67 / 89
平凡吸血鬼のおれがアレを授かりまして
3-1-吸血鬼なんです
しおりを挟む
夜、自宅の部屋にて。
ぬくぬくパジャマ姿の柚木は比良の凛々しき姿が写る新聞の切り抜き記事をデスクに置き、めそめそしながらもタオルハンカチをスーハースーハー、抗えない吸血本能にどんぶらこ流されていた。
「だけど、どうしよう」
明日、どんな顔して教室に行けばいいのか。
変態行為を目撃した比良に一体どんな態度をとられるのか……。
「いや、ガン無視でしょ、変態クラスメートになんか金輪際見向きもしないでしょ」
それでいーです。
おしゃべりできただけで十分です。
吸血鬼もどきのおれは、やっぱり、キラキラな比良くんに近づいちゃだめな奴なんです……。
「柚木」
重たい足取りで登校し、おどおど教室へ入れば、席につく前に比良に呼び止められた。
「ちょっといいか」
スクールバッグを席におくこともできずに。
腕をとられ、同じフロアにある空き教室へ有無を言わさず連れていかれた。
「昨日のこと、聞いてもいいか」
しかも、壁ドン、された。
逃げ場を塞がれ、昨日の変態行為について問われ、柚木は閉口する。
「どうしてあんなことしたのか教えてほしい」
……神様、どっちがマシでしょうか。
吸血鬼だってことは伏せて、血のついたタオルハンカチに興奮する変態クラスメートってことにしておくか。
人の血に興味津々な吸血鬼もどきだって、本性を明かすか。
……どっちも嫌です!!
「柚木」
比良による真剣な眼差しを一身に浴びて柚木は無意識に息を呑んだ。
……比良くん、かっこいい……。
こんな状況でありながらパーフェクト男子の男前っぷりに惚れ惚れしそうになって、慌てて我に返り、口を開く。
「お……おれは……」
変態か吸血鬼か、どっちがマシなのか、ていうか吸血鬼って言って信じるわけがない!!
たとえばさ、吸血鬼ですって答えたとして、コイツ変態性を誤魔化すために吸血鬼なんてありえない回答しやがった、なんて思われたら最悪なのでは!?
いや、でも比良くんがそんなこと思うわけ……。
でも誤魔化し方に失敗して比良くんに真っ向から軽蔑されたら、おれ、どうしたら――
「俺には何も言いたくない……?」
柚木は瞠目する。
すぐ真正面に迫る黒水晶の瞳が寂しげに陰ったのを見、反射的にその言葉を口にした。
「おれ吸血鬼なんだ」
パーフェクト男子がこれ以上寂しさに囚われないよう、誤魔化さず、ありのままを告げた。
「……」
寂しさは引いたものの、再び真顔と化した比良の腕の中で柚木はきゅっと縮こまる。
「も、もう大分薄れてるんだけど、吸血鬼の血は……ぼぼぼぼっ……」
「ぼぼぼぼ?」
「ほっ、ほぼほぼ人間だからっ、別にみんなと一緒のご飯食べるし、棺桶じゃなくてベッドで寝るしっ!? ニンニク料理も大好き!」
「ギョーザとか」
「そうそう! 日向だって普通に歩けるし! でもね、ほんとにちょこっとだけ!? ちょーーーーーーーっとだけ吸血鬼の血がね……流れてるんです、ハイ……」
不審者ばりに視線を彷徨わせてしどろもどろに柚木が告白すれば。
「そうなのか」
比良は淡々とした口調で相槌を打った。
「柚木は吸血鬼なんだ」
あ……あれ……?
なんかさらっと納得してる……?
それともおれのこと哀れんで話合わせてくれてる……?
ぬくぬくパジャマ姿の柚木は比良の凛々しき姿が写る新聞の切り抜き記事をデスクに置き、めそめそしながらもタオルハンカチをスーハースーハー、抗えない吸血本能にどんぶらこ流されていた。
「だけど、どうしよう」
明日、どんな顔して教室に行けばいいのか。
変態行為を目撃した比良に一体どんな態度をとられるのか……。
「いや、ガン無視でしょ、変態クラスメートになんか金輪際見向きもしないでしょ」
それでいーです。
おしゃべりできただけで十分です。
吸血鬼もどきのおれは、やっぱり、キラキラな比良くんに近づいちゃだめな奴なんです……。
「柚木」
重たい足取りで登校し、おどおど教室へ入れば、席につく前に比良に呼び止められた。
「ちょっといいか」
スクールバッグを席におくこともできずに。
腕をとられ、同じフロアにある空き教室へ有無を言わさず連れていかれた。
「昨日のこと、聞いてもいいか」
しかも、壁ドン、された。
逃げ場を塞がれ、昨日の変態行為について問われ、柚木は閉口する。
「どうしてあんなことしたのか教えてほしい」
……神様、どっちがマシでしょうか。
吸血鬼だってことは伏せて、血のついたタオルハンカチに興奮する変態クラスメートってことにしておくか。
人の血に興味津々な吸血鬼もどきだって、本性を明かすか。
……どっちも嫌です!!
「柚木」
比良による真剣な眼差しを一身に浴びて柚木は無意識に息を呑んだ。
……比良くん、かっこいい……。
こんな状況でありながらパーフェクト男子の男前っぷりに惚れ惚れしそうになって、慌てて我に返り、口を開く。
「お……おれは……」
変態か吸血鬼か、どっちがマシなのか、ていうか吸血鬼って言って信じるわけがない!!
たとえばさ、吸血鬼ですって答えたとして、コイツ変態性を誤魔化すために吸血鬼なんてありえない回答しやがった、なんて思われたら最悪なのでは!?
いや、でも比良くんがそんなこと思うわけ……。
でも誤魔化し方に失敗して比良くんに真っ向から軽蔑されたら、おれ、どうしたら――
「俺には何も言いたくない……?」
柚木は瞠目する。
すぐ真正面に迫る黒水晶の瞳が寂しげに陰ったのを見、反射的にその言葉を口にした。
「おれ吸血鬼なんだ」
パーフェクト男子がこれ以上寂しさに囚われないよう、誤魔化さず、ありのままを告げた。
「……」
寂しさは引いたものの、再び真顔と化した比良の腕の中で柚木はきゅっと縮こまる。
「も、もう大分薄れてるんだけど、吸血鬼の血は……ぼぼぼぼっ……」
「ぼぼぼぼ?」
「ほっ、ほぼほぼ人間だからっ、別にみんなと一緒のご飯食べるし、棺桶じゃなくてベッドで寝るしっ!? ニンニク料理も大好き!」
「ギョーザとか」
「そうそう! 日向だって普通に歩けるし! でもね、ほんとにちょこっとだけ!? ちょーーーーーーーっとだけ吸血鬼の血がね……流れてるんです、ハイ……」
不審者ばりに視線を彷徨わせてしどろもどろに柚木が告白すれば。
「そうなのか」
比良は淡々とした口調で相槌を打った。
「柚木は吸血鬼なんだ」
あ……あれ……?
なんかさらっと納得してる……?
それともおれのこと哀れんで話合わせてくれてる……?
47
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる