婚約破棄された後に神託で聖女に選ばれました。英雄と幸せになります!

佐藤 すみれ

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28.レグルス伯爵の教会巡礼。

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 レグルス領で一番古い教会に来ております。隣町にあるこの教会も黒いのね。火山灰が積もった跡なのか上の方のステンドグラスは黒っぽくなっている。

「ここは昔からある教会です。領民の避難場所でもあり、心の拠り所でもあります。」

「そうなんですね。素敵だと思います」

 同じく溶岩石や火山岩で出来ているのか荘厳な美しさがある。しかし昨日の教会よりは一回り小さく重々しい雰囲気は和らいでいる印象がある。

 女神像は相変わらず優しげに佇んでいる。前に立ち祈りを捧げる。女神様、神託がなかったらレグルス領中の教会を回るかもしれないんです。ぜひ神託を!!

 なにも起こらない。なにもない。

「……神託。なさそうですね」

「そんなっ!!なにか、少しでも何かないんですか?」

 レグルス伯爵が必死な顔で掴み掛かってくる。痛いですわ!!ゼクス様がレグルス伯爵をおさえてくれる。

「レグルス伯爵!聖女様を離してください。神託は女神より授けられるもの。望む時にいただけるとは限らないんですよ」

 そう。私は聖女と言われてるけど特になにかをしているわけじゃない。全ては女神様次第なのよね。

「申し訳ありません…なら、次は一番新しい教会に行きましょう!!」

 めげないですわね。レグルス伯爵様、聞いてた?教会回ったからといって神託をいただけるとは限らないんですのよ。

「レグルス伯爵、教会を回っても神託をいただけるかわからないですよ?」

ゼクス様が私が思っている事と同じことを言ってくれる。このままではレグルス領の教会を回る事になってしまう。



~~~


レグルス領の教会がそんなに数がなくって良かったですわ。えぇ、大変でした。今やっとレグルス伯爵のお屋敷に戻ってまいりました。もう外は暗く夜になっています。

「お嬢様。お疲れ様でした。たくさん移動致しましたから、マッサージしましょうか?」

「ぜひお願いするわ。今日…本当に疲れたわ。結局、レグルス領の教会を全部回ったのよ。」

「…しかし、神託はありませんでしたね」

アニタが私のふくらはぎを揉んでくれる。長く馬車に乗っていたので足がむくんでしまっている。マッサージはありがたい。

「ゼクス様たち騎士団の方も止めてくださったんだけど、レグルス伯爵様の意志が強くてね。神託がなくてガッカリされてたけど、こればっかりは女神様の意思だから私にはどうにもできないわ」

「では、明日は予定通りラグナ・ファルナ火山に向かわれるんですか?」

「えぇ、ラグナ・ファルナ火山に行って珊瑚の首飾りを投げ入れるわ!」

「かしこまりました。明日はそのように準備いたします」

「ゼクス様からいただいた膝掛けとマフラーもお願いね」

「承知しました」

明日のはいよいよラグナ・ファルナ火山ね。少し緊張するわ。無事に頂上に行けるように祈っておこう。窓から火山に向かって祈りを捧げる。

タイミングよく火山が噴火した。えっ怖っ!!?

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