婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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4.ほら見ろ、針のむしろだ

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 憂うつだ。なぜなら今日から学校だからだ。いつも学校が始まる時は億劫おっくうになるが、今回は理由が違う。

 先日の話し合いはスムーズに進んだ。恐ろしくスムーズだった。ルーファス様の父親であるフェルザイム侯爵は卒業式での婚約破棄騒動などなかったかのように、ただ二人の相性が良くないので、婚約は解消しようと言うだけだった。

 相性が良くない?浮気は?そちらの浮気については、何もないのですか?それに私濡れ衣着せられたんですよ。と内心毒付く。

 ルーファス様は青白い顔を俯かせ気味に侯爵と侯爵夫人の間に座っていた。卒業式での行動は褒められたものじゃない。王太子殿下もいる所での暴走だ。フェルザイム侯爵家は派閥としては貴族派だ。王族派からの攻撃対象になってしまう可能性もある。こりゃ騒動怒られたな。ざまぁみろだ。当事者の二人をおいて話し合いは進められていく。

「…と言うことで、エリーゼ嬢もよろしいかな?」

「ええ、……はい」

 よろしくない。「双方の合意のもと円満に解消」ではない。しかし身分が上の侯爵に異議ありなんて言えないため笑顔で了承する。私は座って聞いてるだけだった。



 そして、今、私は学校で針のむしろである。

 生徒にチラチラ見られたりコソコソと噂をされたり。婚約破棄されたのによく来れたな…や、いじめするように思えないのにこわいわね、など好き勝手に言ってくれる。

 教室内の生徒が全員こちらを見てるんじゃないかというくらい注目されている。卒業式での婚約破棄騒動を見れば当然の反応だ。


「エリーゼ様、おはようございます」

 控えめに、だけど気を使うように挨拶してくれたのは友人のカミラ様だ。嬉しい。こんな状況だから避けられるかと思ったのでとても嬉しい。

「おはようございます。カミラ様」

「えーと、そのぉ大丈夫ですか?その、色々とあったでしょう?」

 おずおずと触れてもいいのか戸惑いながら聞いてくれる。そうよね、前代未聞すぎて聞いていいのかわからないわよね。

「ええ、そうね、大丈夫ではないわ。色々とありすぎて、あり得ないわ」

 開き直ったように堂々と大丈夫じゃないと返答するとカミラ様は少し笑って、そうよね。と言ってくれる。それだけでもずいぶんと救われる。もう少し詳しく話そうとするが、担任の先生が来て中断してしまった。残念。



 学校から帰宅するとすぐにベッドに突っ伏してしまう。あまりにも注目されて疲れてしまう。カミラ様は今日一日中、迷惑をかけてしまった。いつも一緒に行動していたのだから私に着せられた濡れ衣をよくわかってくれたので別れ際も気の毒そうな顔を見せてくれた。

「お嬢様、お手紙が届いております」

 アニタがお茶と共に手紙を持ってきてくれた。

「あら、今の私に誰からかしら?」

 封蝋を見ると王太子殿下の婚約者であるヘレネ・エルヴァンテール公爵令嬢からだった。同学年だが、クラスは違うのに要件は何だろうか。

「要約すると濡れ衣を晴らす手助けするので、食堂のテラスでお茶しませんか…と。派閥が違うから直接誘うのではなくお手紙なのはありがたいわ。私だけではすぐにお返事出来ないものね。お父様にご相談しましょう」

「私はお嬢様を気にかけてくれる人がいて嬉しいですよ」

「そうね、出来たらお話したいわね」

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