sweet!!

仔犬

文字の大きさ
48 / 378
everyday!

4

しおりを挟む

お話がまとまったところでいつも頭を使いがちな優が首を傾げる。今までの会話に何か思うところがあったようだ。


「あの拳銃トリオやばい人達が親なんですよね……?あの3人倒しただけでどうにかなるんですか?」

「ああ……それはサクラさんがね」

「サクラ姉さん?」

優が隣の暮刃先輩の袖を引っ張るも、穏やかな笑みでそれ以上は教えるつもりはないようだ。

「ええ、そこで切るんですか……」

「いや……うーん」

少し困った表情で優を見つめるも、言葉を探しているのかすぐには出てこないようで、いつのまにか用意されていたケーキを食べながら瑠衣先輩が面白がる。

「メズラシーくれちんが悩んでる」

「そんなに言いづらい事なんすか?」

「んー……アッキー耳貸して?」

耳元で小さく耳打ちすると、秋は神妙な顔で納得していた。

何故自分にはダメなのかとついに眉をひそめた優に怯んだ暮刃先輩に代わり、赤羽さんがさらりと教えてくれた。

「まあ、つまるところ有能なんですよ彼女は。ハニートラップの」

「……え?」

「見事に全員撃ち落としてくれましたから」

「ああ、その表現なら良いね。うん、そう言う事だ」

にっこり笑って話をまとめた暮刃先輩に優が「俺にどんな表現で伝えようとしていたんですか」と責め立てている。頭の良い暮刃先輩だと生々しく伝えそうになっていたのか。

おれはハニートラップって実在するんだなぁ、と思ったが日常でも同じようなことはたくさんあるはずだ。だって女の子はみんな魅力的で素晴らしい。いたずらに引っかかっても仕方がないです。ましてやサクラ姉さんならば。

ウンウンと納得してしていたら、後ろから悲痛な叫び声が聞こえた。


「ええええ……瞬くんひどーーーーーい!優夜くん達に教えたの!?」

いつのまにか顔を真っ赤にしたサクラ姉さんがいたのだ。

「優夜くん!私、彼にはちゃんとこの事言ってるし公認なのよ?遊んでるわけじゃなくて、こうやっていろんな事を防いでて……!」

必死に説明してくれているサクラ姉さん。

「そんなに焦らなくてもサクラ姉さんが本当に彼氏さん大事にしてるの伝わってますから」

「……ほんとう?」

優が優しく諭すとシュンとしながらも落ち着きを取り戻した。
 
今日はオフショルダーのニットワンピースにショートブーツ。うん、変わらぬ美人が炸裂している。尻尾の代わりに手を振ってサクラ姉さんに声をかけた。


「おれもサクラ姉さんの罠かかりたいくらいです」

「……唯斗くんもらっちゃダメ?氷怜くん」

「これ以上分けてたまるかよ……」



氷怜先輩、頭痛なのか頭を抱えてしまった。取り敢えず頭を撫でてみるとゆっくりと視線が絡む、そして仕方なさそうに微笑んで頰を撫でてくれた。ニヤニヤしてしまうのはオプションだ。


「サクラ姉さん、ほっぺの傷は?」

「唯斗くんの迅速な処置のおかげでこのとおり!」


秋の質問に指でぽんぽん示されたところに痕は一つもなく元の綺麗なお肌そのもの。女の子の顔に傷が残ることを防げるなんておれにとってはレスキュー隊ほどの勲章だ。

「はあ、良かったぁ」

「あの……本当に申し訳ありませんでした」


喜ばしい事なのにせっかく柔らかさを少し取り戻していた誠司さんがまた萎縮してしまう。彼のせいではないのに。

「やだ、どうして貴方が謝るのよ……シャキッとしなさい、綺麗な顔が台無しよ!」

「……はい!」


サクラ姉さんの喝に流石の誠司さんも姿勢を正すほかなくなっていた。うんうん、元気な女性はパワーを頂けるものだ。



しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

とあるΩ達の試練

如月圭
BL
 吉住クレハは私立成城学園に通う中学三年生の男のオメガだった。同じ学園に通う男のオメガの月城真とは、転校して初めてできた同じオメガの友達だった。そんな真には、番のアルファが居て、クレハはうらやましいと思う。しかし、ベータの女子にとある事で目をつけられてしまい……。  この話はフィクションです。更新は、不定期です。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

アイドルくん、俺の前では生活能力ゼロの甘えん坊でした。~俺の住み込みバイト先は後輩の高校生アイドルくんでした。

天音ねる(旧:えんとっぷ)
BL
家計を助けるため、住み込み家政婦バイトを始めた高校生・桜井智也。豪邸の家主は、寝癖頭によれよれTシャツの青年…と思いきや、その正体は学校の後輩でキラキラ王子様アイドル・橘圭吾だった!? 学校では完璧、家では生活能力ゼロ。そんな圭吾のギャップに振り回されながらも、世話を焼く日々にやりがいを感じる智也。 ステージの上では完璧な王子様なのに、家ではカップ麺すら作れない究極のポンコツ男子。 智也の作る温かい手料理に胃袋を掴まれた圭吾は、次第に心を許し、子犬のように懐いてくる。 「先輩、お腹すいた」「どこにも行かないで」 無防備な素顔と時折見せる寂しげな表情に、智也の心は絆されていく。 住む世界が違うはずの二人。秘密の契約から始まる、甘くて美味しい青春ラブストーリー!

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

処理中です...