婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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11.聖女特典と騎士団の英雄

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 ーーーコーラル礼拝堂にある珊瑚の首飾りをラグナ・ファルナ火山に投げ入れなさいーーー

 一日に二度も神託があったのも驚いたが、二度目は私だけが聞こえていたようでクラウディアス大司教様は聞いてないようだった。じゃあ一回目はなんで私には聞こえなかったんだろう?大司教様は女神像に祈っていたからなのだろうか。

 その場で神託の内容をクラウディアス大司教様と両親に伝え、再び王宮で陛下と対面していた。

「珊瑚の首飾りを火山に…か、なにか意味はおっしゃっていたか?」

「いいえ、神託は先ほどお伝えしたのが全てです」

「そうか、なら珊瑚の首飾りを聖女であるエリーゼ嬢に取りに行ってもらおう。コーラル礼拝堂に行くまでには護衛もつける。安心して行ってきてくれ」

「はい、承知いたしました」

 いやです。王都と自分の所の領しか行ったことないのに怖いですわ。しかし聖女になってしまって、神託まである。

「うむ、詳しくは追って説明する」

 エルヴァイン領にあるコーラル礼拝堂に行かなければならなくなった。

 足取り重く家に帰ってきた。お母様はまだ動揺しているようだ。

「エリーゼが聖女に選ばれるとは、未だに信じられません。しかもエルヴァイン領に行くことになるだなんて、とても心配ですわ」

「陛下は護衛もつけると言ってくれている。それにエルヴァイン公爵は穏やかな人だよ。青い海が綺麗だと言ってた、使命はあるけど旅行だと思って気軽に行っておいで」

「あなた!なんでそんな能天気なの」

「王宮から護衛を付けてもらえるんだ、聖女の護衛なんだからきっと精鋭を付けてもらえるだろう。だから安心さ」

 お父様の言葉に少し緊張がほぐれる。そうよね、遊びに行くつもりで行ってみよう。海なんて見た事ないのでちょっと楽しみになってきた。

 次の日、護衛の人々が決まったと知らせがあった。第一騎士団の第二班が付くことになった。リーダーはゼクス・フォン・ヴァルトハイム様。
 ヴァルトハイム大公の次男であり国境近くでの争いを食い止め戦争に発展させることなく鎮めた人物である。そのため英雄と呼ばれている。

「英雄様がエリーゼの護衛についてくれるんなら安心だわ」

 お母様はニコニコだし、お父様も満足そう。私は、騎士の方と接点がないのでなんとも言えないけど、英雄なら安心ね。

「明後日に顔合わせがあるからそのつもりでいなさい」

「はーい、わかりました。」

 お母様に返事は短く!と怒られながら部屋に向かう。ここ数日で目まぐるしい日々が続くのでアニタにお茶を入れてもらってゆっくりしよう。

「アニタ、お茶をお願いするわ」

「かしこまりました」

 アニタはリラックスできるハーブティーを淹れてきてくれた。飲んでホッと一息いれる。明後日に英雄であるゼクス様にお会いするのね。

「護衛に英雄を付けてくれるなんて安心できて嬉しいですね」

「そうねー。ほら、聖女に何かあると国が滅ぶからね。強い護衛をつけてくれるのよ、やっぱり」

「国が滅ぶ?それは恐ろしいですね」

「そうよ、神様はこわいんだから」

 学校で習ったのだ。二百年前に女神の愛し子である聖女が濡れ衣を着せられ処刑された。それに怒った女神様は大雨を降らし雷を轟かせその国を滅ぼしてしまった…と。だから聖女に何かあったら同じように女神様が怒り国が滅ぼされるかもしれない。私はそんな大変な地位についてしまったのだ。


「それにしても濡れ衣を着せられるって聖女になるための条件なのかしら…いやな共通点ね」
















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