上 下
275 / 276
一生の宝物

5

しおりを挟む
 そのように話していると、そのとき声がした。

 くぅん、くぅん、とまるでねだるような声が、下のほうからする。

 アマリアとフレイディは顔を見合わせ、笑ってしまった。

「レオンさんもご一緒したいようですわね」

 アマリアは少しだけしゃがみ、レオンの喉を優しく撫でた。

 レオンはまるでそれを肯定するように、くんくんと鳴く。

 心地よさそうな声だ。

「それなら入ってもらうか」

 フレイディもかたわらに膝をつき、レオンの背中を撫でてそう言った。

「ところで、私は絵を描いているときの姿になってしまいますけど、良いのですか?」

 ふと、そこが気になって聞いてみた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

隠れ御曹司の愛に絡めとられて

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:107

鬼神閣下の奥様は魔法使いだそうです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:1,323

【完結】呪いで異形になった公爵様と解呪師になれなかった私

恋愛 / 完結 24h.ポイント:255pt お気に入り:1,821

スパダリ外交官からの攫われ婚

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:247

そんなに欲しいのでしたらお譲りします

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,612pt お気に入り:4,950

処理中です...