sweet!!

仔犬

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theory!

2

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「サカリンーオレも相手してー」

「……んだその名前は」

「えー?可愛いジャン」

瑠衣先輩にしては珍しく飛び出していかないなと思えばとうとう煽り出した。1番悪い子供みたいな顔で綺麗な顔を歪ませる。片方をかき上げたヘアスタイル、ここに着いた時唯がしてあげてたけどこの手のタイプは彼の動作によく似合う。

「テメェはここのボスの1人だろうけど、年上は尊重しやがれ?マナーもしらねぇのか」

「んー?ここでは年功序列なんてツマンナイ制度関係ないカラ。それともオジサンだって労った方がヨカッター?」

ゆらりゆらりと立ち上がると周りのチームの人が距離を取り出した。巻き込まれたらやばいなんて俺からしてもすぐわかる。

「瑠衣が出ちゃ意味ねぇだろ……」

「まあ、あれでも我慢した方だよ」

なるほど、珍しく今まで大人しかったのはそういうことか。ちゃんと順番を守ってたと弟を見守るような暮刃先輩と氷怜先輩の視線。2人が苦笑いした時にはもう戦いは始まって周りも息を飲むように観戦する。
やはり瑠衣先輩のやり方は逸脱して見えた。

「瑠衣先輩の戦い方って変わってますよね」

「俺ら基本型は郷に叩き込まれてるけど、あいつは独特の感性っつうかバランスの重心が変なとこにあるから教え辛えっていってた」

「猫みたいにぐにゃっとするのにパワーが凄かったりね。だから瑠衣の相手は疲れる……でも榊の動きは瑠衣寄りだから良い勝負になるんじゃない」

だからなおさら楽しそうなわけか。本当に喧嘩好きなんだよなあ、あの人。俺なんてガチ喧嘩とかした事ないけど、物足りなくないのだろうか。いや恋人に喧嘩は求めないか流石に、いや……もしかしたら喧嘩出来る人も過去にいたかもしれない、瑠衣先輩ならあり得そう。もう少し動けるようになれば俺も暇つぶし程度に遊べるのか?

「俺も習おうかなぁ。瑠衣先輩の相手とまではいかなくても軽ーく動き合わせられたらいいよなぁ」

「あーそれ楽しそう!!」

「何かあったら役立ちそうだしね」

唯も優も賛同してくれて一斉に先輩2人を見つめたら一瞬すごく嫌そうに、でも間違いではないってそんな顔だ。数秒暮刃先輩と氷怜先輩が視線を合わせ黙る。ああ凄い考えてる。なんだか過保護が増したのではないですか先輩。

「適役いるか……?」

「桃花は?」

「あいつが嫌がるだろ」

「そっか……でも幹部は基本が出来てるから全員で教えさせたら」

「まあそれなら……」

唯も優もあちゃーという顔をして手を振って否定する。

「そんな大袈裟でなくて、片手間の暇つぶしにぐらいで教えて頂ければ……!」

「んな適当に教えたら逆効果だろ。変に技身につけて突っ込んでいかれちゃ心臓もたねぇよこっちは」

「み、身に染みるお言葉……でもでもおれたち大分鍛えてますよ意外と!」

「これはマジっす。ホラ俺ついに割れました腹筋!この横筋!」

なんだかトラブルが多いのは当たり前に実感しているので前までは適度に参加していた俺の筋トレにほぼ全部2人も付き合いはじめている。負荷も増やしてるしお腹前より少し絞れてきたんだよなぁ。唯も優もまだまだ細いけど、俺はちょっと自信のついた腹筋を見せると氷怜先輩が小さく感心の反応を見せた。いよっしゃ。


「結構やったな。まだ細えけど」

「これでもダメかぁ」

氷怜先輩から見たら赤子ですか。いや赤ちゃんに腹筋ねぇけどね。
唯がおれの腹をつつきながらにやりと笑った。

「秋渾身の腹筋破れたり」

「もっと細い奴が笑うなー」

ほっぺを摘めば痛い痛いと言いながらもけらけら笑う唯。こう言うところ瑠衣先輩と似てるんだよなぁ、どっちも可愛いから兄ゴコロをくすぐられる。

優が苦笑すると暮刃先輩を見上げる。

「まあ、どうせ俺たちここで1番細そうだし……でも幹部の人ってそんなに時間あるんですか?今だって忙しそうなのに……」

「要領良いのが前提条件みたいな立ち位置だし、今だってちょこちょこ構いにくるでしょう。君たちの面倒くらい見れるよ」

「面倒……」

優が子供扱いだとジト目を送っても暮刃先輩は気にもしない。

幹部といえば紫苑さん、赤羽さん、桃花、それに最近式も加わった。勝手に料理長と呼んでいるがいつも俺たちに美味しい料理を作ってくれる人も幹部の一人。そのほかにもよく迎えにきてくれる人だったり、勉強教えてもらったりとお世話になっている幹部さんは多い。むしろそんな凄い人たちに世話になってしまっていて良いのだろうか。
それにそれぞれ話した事はあっても、しっかりと腰を据えて話したことがあるかと言えばそうでもない。

「なんか、すごい楽しみだねぇ」

はにかむ唯の瞳が今日1番輝くとまた少し新たなことが始まりそうな予感がした。

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