121 / 164
翔の事情と後悔
7
しおりを挟む
もうくすぐったいでは済まなかった。
自分の何気ない行動をこんなふうに、良く思われていたなんて、驚くばかりだ。
そして、そんな些細なことから魅力を見い出してくれるほど、翔のほうこそ素敵で優しいひとだというのに。
「だから、本格的なデートに誘いたくなったし、……その、もう一泊してくれなんて、頼んでしまった。今から思えば図々しい申し出だったのにな。果歩は帰ったらすぐ仕事があると言っていたのに」
過去の自分に苦笑している、という顔で言った翔。
それはあのときも言ったのに、と果歩は少しおかしくなった。
「ううん……、嬉しかったもの」
小さく首を振り、自分の気持ちを口に出す。
翔も、ほっとしたように微笑になった。
「ありがとう。……でも果歩がそう言ってくれて、応えてくれたのに、俺はずるかった。本当はあのとき、一泊をお願いするときにでも、食事のときにでもいい。言うべきだったんだ。……俺と付き合ってほしい、って」
今度、果歩は目を真ん丸にするでは済まなかった。
目を見張ってしまうほど、これ以上できないほど大きく開いてしまう。
付き合ってほしい。
そんなふうに思ってもらっていたなんて。
自分の何気ない行動をこんなふうに、良く思われていたなんて、驚くばかりだ。
そして、そんな些細なことから魅力を見い出してくれるほど、翔のほうこそ素敵で優しいひとだというのに。
「だから、本格的なデートに誘いたくなったし、……その、もう一泊してくれなんて、頼んでしまった。今から思えば図々しい申し出だったのにな。果歩は帰ったらすぐ仕事があると言っていたのに」
過去の自分に苦笑している、という顔で言った翔。
それはあのときも言ったのに、と果歩は少しおかしくなった。
「ううん……、嬉しかったもの」
小さく首を振り、自分の気持ちを口に出す。
翔も、ほっとしたように微笑になった。
「ありがとう。……でも果歩がそう言ってくれて、応えてくれたのに、俺はずるかった。本当はあのとき、一泊をお願いするときにでも、食事のときにでもいい。言うべきだったんだ。……俺と付き合ってほしい、って」
今度、果歩は目を真ん丸にするでは済まなかった。
目を見張ってしまうほど、これ以上できないほど大きく開いてしまう。
付き合ってほしい。
そんなふうに思ってもらっていたなんて。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
364
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる