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しおりを挟むおれと秋と優はみんなそれぞれ趣味が違うけど、ひとつだけ共通して大好きなものがある。
それはわんちゃん、わんわん、わんこ。もう犬。
おれたちはマンションだから何も飼ってないけど、もし誰かが一人暮らしするとしたら絶対ペット可のところと熱弁しているほど。
そんなおれたちが目をキラキラさせて目の前の光景を眺めた。
「わ、わんわんわんだーらんど……」
正しくはONE wan wonderland 。
超大人気テーマパークのひとつで、通称ワンダラ。
キャラクターは全部犬で、本当にそのキャラそっくりの犬もいるし、触れるし遊べるし、乗り物も本格的で、パレードもわんちゃんがいるしで最高なところなのだ。しかもみんないい子でどんな生活したらそんな人なっこく育つのかと首をかしげてしまう。
しかもそのストーリーもかなり胸熱なのだ。大人から子供まで大人気である。
「まじですか!本当にここ行っていいんですか!!」
「ああ……」
3人で両手をバンザイしてもうそのまま跪いてしまいそうだった。先輩達は肩を震わせて笑っているが、嬉しくてそれどころでは無い。
ここのチケット、かなりお高い。
エリア毎に雰囲気を変えて作られ全てが幻想的で、写真に収めればたちまち映えてしまうスポットも多い。しかもかなりの人気でよく入場制限がかかるのだ。
「お前らが犬好きだって聞いて……まさかそこまで喜ぶとは……」
「だって、なかなか行けなくて!……しかもプレミアムチケット!!」
乗り放題、待ち時間無しのプレミア。
車の中でさらっと渡されたチケットにおれたちは手が震えた。泣いた。
「つか俺ら行った事ねぇんだわこういうところ」
「え、そうなんですか」
「いやーでもひーがここに行くって言った時は本当に腹筋がもう一個割れるかと思ったんだからネ」
「普段なら絶対行かないのに……愛は人を変えるね」
「……うるせえよ」
そうだと思う。おれも先輩がここに来るなんて夢にも思っていなかった。それでもここ選んでチケットまでプレゼントしてくれてもう至れり尽くせりすぎて既に後光が差している。
「めっちゃ嬉しいもう死んでもいいぃ」
「おい、ここで死なれたら俺が不憫だろ……」
「不憫!!!あははは!!」
腹を抱えて笑いだす瑠衣先輩の耳を引っ張り入場に向かう氷怜先輩。おれもみんなをぐいぐい押していく。
「なあ、唯あれ……」
「おれもそれ思った」
おれに押されなが秋が指をその建物に向けた。
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