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29.聖女エリーゼと癒しの雫
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ラグナ・ファルナ火山に行く日です。
昨日は祈った瞬間に火山が噴火したから何か意味があるかと思ったけど、特に何もなかった。
お屋敷に勤めてるメイドからもいつもの噴火ですと言われてしまった。
神託やドラゴン関係かと思ったので何もなくて安心した。
気を取り直して、出発準備です。ゼクス様からもらった膝掛けよし!マフラーの用意もよし!
火山へは私とアニタ、ゼクス様たち第一騎士団でレグルス伯爵様は行かないらしい。昨日の教会回りでガックリ来てたからね。
「ラグナ・ファルナ火山は魔物が多くいると聞きました。危ないので基本的には馬車から出ないでください」
「はい、わかりました。皆様、お気をつけて」
魔物が出ると言われたから馬車の前と後に分かれて護衛してくれている。魔物がたくさん出るかと思ったけれど、そんな事はなく未だに出会ってない。今回も全く出ないで安全な旅なのかなと思っていたらゼクス様が声を張り上げた。
「エリーゼ、魔物が出た。絶対に出てくるな!」
馬が鳴き、馬車が止まる。前の方から剣を構える音と低く恐ろしい唸り声が聞こえてきた。アニタと身を寄せ合い震える。怖くてゼクス様からもらった膝掛けを握りしめる。
「お、お嬢様は私が守りますからっ」
「大丈夫、騎士団の方々は強いから…大丈夫…」
しばらくすると音が静まり、副リーダーの人がきた。
「もう大丈夫です。安心してください。少し片付けてからまた進みますので、しばらくお待ちください」
副リーダーの人は早口で言うとサッとまた行ってしまった。魔物の脅威は無くなったけれど、怖くてまだ身体が震えている。姿は見ていなくて声だけなのにこんな震えてしまうなんて情けない。それにゼクス様が来なかった事に心配が募る。
「皆さんは大丈夫でしたか?」
気になるなら言っちゃえ、と窓から顔を出す。とたんにムッと血の匂いがしてきて顔を顰める。
一番に目に飛び込んできたのは大きな魔物の死骸だった。悲鳴をあげそうになるのを飲み込む。その近くで倒れてる人や負傷してる人が多くいた。
「そんなっ…」
「聖女様、見ない方がいい!まだ出発が出来そうにないのでしばらくお待ちください」
副リーダーの人が声をかけてくれる。何か手伝える事はないか周囲を見渡すと、ゼクス様が魔物の近くで頭から血を流し座り込んでいた。俯いていて顔がよく見えない。
「……ゼクスさま!!」
窓枠をぎゅっと握りしめる叫ぶ。
瞬間、水滴が辺り一面にブワッと広がり負傷している人に振り注いでいく。太陽の光に反射してキラキラして見える。
構わず馬車から降りてゼクス様の元へいく。
「ゼクス様っ、だいじょう……ぶ?」
倒れてた人や負傷した人が驚きの声を上げる。キラキラした水の雫で傷が癒やされたようだ。
ゼクス様も顔を上げ驚いている。
「エリーゼ様、これは…あなたか?」
「えぇ…と、そうなんだけど。私にもよくわからないです」
傷が癒えた騎士団の皆の行動は早かった。傷は治っているけれど、血まみれなので拭き、テキパキと出発準備を整えてくれた。
「エリーゼ様。皆の傷を癒してくれてありがとう。死亡者は出なかったので安心してくれ。言いたい事はたくさんあるけれど、魔物の死骸のそばは危ないのですぐに出発します」
「えぇ、ありがとうございます」
気の利いた事も言えず再び馬車に乗り頂上を目指す。今のってなんなのかしら…コーラル礼拝堂で水の力と言われたけど、この事なんだろうか。まだ魔法使いの人に魔法教わってないのに使えた?
騎士団の人が誰も欠けずに居たことが本当に良かった。わからないことが多いけれど、この力があって良かった。
もう半分以上登ってきている。さっきの魔物の他にも出てきてはいるだろうけど、すぐに逃げていくようで早く進むことができた。
馬車が止まる。
「エリーゼ様、馬車はここまでです。ここから歩くことになるのでお降りください」
とうとう徒歩で登る時が来たようだ。マフラーを巻いて馬車を降りる。
思ったよりも、風が強くて寒いですわ。
昨日は祈った瞬間に火山が噴火したから何か意味があるかと思ったけど、特に何もなかった。
お屋敷に勤めてるメイドからもいつもの噴火ですと言われてしまった。
神託やドラゴン関係かと思ったので何もなくて安心した。
気を取り直して、出発準備です。ゼクス様からもらった膝掛けよし!マフラーの用意もよし!
火山へは私とアニタ、ゼクス様たち第一騎士団でレグルス伯爵様は行かないらしい。昨日の教会回りでガックリ来てたからね。
「ラグナ・ファルナ火山は魔物が多くいると聞きました。危ないので基本的には馬車から出ないでください」
「はい、わかりました。皆様、お気をつけて」
魔物が出ると言われたから馬車の前と後に分かれて護衛してくれている。魔物がたくさん出るかと思ったけれど、そんな事はなく未だに出会ってない。今回も全く出ないで安全な旅なのかなと思っていたらゼクス様が声を張り上げた。
「エリーゼ、魔物が出た。絶対に出てくるな!」
馬が鳴き、馬車が止まる。前の方から剣を構える音と低く恐ろしい唸り声が聞こえてきた。アニタと身を寄せ合い震える。怖くてゼクス様からもらった膝掛けを握りしめる。
「お、お嬢様は私が守りますからっ」
「大丈夫、騎士団の方々は強いから…大丈夫…」
しばらくすると音が静まり、副リーダーの人がきた。
「もう大丈夫です。安心してください。少し片付けてからまた進みますので、しばらくお待ちください」
副リーダーの人は早口で言うとサッとまた行ってしまった。魔物の脅威は無くなったけれど、怖くてまだ身体が震えている。姿は見ていなくて声だけなのにこんな震えてしまうなんて情けない。それにゼクス様が来なかった事に心配が募る。
「皆さんは大丈夫でしたか?」
気になるなら言っちゃえ、と窓から顔を出す。とたんにムッと血の匂いがしてきて顔を顰める。
一番に目に飛び込んできたのは大きな魔物の死骸だった。悲鳴をあげそうになるのを飲み込む。その近くで倒れてる人や負傷してる人が多くいた。
「そんなっ…」
「聖女様、見ない方がいい!まだ出発が出来そうにないのでしばらくお待ちください」
副リーダーの人が声をかけてくれる。何か手伝える事はないか周囲を見渡すと、ゼクス様が魔物の近くで頭から血を流し座り込んでいた。俯いていて顔がよく見えない。
「……ゼクスさま!!」
窓枠をぎゅっと握りしめる叫ぶ。
瞬間、水滴が辺り一面にブワッと広がり負傷している人に振り注いでいく。太陽の光に反射してキラキラして見える。
構わず馬車から降りてゼクス様の元へいく。
「ゼクス様っ、だいじょう……ぶ?」
倒れてた人や負傷した人が驚きの声を上げる。キラキラした水の雫で傷が癒やされたようだ。
ゼクス様も顔を上げ驚いている。
「エリーゼ様、これは…あなたか?」
「えぇ…と、そうなんだけど。私にもよくわからないです」
傷が癒えた騎士団の皆の行動は早かった。傷は治っているけれど、血まみれなので拭き、テキパキと出発準備を整えてくれた。
「エリーゼ様。皆の傷を癒してくれてありがとう。死亡者は出なかったので安心してくれ。言いたい事はたくさんあるけれど、魔物の死骸のそばは危ないのですぐに出発します」
「えぇ、ありがとうございます」
気の利いた事も言えず再び馬車に乗り頂上を目指す。今のってなんなのかしら…コーラル礼拝堂で水の力と言われたけど、この事なんだろうか。まだ魔法使いの人に魔法教わってないのに使えた?
騎士団の人が誰も欠けずに居たことが本当に良かった。わからないことが多いけれど、この力があって良かった。
もう半分以上登ってきている。さっきの魔物の他にも出てきてはいるだろうけど、すぐに逃げていくようで早く進むことができた。
馬車が止まる。
「エリーゼ様、馬車はここまでです。ここから歩くことになるのでお降りください」
とうとう徒歩で登る時が来たようだ。マフラーを巻いて馬車を降りる。
思ったよりも、風が強くて寒いですわ。
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