塀で囲まれた場所に着いた。

「ここは特別な場所だ……中へ」

「ええ」

 まるで秘密の花園という雰囲気で心踊るように中に入った。

「これ……?」

 私は中に入って思わず言葉を失った。レンガに囲まれた塀の中にはたった一種類の花が咲いていた。しかも私はこの花を知っていた。
 サフィールに案内された特別な場所で、見るからに大切に大切に育てられていた花は、フィルガルド殿下の庭で見た、殿下が交配して自ら作り上げたというバラだった。
 サフィールはバラを慈しむように目を細めながら言った。

「ああ、せめて花だけでも見ていたいと思って……無理を言ってハイマの王太子にわけて貰ったのだ。本当に美しいバラだ」

 私は心臓の音が早くなるのを感じた。これから先、私はサフィールこのバラの話を聞かない方がいい気がする。それなのに、私の口は無意識に動いていた。

「このバラはフィルガルド殿下の……?」

 無意識に呟いた私にサフィールが目を細めながら言った。

「ああ……現存するバラでは、世界一大きいと言われているらしいな。まさに大輪のバラ……本当に美しい花だ。この――『クローディア』は……。花言葉の『どうか私を信じて下さい』というのも愛する人と永遠を願う強い想いに共感できる」

 ……クローディア?

 え……嘘でしょ? フィルガルド殿下が交配して作っていたバラが『クローディア』? 
 それって……――私のこと?

 まるで足元から崩れていくような感覚を覚えた。

 どうして、フィルガルド殿下が『クローディア』なんてバラを作るの?! フィルガルド殿下はエリスが好きなんじゃないの? エリスを愛していたから、彼女を側妃にしたんでしょ?!
 それに花言葉が、どうか私を信じて下さいって……もしかしてクローディアには言葉では伝わらないからバラに願いを込めたの?
 必死に我儘を言って気を引こうとしたクローディア。
 必死にバラを作って信頼を得ようとしたフィルガルド。
 悲しいほどにお互いがすれ違っている。

 何、それ……

 知りたくなかった! 知らなきゃよかった!! 知らずに……いたかった。
 こんなの……絶対……――フィルガルド殿下のこと……忘れられなくなる……

 エリスが好きなんでしょ? エリスと一緒に暮らすんでしょ? 私を捨てて、エリスと結婚するんでしょう?エリスを……エリスだけ選ぶくせに!!

 どうして……私の名前のついたバラを王太子の庭なんかに植えるの? しかも、みんなに自慢するみたいに解放して……まるで、私のこと――想ってるみたいじゃない!!
 こんなの……酷いよ……フィルガルド殿下……!!

 私は、心臓を掴まれたような痛みを感じた。
 痛い……胸だけじゃなくて……身体中が……痛くて苦しい。

 私は吸い込まれるようにバラを見つめた。
 このバラをフィルガルド殿下はどんな想いで作ったのだろう? 
 言葉では伝わらないクローディアに、フィルガルド殿下はなんとかして信じて欲しくて、考えて考えて考え抜いて、バラを作ることを決めたの?

 どうして……エリスを選んだ時に……バラも処分してくれなかったの……?
 私のことなんて、嫌いなくせに!
 私の顔なんて本当は見たくもないくせに!!
 もうとっくにあきらめていたのに……

 バラを見つめたまま立ち尽くす私に、サフィールが切なそうに言った。

「私も、このバラをここまでにするのは大変だった。それなのに王太子の庭はこのバラで溢れていた。私はこのバラを見たとき、ディアは本当に愛されていると……思った。もう随分前にハイマの王太子は、ディアとの結婚式でこのバラをブーケとして使うと言っていた。そして、ディアを『幸せにする』とも……言っていたのだが……」

「……え?」

 結婚式では、このバラは使わなかった。
 そうか……私たちの結婚式が想定より早くなったから時期が合わなかったんだ……

「ディア、どうした? 大丈夫か?」

 様子のおかしい私を心配してサフィールが慌てて声をかけてくれた。気が付けば私の目からは涙が流れていたのだった。

 ああ、もう……感情がぐちゃぐちゃでどうしようもない。直接、フィルガルド殿下に問いただしたい!!
 なぜバラを処分しないのか? なぜ嫌いな令嬢の……私の名前のバラなんかを作ったのか?
 エリスと結婚して幸せになるのに、王太子の庭に私の名前を付けたバラが植えてあるのなんて、どう考えてもおかしいし、エリスだってイヤな気持ちになる!!

 ああ、もう本当にフィルガルド殿下が何を考えているのか、心がわからなくて……苦しい!!

 ……顔が見たい。直接問いただして文句言いたい!!

 ……声が聴きたい。直接理由が聞きたい!!

 つらい、苦しい……!!
 それなのに……どうしようもなく……

 ――フィルガルド殿下に……会いたい……

 私は溢れてくる涙を止めらず必死で両手で顔を押さえたまま、視界がぐらりと揺れた。
 心が痛くて感情が暴れて……制御できない……息ができない!!
 倒れ込みそうな私にアドラーやラウルが慌てて駆け寄ってくれた。

「クローディア様!!」

「身体をこちらに預けて、落ち着いて呼吸して下さい!!」

 どうやら私は混乱して過呼吸のようになってしまったようだ。アドラーとラウルに支えられて、ゆっくりと息を整えた。

「クローディア様、お願いです、つらいときはつらいと言って下さい」

 ラウル顔を歪めながら言った。

「あなたの力になりたいのです」

 アドラーも泣きそうな顔で言った。そして私は涙でぐちゃぐちゃの顔で二人を見ながら、助けてと願いながらかすれた声を出していた。

「ラ……ウル、アドラー!」

 その瞬間、私は二人に抱きしめられていた。
 そう感情が制御できなかった私は思わず二人に手を伸ばして、助けを求めてしまったのだった。


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