人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい

変わった依頼

3

　自宅派遣とは、普段の俺の仕事のようにホテルで接客するのではなく、お客の家まで訪ねていって仕事をすることである。

　今のところ、したことはない。

　そもそも、受け付ける売り専事務所も少ないのではないだろうか。

「ウチってそういうの、やってましたっけ」

　やっているならば、登録するときに確認されたはずだ、と不思議に思う。

　昨今、犯罪も多い。

　そして犯罪の場として実行が容易いのは、やはりホテルより自宅である。

　そういう意味でもリスクが大きいから。

「オープンにはやってないね。複数回利用がある客で、保証金を入れてくれないと受け付けないから、行かせてるのは古株の子だけだし。でも、ミヤくんももう半年くらい経つでしょ。それに今回のヤツ、ミヤくんがぴったりくるかなって思ったんだよねぇ」

　今回のヤツ、ということは、なにか予約か、相談レベルでもそういったものが入ったということだろう。

　俺は少し興味を覚えた。

　リスクは多少あるけれど、そのぶん報酬はいいだろうし、それに面白そう。

　元々その好奇心が俺をこの仕事に走らせたのだし。

「どういう希望なんですか？」

　俺の質問に、前向きなのだと知ったようだ。

　芹澤はいくつか挙げはじめた。

「まず、ネコの子なのは必須。それで若い子がいい。元気系や爽やか系よりはかわいい系。あまりうるさくない子……」