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ハルは桜が散れば、物のカズにも入らないのでしょ?
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「なんか怪しい」
ドキリとする。坂口直樹が俺の膝を叩きながら、意味深な視線を寄越した。班は違うけど、ちょうど隣に座ってた。
「な、何が?」
「ほらほら、動揺してる」
「だから、何だよ?」
あくまで小声で言い合う。周りの喧騒が更に直樹の声を目立たなくする。直樹とは所謂幼馴染で、保育園からずっと一緒。俺が園子ちゃんの事を密かに思っていたことや、誰も知らないはるちゃんの事を唯一教えた悪友だ。まあ、男だとは言ってない…と思う。男に恋したのかと、からかわれた記憶が無いから多分言ってない…と思う。愚痴を嫌がらずに聞いてくれるし、聞き上手な直樹にはついつい余計なことまでしゃべってしまう。
でも、はるちゃんとの事はまだ言えない。ここでは尚更だ。
「藍川おぶって先に帰ったんだって?」
「ああ、ちょうど俺たちの前だったんだ」
「ふぅ~ん。それで?」
「それで?それでも何も、それだけだよ」
「いやいや、何年の付き合いだと思ってるのさ?登山の前と今とじゃ、一登の表情全然違うし」
「直樹には何でもお見通しなんだな」
「うんうん。で?」
「でも言わない」
「何でだよ?」
「今は無理」
俺の顔を見てこれ以上ここで聞いても無駄だと察したのか、後で教えろよとみんなの会話に加わって、夕食を食べ始めた。後片付けも手伝って、はるちゃんの待つ二人きりの部屋に向かう。
「ただいま」
「あ、かずくん。……お帰りなさい」
なんか違ったか?荷物の整理をしていたのか鞄の中身を出す手を止めて俺を見る。
「ちゃんと食べられた?」
「うん、少し残したけど…」
「そっか…、体調は?肝試し行ける?」
これから季節外れじゃないかと思うけど、肝試しがある。外は寒いからか食堂から宿泊施設の中を通り体育館に行き、辿り着いた証拠の何かを持ち帰る。何かは知らされていない。行けばわかると言われているから不正はできないってことなのか?確かにダルいけど…。そこまでする奴いるか?体育館を出て、渡り廊下を通り別館の二階の会議室がゴールだ。
「無理ならさ、俺もここに残るよ」
「そんなの悪いよ。楽しみにしてたでしょ?」
あっ、バレてる?ダルいとか言いながら、今回のオリエンテーションで一番面白そうだなと思っていたのが、実はこの季節外れの肝試し。まだ、想いを伝える前で、モヤモヤと、ウジウジと悩んではいてもできれば藍川…はるちゃんと一緒に行きたいと思っていた。けど、誰と行くことになってもなんか面白くない?
クラスで偶数の数字を入れた紙を奇数の子が引くので、必ず女子と一緒ってわけじゃないらしいし、余程のことがない限り放っておけばいい。一番と二番は一緒に行ける可能性があった。
「はるちゃんが辛いなら、一緒にここに残るよ。一人残して行くなんてできない」
「肝試しはやめておくよ。でも、先生と一緒にみんなを…かずくんを待ってる」
「そっか…。はるちゃんと一緒に行きたかったど仕方ないよな」
「僕も…かずくんと一緒に行けるなら行きたいけど…。でも、誰と行くかはわからないから」
「そうだけどさ。じゃあ、俺が行くの待ってて」
「うん。頑張って」
「おう」
もうそろそろ集合時間だ。廊下を大声で歩く声も聞こえ出した。
「はるちゃん…」
両腕を広げ、はるちゃんを待つ。ポスンと飛び込む可愛い身体を抱きしめた。しっかりと腕を回し痛いくらいに抱きついてくる。手を怪我してるのに。
「手、痛くない?」
「うん。少しだけ」
「はるちゃん、顔上げて」
胸に擦り付けるように埋められていた顔をゆっくり上げて、俺を見る可愛い瞳。顔を寄せると同じように顎を少し上げ唇を差し出してくれる。
「…ふっ…んっ」
チュッチュと何度も触れると、鼻から漏れるはるちゃんの吐息がヤバい。行きたくないかも…。でも、今日は二人きりで夜を過ごせる。行くかと未練の残る唇を離し、一度髪を撫でて二人で食堂に向かった。
はるちゃんは先生に参加しないと言いに行った。登山でのこともあり、途中で何かあっては困るからかあっさり許された。クジの結果、俺は中島理奈っておとなしい感じの女子とペアになった。はるちゃんは先生と既に移動している。
ドキリとする。坂口直樹が俺の膝を叩きながら、意味深な視線を寄越した。班は違うけど、ちょうど隣に座ってた。
「な、何が?」
「ほらほら、動揺してる」
「だから、何だよ?」
あくまで小声で言い合う。周りの喧騒が更に直樹の声を目立たなくする。直樹とは所謂幼馴染で、保育園からずっと一緒。俺が園子ちゃんの事を密かに思っていたことや、誰も知らないはるちゃんの事を唯一教えた悪友だ。まあ、男だとは言ってない…と思う。男に恋したのかと、からかわれた記憶が無いから多分言ってない…と思う。愚痴を嫌がらずに聞いてくれるし、聞き上手な直樹にはついつい余計なことまでしゃべってしまう。
でも、はるちゃんとの事はまだ言えない。ここでは尚更だ。
「藍川おぶって先に帰ったんだって?」
「ああ、ちょうど俺たちの前だったんだ」
「ふぅ~ん。それで?」
「それで?それでも何も、それだけだよ」
「いやいや、何年の付き合いだと思ってるのさ?登山の前と今とじゃ、一登の表情全然違うし」
「直樹には何でもお見通しなんだな」
「うんうん。で?」
「でも言わない」
「何でだよ?」
「今は無理」
俺の顔を見てこれ以上ここで聞いても無駄だと察したのか、後で教えろよとみんなの会話に加わって、夕食を食べ始めた。後片付けも手伝って、はるちゃんの待つ二人きりの部屋に向かう。
「ただいま」
「あ、かずくん。……お帰りなさい」
なんか違ったか?荷物の整理をしていたのか鞄の中身を出す手を止めて俺を見る。
「ちゃんと食べられた?」
「うん、少し残したけど…」
「そっか…、体調は?肝試し行ける?」
これから季節外れじゃないかと思うけど、肝試しがある。外は寒いからか食堂から宿泊施設の中を通り体育館に行き、辿り着いた証拠の何かを持ち帰る。何かは知らされていない。行けばわかると言われているから不正はできないってことなのか?確かにダルいけど…。そこまでする奴いるか?体育館を出て、渡り廊下を通り別館の二階の会議室がゴールだ。
「無理ならさ、俺もここに残るよ」
「そんなの悪いよ。楽しみにしてたでしょ?」
あっ、バレてる?ダルいとか言いながら、今回のオリエンテーションで一番面白そうだなと思っていたのが、実はこの季節外れの肝試し。まだ、想いを伝える前で、モヤモヤと、ウジウジと悩んではいてもできれば藍川…はるちゃんと一緒に行きたいと思っていた。けど、誰と行くことになってもなんか面白くない?
クラスで偶数の数字を入れた紙を奇数の子が引くので、必ず女子と一緒ってわけじゃないらしいし、余程のことがない限り放っておけばいい。一番と二番は一緒に行ける可能性があった。
「はるちゃんが辛いなら、一緒にここに残るよ。一人残して行くなんてできない」
「肝試しはやめておくよ。でも、先生と一緒にみんなを…かずくんを待ってる」
「そっか…。はるちゃんと一緒に行きたかったど仕方ないよな」
「僕も…かずくんと一緒に行けるなら行きたいけど…。でも、誰と行くかはわからないから」
「そうだけどさ。じゃあ、俺が行くの待ってて」
「うん。頑張って」
「おう」
もうそろそろ集合時間だ。廊下を大声で歩く声も聞こえ出した。
「はるちゃん…」
両腕を広げ、はるちゃんを待つ。ポスンと飛び込む可愛い身体を抱きしめた。しっかりと腕を回し痛いくらいに抱きついてくる。手を怪我してるのに。
「手、痛くない?」
「うん。少しだけ」
「はるちゃん、顔上げて」
胸に擦り付けるように埋められていた顔をゆっくり上げて、俺を見る可愛い瞳。顔を寄せると同じように顎を少し上げ唇を差し出してくれる。
「…ふっ…んっ」
チュッチュと何度も触れると、鼻から漏れるはるちゃんの吐息がヤバい。行きたくないかも…。でも、今日は二人きりで夜を過ごせる。行くかと未練の残る唇を離し、一度髪を撫でて二人で食堂に向かった。
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