婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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8.神様!今、深夜です。人間は寝てますわ

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 カラ~ン、カラ~ン

 大聖堂の鐘が鳴り出した。深夜の街に響き渡り、私もその音で飛び起きた。久しぶりの夜会から帰ってクタクタになり早く寝たのだが、窓を見るとまだ夜深く、外は真っ暗だった。

「なに?なにがあったの?なんなの、いったいなに」

 窓の外を確認すると大聖堂が空からの光に照らされていた。暗闇の中、大聖堂だけが明るく輝いていてなんとも神秘的だ。鐘は鳴り続けている。街の中が騒がしくなってきた。みんなが鐘の音で起き出し外を確認しているのだろう。家の中からもざわめきが聞こえてきた。

「お嬢様。アニタです。大丈夫ですか?」

「アニタ。えぇ、私は大丈夫。入って」

 失礼します。とネグリジェ姿のアニタが部屋に入り状況を説明してくれる。大聖堂が光で照らされたと同時に鐘もなり始めたらしい。今、家の者が何があったのか確認に大聖堂まで行ってくれてるらしい。 

「旦那様と奥様は着替えて報告を待つそうです。お嬢様もお着替えになられますか?」

「そうね。何もわからないし……念の為、簡単に着替えておこうかしら…」

 どうするか悩んでいると大聖堂の方で歓声が上がった。随分な人が様子を見に行っていたらしい。

「歓声ね。むしろ良いことがあったみたい。なにかしら」

「そのようですね。大聖堂に行った者が帰ってきてるか、確認してきます」

 アニタが部屋を出て行こうとすると廊下をバタバタと走る音が聞こえてきた。

「失礼します!お嬢様大変、大変です。」

「どうしたの?」

「神託です。大聖堂の大司教様が神託を授かったそうです」

「神託!?なんですって!すぐにお父様のところに行くわ」

 確認に行った者が帰ってきていたらしく、メイドが報告に来てくれた。しかし、神託なんてここ何百年もなかったはずだ。一体どんな内容なんだろうか。伝えられたことは良いことなのか悪いことなのか。少しでも情報が欲しい。上着を羽織り部屋を出る。

 お父様の部屋に行く、お父様もお母様も着替えて話し込んでいた。

「お父様!神託があったと聞きました。」

「おぉ、エリーゼ。聞いたか。大司教様が神託を授けられ今、城に向かっているそうだ。きっと皆、登城するだろうから私もこれから向かう。お前はお母様と待っていなさい」

「貴方、夜遅いから道には気をつけていってらっしゃいませ」

 お父様が出かけ、ざわついていた家も落ち着きを取り戻していた。いつのまにか鐘も鳴り止んでいる。今は待つしかない。

「エリーゼ。私が起きて待っているから、貴女は寝ていなさい。久しぶりの夜会で疲れているでしょう。何かあったら起こしてあげるから」

「はーい、そうします」

「こら、返事は短くっ」

「ふふっ、はい。おやすみなさいませ。」

 お母様に頬を撫でられる。小さい子供扱いに苦笑いするが、疲れているので遠慮なく甘えさせていただく。

すべてはお父様が帰ってきてからだろう。私は少しでも身体を休めよう。きっと明日から世間は神託の内容で持ちきりになって騒がしくなるんだろうなと思いながらベッドに入った。







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