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番外編
お気に入り1000感謝SS【壁ドンを体験してみよう】
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本編とは違いコメディですので、『世界観を崩したくない』という方は、見ないことをおすすめ致します。
『大丈夫!!』という方だけどうぞ!!
↓
↓
↓
――――――――――
――これは、シャルロッテが貴族学院に入学する少し前のお話。
エマが、本を読んでいる私の顔を覗き込んで尋ねた。
「お嬢様~~、どうですか? このシーン、どのあたりが恋愛イベントなのか、理解できますか??」
私は、エマから借りた恋愛小説を読みながら首を傾けた。
「そうね、よくわからないわ」
「恋愛小説って、たまによくわからないんですよね」
「そうね」
今、私はエマと一緒に恋愛の勉強をしていた。
これは、『学院は、恋愛イベントで溢れています!! 婚約者のいるお嬢様が、不用意に恋愛イベントに巻き込まれないように、恋愛イベントを知りましょう』というエマの提案による物だった。
恋愛というものが、私にはよくわからなかった。
さらに、恋愛を学ぼうと言い出したエマも恋愛の経験がないらしく、困った私たちは、恋愛小説で勉強することにしたのだ。
婚約者のハンスのことは好きだ。
だが、恋愛と言われると、よくわからなかった。
ハンスとはいつも、穏やかな日々を過ごしている。恋愛小説に書かれたようなことは全くないのだ。
だから2人とも、恋愛小説を読んでもわからないことも多かったのだ。
そして、意味がわからなくて悩んでいるのは、このシーンだった。
――――――――――――
マリアは、背中を壁に押し付けられた。ジェームスは、マリアの顔の横に両手をついて、見下ろしなら、妖艶に微笑んだ。
「マリア、もう、逃がしませんよ」
マリアは、心臓が高鳴るのを押さえられなかったのだった。
――――――――――――
「やってみましょう!! お嬢様!!」
エマが、椅子から立ち上がって言った。
「ええ……。そうね。それがいいわ」
私は、エマの手を取ると、エマを壁に寄せて、エマの顔の横に手をついた。
「どう?」
私が尋ねると、エマが困ったように言った。
「あの~~お嬢様、これって、逆じゃないですか?」
「え?」
エマは、するりと私の両手の中から抜け出すと、先程の恋愛小説を持ってきた。
「ほら、お嬢様は、マリア役で、私がジェームス役です。そうでないと、肝心のお嬢様が、この心臓の高鳴りを体験できません」
「あ、そうよね。ごめんなさい」
私は、急いで、壁側に移動した。すると、エマが、私の顔の横に両手をついた。
だが、視線が同じで、見下ろしてはいない。
「あ、お嬢様、まつ毛取れそうです」
「え? 取ってくれる?」
私は、急いで目を閉じた。
「はい、取れました。もういいですよ」
「ありがとう、エマ~~」
…………。
…………。
…………。
私たちは、無言で見つめ合った。そして、エマが首を傾けた。
「お嬢様、心臓高鳴りました?」
私は、申し訳なく思いながらも答えた。
「ごめんなさい。特にいつもと、変わらなかったわ」
「ん~~やっぱり、身長差でしょうか……。お嬢様、厨房に行きましょう」
「え、ええ」
こうして、私たちは、厨房に向かった。
厨房には、エイドがいた。
「エイド、今、ヒマ?」
エマが尋ねると、エイドがニッと笑って言った。
「おう。今は、献立を考えたんだ。やることはねぇな」
するとエマがズンズンとエイドの前に歩いて行って、本のページを突き出した。
「これ、やってみたいんだけど」
「ん~~?」
エイドは、エマから本を受け取ると、ページに目を滑らせた。
「はぁ~? いや、なんで?」
エイドは、本を読んだ後に、驚きながら言った。
だから、私とエマはエイドに説明することにしたのだった。
☆==☆==
「あ~~恋愛イベントの回避ねぇ~。そりゃ~~婚約者のいるお嬢には、必要かも知れねぇが、実際に体験してみる必要があるのか? もし、俺に対して、胸が高鳴ったらどうするんだ?」
エイドが頭を掻きながら言った。
「その時は、『やっぱりこの状況は危険だから事前に逃げよう』という結論になるわ」
エマも真顔で答えた。
「ん~~~ん」
エイドは悩んだ後に、私を見て言った。
「お嬢はどうなんだ? 体験してぇのか?」
「エイドが迷惑なら、あきらめるわ。でも、もし、エイドがいいのなら、どうなるのか、知っておきたいわ」
私の答えを聞いたエイドは、困ったように笑った。
「まぁ、お嬢のためだ。一肌脱ぎますよ」
「ありがとう!!」
私は、お礼を言うと、急いで壁を背中に立った。ワクワクしながら、エイドを待っていると、エイドが「はは、お嬢、楽しそうだな~」と言って、私の前に立つと、顔の横に両手を置いた。
エイドの顔を見上げると、昔より大人びて、少しだけ、心臓が跳ねた気がした。
「ふふふ、お嬢も大きくなりましたね。視線が、随分近くなりました」
そうだ。
私は、ずっと小さい頃からエイドの顔を見上げていた。エイドが抱き上げてくれた時だけ視線が近くなるのを思い出した。
「そうね、こんなに近づくのは、エイドに抱っこされた時、以来かもしれないわ」
「そうかもしれねぇですねぇ~~懐かしいな~~」
エイドが笑うと、つられて、私も笑った。
「はぁ~~。エイドでも、ダメみたいね」
エマが、隣で残念そうに言った。実際は少しだけ、心臓が跳ねたのだが、この本に書いてあるような胸の高鳴りなのかは、わからなかった。
すると、エイドが私から離れた。
私は、エイドが離れることが、少し寂しかった。
「お姉様~~、エマ~~、御本読んで~~」
丁度その時、シャロンが、お昼寝から目覚めたようで、私とエマを探しに来た。
「いいですよ、行きましょう。シャロン様」
エマはシャロンと手を繋いで出て行った。
「じゃあ、俺も、食事の支度始めますか~~」
エイドも私たちに背を向けたので、私はエイドに「ありがとう」と言うと、厨房を出た。
だから知らなかったのだ。
「本当に……大きくなったな……」
厨房に残ったエイドが、目を細めて、切なそうに呟いたことを。
『大丈夫!!』という方だけどうぞ!!
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――これは、シャルロッテが貴族学院に入学する少し前のお話。
エマが、本を読んでいる私の顔を覗き込んで尋ねた。
「お嬢様~~、どうですか? このシーン、どのあたりが恋愛イベントなのか、理解できますか??」
私は、エマから借りた恋愛小説を読みながら首を傾けた。
「そうね、よくわからないわ」
「恋愛小説って、たまによくわからないんですよね」
「そうね」
今、私はエマと一緒に恋愛の勉強をしていた。
これは、『学院は、恋愛イベントで溢れています!! 婚約者のいるお嬢様が、不用意に恋愛イベントに巻き込まれないように、恋愛イベントを知りましょう』というエマの提案による物だった。
恋愛というものが、私にはよくわからなかった。
さらに、恋愛を学ぼうと言い出したエマも恋愛の経験がないらしく、困った私たちは、恋愛小説で勉強することにしたのだ。
婚約者のハンスのことは好きだ。
だが、恋愛と言われると、よくわからなかった。
ハンスとはいつも、穏やかな日々を過ごしている。恋愛小説に書かれたようなことは全くないのだ。
だから2人とも、恋愛小説を読んでもわからないことも多かったのだ。
そして、意味がわからなくて悩んでいるのは、このシーンだった。
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マリアは、背中を壁に押し付けられた。ジェームスは、マリアの顔の横に両手をついて、見下ろしなら、妖艶に微笑んだ。
「マリア、もう、逃がしませんよ」
マリアは、心臓が高鳴るのを押さえられなかったのだった。
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「やってみましょう!! お嬢様!!」
エマが、椅子から立ち上がって言った。
「ええ……。そうね。それがいいわ」
私は、エマの手を取ると、エマを壁に寄せて、エマの顔の横に手をついた。
「どう?」
私が尋ねると、エマが困ったように言った。
「あの~~お嬢様、これって、逆じゃないですか?」
「え?」
エマは、するりと私の両手の中から抜け出すと、先程の恋愛小説を持ってきた。
「ほら、お嬢様は、マリア役で、私がジェームス役です。そうでないと、肝心のお嬢様が、この心臓の高鳴りを体験できません」
「あ、そうよね。ごめんなさい」
私は、急いで、壁側に移動した。すると、エマが、私の顔の横に両手をついた。
だが、視線が同じで、見下ろしてはいない。
「あ、お嬢様、まつ毛取れそうです」
「え? 取ってくれる?」
私は、急いで目を閉じた。
「はい、取れました。もういいですよ」
「ありがとう、エマ~~」
…………。
…………。
…………。
私たちは、無言で見つめ合った。そして、エマが首を傾けた。
「お嬢様、心臓高鳴りました?」
私は、申し訳なく思いながらも答えた。
「ごめんなさい。特にいつもと、変わらなかったわ」
「ん~~やっぱり、身長差でしょうか……。お嬢様、厨房に行きましょう」
「え、ええ」
こうして、私たちは、厨房に向かった。
厨房には、エイドがいた。
「エイド、今、ヒマ?」
エマが尋ねると、エイドがニッと笑って言った。
「おう。今は、献立を考えたんだ。やることはねぇな」
するとエマがズンズンとエイドの前に歩いて行って、本のページを突き出した。
「これ、やってみたいんだけど」
「ん~~?」
エイドは、エマから本を受け取ると、ページに目を滑らせた。
「はぁ~? いや、なんで?」
エイドは、本を読んだ後に、驚きながら言った。
だから、私とエマはエイドに説明することにしたのだった。
☆==☆==
「あ~~恋愛イベントの回避ねぇ~。そりゃ~~婚約者のいるお嬢には、必要かも知れねぇが、実際に体験してみる必要があるのか? もし、俺に対して、胸が高鳴ったらどうするんだ?」
エイドが頭を掻きながら言った。
「その時は、『やっぱりこの状況は危険だから事前に逃げよう』という結論になるわ」
エマも真顔で答えた。
「ん~~~ん」
エイドは悩んだ後に、私を見て言った。
「お嬢はどうなんだ? 体験してぇのか?」
「エイドが迷惑なら、あきらめるわ。でも、もし、エイドがいいのなら、どうなるのか、知っておきたいわ」
私の答えを聞いたエイドは、困ったように笑った。
「まぁ、お嬢のためだ。一肌脱ぎますよ」
「ありがとう!!」
私は、お礼を言うと、急いで壁を背中に立った。ワクワクしながら、エイドを待っていると、エイドが「はは、お嬢、楽しそうだな~」と言って、私の前に立つと、顔の横に両手を置いた。
エイドの顔を見上げると、昔より大人びて、少しだけ、心臓が跳ねた気がした。
「ふふふ、お嬢も大きくなりましたね。視線が、随分近くなりました」
そうだ。
私は、ずっと小さい頃からエイドの顔を見上げていた。エイドが抱き上げてくれた時だけ視線が近くなるのを思い出した。
「そうね、こんなに近づくのは、エイドに抱っこされた時、以来かもしれないわ」
「そうかもしれねぇですねぇ~~懐かしいな~~」
エイドが笑うと、つられて、私も笑った。
「はぁ~~。エイドでも、ダメみたいね」
エマが、隣で残念そうに言った。実際は少しだけ、心臓が跳ねたのだが、この本に書いてあるような胸の高鳴りなのかは、わからなかった。
すると、エイドが私から離れた。
私は、エイドが離れることが、少し寂しかった。
「お姉様~~、エマ~~、御本読んで~~」
丁度その時、シャロンが、お昼寝から目覚めたようで、私とエマを探しに来た。
「いいですよ、行きましょう。シャロン様」
エマはシャロンと手を繋いで出て行った。
「じゃあ、俺も、食事の支度始めますか~~」
エイドも私たちに背を向けたので、私はエイドに「ありがとう」と言うと、厨房を出た。
だから知らなかったのだ。
「本当に……大きくなったな……」
厨房に残ったエイドが、目を細めて、切なそうに呟いたことを。
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