39 / 89
平凡DKのおれがアレを授かりまして
5-4
しおりを挟む「名前、すずきじゃなくて柚木なんだ」
歌い終わった比良は美声の余韻に浸かっている一同を見渡して言った。
「じゃあ俺と柚木はもう帰る」
「へっ?」
「行こう、柚木」
「わわわっ、ちょっと待って、あれっ、ちょっ、比良くん、比良くーん!?」
ぼーーーっとしている一同に端的に別れを告げた比良。
腕を掴まれ、立たされて、そのままカラオケ店の外まで連れ出された柚木。
幹事にお金を渡す、アウターを羽織る、そんな暇も一切与えられなかった。
ニットにカーゴパンツというインナー姿に寒風は応え、しかし腕を掴みっぱなしの比良の手を振り解くなんて恐れ多くて。
ジップアップのフードパーカーとトートバッグを片腕で抱き抱えてひたすら引っ張られていくしかなかった。
「っ……比良くんもカラオケとか行くんだ? 歌、すっごい上手でびっくりしたよ?」
いつにもまして人通りの多い週末の街中を大股で歩く比良の横顔に話しかけてみれば。
シーーーーーーーーーーン
見向きもされず、ただ沈黙が返ってきて、柚木は口をへの字に曲げた。
お、怒ってる、やっぱり怒ってる、比良くん。
しかもかなり怒ってる……?
「比良くん、怒った……?」
そう問いかければ、カラオケルームを出てからずっと無言でいた比良は、やっと口を開いた。
「怒ってるどころじゃない」
「え」
「絶望した」
「えぇぇぇえ」
街角で足を止めた比良は呆然としている柚木にいつにない早口で続ける。
「別にあの場で本名を教えなくてもよかったな」
呆然としながらキョトンした柚木を見下ろし、掴みっぱなしの腕は離さず、凛とした眼に珍しく剣呑な悪感情を翳した。
「ついイラっとして弾みで言ったけど、今思えば教える必要なんか全くなかった」
ガーーーーーーーーーーーーーーーーン
「ひ、比良くんのことイラつかせてごめん」
「……」
「あの、そろそろ腕離してもらってもい? ちょっとそろそろ痛いかな~……?」
「………………………………………………」
「痛くないです、平気です、ハイ」
上級ルックス故、いつどこにいても注目を浴びる比良だが。
ちょっとばっかし怯え気味の柚木に人目もまるで気にせずに沈んだ声色で問いかけてきた。
「柚木、本当は<千果ちゃん>みたいな人と付き合いたかったか……?」
「えーと、千果ちゃんは優しくて話しやすくて、大豆のことも可愛いって言ってくれたし、飲み物取りに行くのも手伝ってくれて、いいこだなぁって思ったけど……」
柚木がしどろもどろに述べれば。
さらに双眸を鋭く尖らせた比良。
「柚木、浮気したんだな」
う・わ・き?
ちょっと待って、比良くん。
それって大袈裟すぎでは?
「いやいやいやいや、比良くん、そんなの飛躍してるよ……」
「飛躍してない。浮気だと思う。俺への裏切り行為だと思う」
そ、そ、そこまで⋯⋯!!??
64
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話
雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。
諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。
実は翔には諒平に隠している事実があり——。
諒平(20)攻め。大学生。
翔(20) 受け。大学生。
慶介(21)翔と同じサークルの友人。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる