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【第6話】両片想いとフライドポテト
【6-8】
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今度はカミュがA1くらいの大きさの板のようなものを魔法で引き寄せて、譜面台っぽいものに掛けて置く。──きちんと見ると、遊戯盤も板も真ん中の境界にして薄い青色と赤色に塗り分けられていた。ということは、あの板はスコアボード的な道具なのだろうか。
「では、勝負を開始する。──創世!」
「創世!」
号令のように二人が声を合わせると、遊戯盤とサイコロがぼんやりと淡く光り、スコアボードっぽい板も仄かに光って文字を浮かび上がらせた。魔法を使うゲームというだけあって、スコアも自動手記なのかな? 何かのリストのようなものがズラズラと書き連ねられていて、ジルとカミュが交互に魔法でサイコロを振る度に文字の横に数字が浮かび上がっていく。数字以外は何が書かれているかよく分からないけれど、青い領域の最上部にはジルの、赤い領域のほうの同位置にはカミュの名前が記されているのは分かった。
「俺たちが何度も賽を振っているのを眺めていてもつまらないかもしれないが、これをこなさなければ先に進めないから、すまないがもう暫く見ていてくれ」
僕が口を半開きにしてぼけーっと見学している様子を暇を持て余していると捉えたのか、ジルが申し訳なさそうに言ってくる。僕は慌てて首を振った。
「つまらないなんてことはないよ! すごく興味深く見させてもらってるんだから」
「そうか……?」
「差し出口ですが、軽く説明を添えてさしあげるとよろしいのでは? 我々は、それこそ見飽きるほど熟知しておりますが、ミカさんにとっては賽で出た数字が何なのかも分からないでしょうから」
「ああ、そうか。確かにそうだな」
僕がもっと文字を読めればスコアボードのようなものを見ただけでも察しがつくのだろうけど、それが叶わない以上、少しでも解説があるとありがたい。でも、色々と考えながら進めなければいけないゲームみたいだし、余計なことで気を逸らせてしまうのも申し訳ない。
「ありがたいけど、気が散っちゃうんじゃない?」
「平気だ。最後まで勝負をするわけじゃないからな。……今は、交互に賽を振って、様々な能力値を決めている最中だ。参加者の能力値、『はじまりの男女』の能力値、土地そのものの能力値があって、これらの数値が干渉し合い、様々な行動や出来事の成功率や成長率を左右する」
「その数値が、あそこに掲げている管理表に記載されていきます。初めに決めた数値が最後まで動かない項目もあれば、自分や相手の行動結果によって変化していくものもあるのです。変化があれば、その都度、管理表の数値も書き換えられていきます」
スコアボード的なものは管理表と呼ばれているらしい。各項目横の数値が全部埋まった後、参加者たちは更に一回ずつサイコロを振った。すると、遊戯盤の中央辺りの宙に眩い光の球体のようなものが現れて、次第にそれは一冊の古書へと姿を変えていく。そして、赤青両方の領域の山中に目印のような光の点が出現した。
「各能力値を決め、最後に誰が先攻かを決めると、このように指南書が現れる。『創世大戦』の基本的な進め方は、順に賽を振り、その出目に従って指南書の頁をめくり、そこに記載されている指示に従いつつ行動を決めるんだ」
「一巡目は最初の頁と決まっておりますので、二巡目からそれぞれ違う展開へ進んでいくこととなります」
なるほど……、ゲームブックのようなシステムも取り入れられているのかな? 細かいし、複雑だし、「創世大戦」は大人向けのゲームという印象が強い。じっくりと時間を掛けて大人同士で遊べるような、どちらかといえば富裕層向けの遊びなのだろう。
「先攻は俺だ。……では、拠点に家を作ってみようか」
ジルがそう言うと、指南書が光り、次に魔力の水の小さな粒が三つほど宙に吸い上げられて消える。そして、青の領域の小さな点が、屋根付きの家のような形の立体物に変化した。
「建築は、今のように魔力の水を消費して行う。今後、国を発展させるうえで様々な建築を行うが、特定の施設以外の建造物は遊戯盤上には表現されない。今作ったのは、ゆくゆくは本拠地となるものだから、こうして変化が表現された。今は普通の家だが、これを次第に堅牢な城に進化させていき、攻められづらい砦にしていく必要がある」
「ちなみに、はじめから立派な城を建てることは出来ません。自分の領地の発展具合によって、建築できる家屋の規模や質も変わります。知らないものは作れない、ということですね」
「わぁ……、難しそう……」
頭の中がごちゃごちゃしてくる。情けない顔をしているだろう僕を、魔王と悪魔は微笑ましそうに見つめてきた。
「ミカは賢い。きっとすぐに理解が追い付くさ」
「そうですとも。……では、次は私の番ですね。うーん……、ジル様の行動との差をお見せするために、あまり選択されない初手を打ってみましょうか。『はじまりの男女』に子を授かっていただきましょう」
カミュがそう宣言すると、指南書と共に面が少ないほうのサイコロが光る。美しい悪魔は指先を優雅に動かし、魔法でそれを振った。
「では、勝負を開始する。──創世!」
「創世!」
号令のように二人が声を合わせると、遊戯盤とサイコロがぼんやりと淡く光り、スコアボードっぽい板も仄かに光って文字を浮かび上がらせた。魔法を使うゲームというだけあって、スコアも自動手記なのかな? 何かのリストのようなものがズラズラと書き連ねられていて、ジルとカミュが交互に魔法でサイコロを振る度に文字の横に数字が浮かび上がっていく。数字以外は何が書かれているかよく分からないけれど、青い領域の最上部にはジルの、赤い領域のほうの同位置にはカミュの名前が記されているのは分かった。
「俺たちが何度も賽を振っているのを眺めていてもつまらないかもしれないが、これをこなさなければ先に進めないから、すまないがもう暫く見ていてくれ」
僕が口を半開きにしてぼけーっと見学している様子を暇を持て余していると捉えたのか、ジルが申し訳なさそうに言ってくる。僕は慌てて首を振った。
「つまらないなんてことはないよ! すごく興味深く見させてもらってるんだから」
「そうか……?」
「差し出口ですが、軽く説明を添えてさしあげるとよろしいのでは? 我々は、それこそ見飽きるほど熟知しておりますが、ミカさんにとっては賽で出た数字が何なのかも分からないでしょうから」
「ああ、そうか。確かにそうだな」
僕がもっと文字を読めればスコアボードのようなものを見ただけでも察しがつくのだろうけど、それが叶わない以上、少しでも解説があるとありがたい。でも、色々と考えながら進めなければいけないゲームみたいだし、余計なことで気を逸らせてしまうのも申し訳ない。
「ありがたいけど、気が散っちゃうんじゃない?」
「平気だ。最後まで勝負をするわけじゃないからな。……今は、交互に賽を振って、様々な能力値を決めている最中だ。参加者の能力値、『はじまりの男女』の能力値、土地そのものの能力値があって、これらの数値が干渉し合い、様々な行動や出来事の成功率や成長率を左右する」
「その数値が、あそこに掲げている管理表に記載されていきます。初めに決めた数値が最後まで動かない項目もあれば、自分や相手の行動結果によって変化していくものもあるのです。変化があれば、その都度、管理表の数値も書き換えられていきます」
スコアボード的なものは管理表と呼ばれているらしい。各項目横の数値が全部埋まった後、参加者たちは更に一回ずつサイコロを振った。すると、遊戯盤の中央辺りの宙に眩い光の球体のようなものが現れて、次第にそれは一冊の古書へと姿を変えていく。そして、赤青両方の領域の山中に目印のような光の点が出現した。
「各能力値を決め、最後に誰が先攻かを決めると、このように指南書が現れる。『創世大戦』の基本的な進め方は、順に賽を振り、その出目に従って指南書の頁をめくり、そこに記載されている指示に従いつつ行動を決めるんだ」
「一巡目は最初の頁と決まっておりますので、二巡目からそれぞれ違う展開へ進んでいくこととなります」
なるほど……、ゲームブックのようなシステムも取り入れられているのかな? 細かいし、複雑だし、「創世大戦」は大人向けのゲームという印象が強い。じっくりと時間を掛けて大人同士で遊べるような、どちらかといえば富裕層向けの遊びなのだろう。
「先攻は俺だ。……では、拠点に家を作ってみようか」
ジルがそう言うと、指南書が光り、次に魔力の水の小さな粒が三つほど宙に吸い上げられて消える。そして、青の領域の小さな点が、屋根付きの家のような形の立体物に変化した。
「建築は、今のように魔力の水を消費して行う。今後、国を発展させるうえで様々な建築を行うが、特定の施設以外の建造物は遊戯盤上には表現されない。今作ったのは、ゆくゆくは本拠地となるものだから、こうして変化が表現された。今は普通の家だが、これを次第に堅牢な城に進化させていき、攻められづらい砦にしていく必要がある」
「ちなみに、はじめから立派な城を建てることは出来ません。自分の領地の発展具合によって、建築できる家屋の規模や質も変わります。知らないものは作れない、ということですね」
「わぁ……、難しそう……」
頭の中がごちゃごちゃしてくる。情けない顔をしているだろう僕を、魔王と悪魔は微笑ましそうに見つめてきた。
「ミカは賢い。きっとすぐに理解が追い付くさ」
「そうですとも。……では、次は私の番ですね。うーん……、ジル様の行動との差をお見せするために、あまり選択されない初手を打ってみましょうか。『はじまりの男女』に子を授かっていただきましょう」
カミュがそう宣言すると、指南書と共に面が少ないほうのサイコロが光る。美しい悪魔は指先を優雅に動かし、魔法でそれを振った。
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