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ほかほか焼きうどん
⑥
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にこにこそんなことを言ってのける神経がわからない。
茂はむせそうになるのをなんとか堪え、言い返した。
「俺は恋人じゃないんだが」
「え、でもそのうちなってくださるでしょう?」
事実を言ったのに、菜月はしれっと答える。
「そんな予定はない」
「えー、話が違います」
きっぱり言ってやっても、今度は膨れられた。
もはやぬけぬけと、と言っても良いくらい図太い返しであった。
「俺こそそんな話は聞いていないが!?」
話の進め方はやはり強引であった。
が、美味しいものでお腹が満たされたあとだ。
おまけにその美味しいものは、目の前のこの子が作ってくれたのだときている。本気で怒ったりできるものか。
「……はぁ。ま、礼は言う。材料費も出すよ。いくらくらいかね」
腰を上げて、放り出していた財布を手に取る。
開けようとしたけれど、それは制されてしまった。
「要りませんよ。家で使うやつをちょっと使っただけですし」
「それなら余計払わないとだろ。お父さんやお母さんの金なんだから」
ここだけは譲るわけにはいかない。
大人として。
なので引かずにいたのだが、菜月もここは抵抗しても無駄だと思い知ったらしい。
「じゃ、五百円くらいで……」と、五百円玉一枚を受け取ってくれた。
茂としては、倍は払って良かったのだけど、妙なところで謙虚である。
茂はむせそうになるのをなんとか堪え、言い返した。
「俺は恋人じゃないんだが」
「え、でもそのうちなってくださるでしょう?」
事実を言ったのに、菜月はしれっと答える。
「そんな予定はない」
「えー、話が違います」
きっぱり言ってやっても、今度は膨れられた。
もはやぬけぬけと、と言っても良いくらい図太い返しであった。
「俺こそそんな話は聞いていないが!?」
話の進め方はやはり強引であった。
が、美味しいものでお腹が満たされたあとだ。
おまけにその美味しいものは、目の前のこの子が作ってくれたのだときている。本気で怒ったりできるものか。
「……はぁ。ま、礼は言う。材料費も出すよ。いくらくらいかね」
腰を上げて、放り出していた財布を手に取る。
開けようとしたけれど、それは制されてしまった。
「要りませんよ。家で使うやつをちょっと使っただけですし」
「それなら余計払わないとだろ。お父さんやお母さんの金なんだから」
ここだけは譲るわけにはいかない。
大人として。
なので引かずにいたのだが、菜月もここは抵抗しても無駄だと思い知ったらしい。
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茂としては、倍は払って良かったのだけど、妙なところで謙虚である。
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