波紋

茉莉花 香乃

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第五章

07

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「んっ…」

俊一さんから小さく吐息が漏れ、俺の中で熱い飛沫が弾ける。

抱きしめられぶるっと震えた。首に腕を回し、ちゅっと触れるだけのキス。キスをされながら起こされた。中の刺激だけでイッたのは初めてで、なんだか恥ずかしい。

俊一さんと向かい合って座る。達したばかりなのに存在を主張する俊一さんのペニスはまだ俺の中にあり、突き上げる。

体勢が変わり、自分の重さと、イッたばかりで敏感な身体は震える。少し動くだけで、中で放たれたものがぐちゅっと音を立てて溢れた。

「あっ、やっん…」
「凄い、いやらしい音がする。郁己、動ける?」

ダメだよ。おかしくなる。

「…もうちょっと、待って?」
「待てない…」

顎を持たれ唇が重なる。
少し乱暴に舌を絡め息をするのも苦しくなるほど深く、激しいキス。俊一さんの舌が歯列や内頬を刺激する。舌を甘噛みされて身体が震えた。

「んっ…んっ」

隙間なく声すら漏れないキスで力が抜けていく。

ギュッと抱きしめられ首に顔を埋めて「郁己、愛してるよ」と優しい声がする。

「いつまでも、俺の側にいて…」
「俊一さん…俺で良いの?」
「郁己が良いんだ」
「嬉しい」

俊一さんの上で腰を振る。
動いてと言ったけど、したことないから俺の動きだけではもどかしいのか下から激しく突き立てる。少し荒々しい位の動きに内膜を刺激され俺のペニスは再び硬くなる。

「あっ、んっ、んっ…」

敏感になってる俺の後孔を容赦なく掻きまわし、攻め立てる逞しい俊一さん。

腰を支えてもらい、感じるままに動いた。




「おはよう」と声がして、薄っすら目を開けると惚ける笑顔の俊一さんが俺の髪を梳きながら頬にキスを落とす。

「俊一さん、おはよう」

腕を伸ばすと抱きしめてくれた。

バイトに行くまで一緒にいられる。何がしたいと聞かれて映画が観たいと言った。前に友だちと観た映画の続編が公開されている。
俊一さんは映画館では観なかったけど、先日テレビで観たから良いよと言ってくれた。
遠出はできないし、映画なら時間がきっちり決まっているから丁度良かった。

昨夜のあれは俺に甘えてくれたのだろうか?それなら嬉しいな。俺なんて俊一さんにしたら子どもだろうけど、いつも甘えて、頼ってばかりの俺が少しでも、心が休まる場所になれてるならこんなに嬉しいことはない。

俊一さんは自分の小さな頃の話はあまりしない。大学から一人暮らしで、親とも仲良くないからあまり会ってない。義理の母親と上手くいかなかったんだ。
そう言うけど、どこか違うような気がしてた。

拓真って弟と会わないのも、三年一緒に暮らしただけの義理の弟だと懐かしさもないからなと言うけど、違うと思ってた。
一度聞いた「拓真」って呼ぶ声。懐かしむような愛しい者を呼ぶ声に聞こえた。それでも会わないのは、何かあるのだろうか?

時々、見る寂しそうな顔。でも、俺と会う時間が長くなればなるだけその寂しげな顔も少なくなっている…と思う。

『郁己が良いんだ』なんて、側に居てと言ってくれるだけで嬉しいのにこんな俺でも必要とされることに涙が出てしまう。改めて俺の居場所を示してくれたみたいで益々図々しくなっちゃうよ。
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