【完結】浮気OKの契約結婚だったはずが、侯爵様の溺愛が止まりません 夫の恋のお相手は私でいいんですか!?

えびのおすし

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 愛してると告げた吐息が首筋にかかる。
 エレオノーラは伏せていた顔を上げ、自身の体の上に覆い被さる夫の下顎に噛みついた。
 シルベスタはうめき声を上げたがすぐにお返しとばかりに耳朶を噛んでくる。唇で挟むだけのお遊びだった。
 まるで痛くなくて、むしろ舌先が輪郭をなぞるのでエレオノーラは肩を竦める。
 肌の上を彼の大きな掌が滑っていった。
 肩を掴んでいたその手が、脇の下を伝って、腰まで届く。臀部を鷲掴みにして揉んでくる。
 お尻を突き出すような格好にさせられてエレオノーラは恥ずかしかったが、これも試行錯誤の結果だった。
 想いを伝え合った後、陽が落ちるまでの時間がとても長く感じた。
 すぐにでも二人きりになりたい気持ちを抑えながら澄ました顔で夫婦の時間を健全に過ごしたのだ。
 寝支度を終えて使用人たちを下がらせてから、どちらともなく無言で服を脱いだ。この気恥ずかしい雰囲気のせいでエレオノーラは緊張でカチコチに固まってしまった。押し倒されてキスをされている間も、遂に今夜は本懐を遂げるのだと思うと集中できなかった。
 のぼせ上がったまま夫の好きなようにさせていたのがいけなかった。
 シルベスタは普段の何倍も時間をかけてエレオノーラに触れた。彼の指先が髪を撫でていくだけで胸の鼓動が早くなって、別のことを考えて意識を逸らしたくなった。
 まだ心の準備ができていない。しかし待ってほしいと言ってはいけないように思えた。
 どうしたらいいのか分からないまま無言を貫いていたが、今度はその沈黙が気になってきてしまう。息を吸って吐くのにも気を遣う有様で、もう限界だった。
 何か言わなければならないと必死で考えたけれど考えが一向にまとまらない。耳の後ろを撫でる手を一旦止めてほしくて「私に触れたくないのではなかったのですか?」と、考え得る中でも一番最悪な質問が飛び出た。
 シルベスタは不審そうに眉間に皺を寄せる。
 続きを促すような視線を感じて、エレオノーラはおずおずと彼の手を取った。そして指を交差させるようにして繋ぎ、上目遣いで夫を見上げる。
「だって……はじめのうちは私に触れるのを避けていたじゃありませんか。手を繋ぐのだって数日かかってからでしたし、あのときのあなたは雷が怖かっただけでしょう」
「俺が雷を怖がるような男に見えるのか? それに最近はそんなこともなかっただろう」
「でも、最後までしてくれたことなんてなかった」
 誤魔化そうとする雰囲気を感じ取って、つい問い詰めるような語気になってしまう。シルベスタは唸りながら目を閉じた。言いにくそうにしていたけれど今を逃したらきっと彼は答えてくれないだろう。
 シルベスタさま、と囁いて、彼の手の甲に唇を押しつける。
「教えてくださらないのですか?」
 彼がぐっと言葉に詰まったことが分かった。
「君、自分がかわいいことを分かっていてやっているだろう」
「話を逸らさないでください」
 夫から「かわいい」と言われて胸の奥が疼いたけれど我慢をする。緩んでしまいそうになる口を引き結び、あくまでも真剣に問いかけているような表情をつくった。
 シルベスタはお手上げとばかりに眉根を下げる。
「わかった。ちゃんと話す。……アスティマ伯爵家の夜会で、実際に近くで君を直視したときに、あまりに神々しかったから臆したんだ。とてもじゃないが性愛を向けていい相手に思えなくて、これまであらぬことを想像していた自分がひどく情けない人間に思えた。だから触れることに始めは酷く躊躇してしまった」
「あの……あなたは私の良い面ばかりを見過ぎていると思います。聖女といっても、そんな大層なものではありません。ただの人です」
「それは聞き捨てならないな。ただの人と評するには美し過ぎる。君という存在がどれほど魅力的か、一晩中と言わず三日三晩話し続ける気なら付き合うが」
 どうやら禁句だったようで思いのほか真面目に返されてエレオノーラは笑ってしまった。シルベスタは咎めるように指を噛んでくる。
 口元に笑みを残したまま、エレオノーラは足をばたつかせた。
「まだ躊躇いがあるのですか?」
「いいや。こうして触れ合ったときの君のほうが、より魅力的であることに気がついた。俺だけが知ることのできる姿をもっと見ていたい」
 夫は臆面もなく言ってのけると、ぐっと顔を近づけてエレオノーラの鎖骨に口付けを落とす。ちらりと見上げてくる視線は熱を孕んでいた。
 エレオノーラは自分のほうにこそ躊躇う気持ちがあることに気付いた。
 酷いことはされないだろう。むしろ、きっと丁寧に優しく抱いてくれるはずだ。これまでと同じように、優しく――そうと分かっているのに、どうしても決心がつかなかった。
 彼と身体を繋げることが妻としての義務だと思い込んでいた頃や、片想いだと思っていたときとは明らかに違う。
 好きな相手が自分のことを好いている。そして想いを繋げることができたのだと思うと、こんな奇跡は二度と起きないだろう。何一つとして失敗してはいけないと思い込んでしまう。
「私、うまくできないかもしれません。かわいいとか綺麗とは思えない姿をあなたに見せてしまうかも」
 これまで読んだ恋愛小説では、男性に抱かれるヒロインたちは決まり文句のように『自分が自分でなくなってしまう心地がした』なんて綴っていたのだ。自分でも知らない姿を彼に見られて、もし万が一嫌われてしまったらどうしようと不安になる。せっかく両想いになれたのに体の相性が悪いなんて理由で嫌われてしまったらどうしよう。そればかりか、好きだと言ってくれているところさえも今夜のことが原因で嫌いに変わってしまったらどうしよう。
 エレオノーラはどんどん後ろ向きなことばかり思い浮かんでしまって、遂には目に涙まで浮かぶ。
 シルベスタは首を傾げ、心底不思議そうにしながらもエレオノーラの目元を親指でさっと拭った。
「俺がどれだけ長い間、君に片想いしていたか忘れたのか? 今更嫌いになったなどと寝惚けたことを言い始めたなら、それはもう俺じゃない。だが、そうだな。もし不安だと言うのなら全て君の望み通りにしよう。今夜は何もしないで手を繋いで寝るだけでいい。これまで遠目で眺めることしかできなかった人と結婚できただけで俺はもう充分幸せだ。これ以上多くを望んだら俺のほうこそ君に嫌われてしまいそうだからな」
「そんな言い方は狡いです。それだと私からしてくださいとお願いしなければ指一本触れないってことでしょう? あなたに得しかないじゃありませんか」
「そんなことはない」
 そう言いながらも確信犯であることは彼の態度から明白だった。胸を叩いて抗議するとシルベスタは堪え切れなかったように吹き出す。エレオノーラは頰を膨らませた。
「君が嫌なら何もしないと言ったのは本心だ。無理矢理どうにかしてやろうなどとは一切思っていない。俺は君に対しては従順でありたい」
「そうですか。では私が一生そういうことはしませんと言ったら本当に何もしないのですね」
「しない。この手で触れてキスをして、愛を確かめ合いたいのは山々だが我慢する」
 よくもまぁスラスラと口説き落とす文句が出てくるものだ。エレオノーラは若干あきれてしまう。
 この分だと遊び人だったのはなまじ嘘とも言い切れないのかもしれないと思いかけたが、帰り際の妹から渡された封筒の中身を思い出した。
 セレフィーナは「シルベスタ様ばかりお姉さまの情報を持っているのは不公平だわ」と身辺調査の結果が書かれた紙の束を渡してくれたのだ。中には夫シルベスタの生まれてから今までのことが網羅的に記載されており、聖女エレオノーラへの執着からくる奇行については特に重点的に記録されていた。
 等身大のエレオノーラ人形を作ろうとして瞳に入れる宝石に納得できるものが見つからず、ふた月は頭を悩ませていたなんて知りたくなかった。結局そのエレオノーラ人形は肌のきめ細やかさが再現できていないという理由で製作を断念したらしい。
 当然これまで恋人はおらず、舞い込んだ婚約話は片っ端から断ってきたようだ。日々の楽しみは聖女エレオノーラへ送りもしないラブレターをしたためることだったらしい。結婚した今となっても未だに一通も受け取ったことはないが、どんなことが記されているかは容易に想像がついた。
(愛されている自覚なら、もう充分過ぎるほどあるわ)
 それでも不安で落ち着かないのは、まだ両想いだという事実が気持ちの上で処理しきれていないからなのだろう。
 片想いだと思って半ば諦め始めた矢先の急展開に心がついていけていない。ただ、彼の言うようにゆっくりと距離を縮めていけばいいなどと悠長なことは考えられなかった。
 エレオノーラは、即決断、即行動が常なのだ。
 色恋には慣れていないから多少もたついたり悩んでしまうけれど、行き着く先が決まっているのならば飛び込んでしまえと思い切るのも早い。
 いざ手を出してみたら妻がかわいく見えなくなったなんて酷いことを言われたら大暴れしてやるんだからと腹を括った。
「背を向けていてもいいですか? 直視するのは色々とまだ怖いので」
「顔を見ながらしたい」
 早速言いたいことは主張しつつも基本はエレオノーラの意思を優先してくれるつもりらしい。
 背中を向けていれば恥ずかしさも軽減するだろうと思っての提案だった。ここで大して夫が反論してこなかったことをエレオノーラは疑うべきだった。
 話しているうちに緊張はすっかり解れていた。身体を反転させて横向きになると、すぐにシルベスタは後ろから抱えるように腕を回してくる。
 臍の下を撫でているうちは良かった。
 脇腹から胸に到達するまでに然程時間はかからない。
 やわらかな胸を手のひらで包まれる。
 声が出そうになってしまい、口元を両手で押さえた。
 胸全体の感触を確かめるように揉んでくる。すぐに先端が芯を持ち主張し始める。彼に指先で数度弾かれるとそこはツンと上を向いた。
 指の腹で優しく撫ぜられてエレオノーラはその気持ちの良さに打ち震えながら息を吐く。
「君は意外と手も足も出るタイプだから、こちら側からのほうが安全だな」
 冗談混じりにそんなことを言いながら抱きすくめてくる。この体勢だと身動きが取りづらいことにエレオノーラもようやく思い至る。体の正面を彼のほうに向けようとしても、いつの間にか足も使って押さえ込まれていて動けない。
「お顔を見ながらしたいですわ」
「後ろからが良いと言ったのは君だろう」
 胸を刺激するのをやめてくれない。乳首を指で摘まれ、こねくり回されると、痺れるような感覚があって軽く達してしまった。
 足の間が濡れ始めているのが分かる。膝頭を擦り合わせて彼に知られないようにしたいのに夫はそういうときばかり目敏い。
「エレオノーラ。自分で脚を開いて」
「い、嫌です」
 これまでだったら早く彼と繋がりたくて言われるまでもなく開いていた。しかし今は無理だ。到底そんなことできる気がしない。
「恥じらう君もかわいい」
「またそのようなことを……」
 シルベスタは肩口に噛みついてくる。歯を立て、吸いついて肌の上を舌が滑っていった。
 片腕でしっかりエレオノーラを抱えながら、もう一方の手が太腿に触れる。内側に侵入しようとしてくるので足に力を入れて抵抗した。
 その間にも音を立てて首筋や背中にキスをしてくる。そうして「好きだ」と甘く囁いた。
 お尻の辺りに熱いものが当たっている。最初は何か分からなかったけれど、徐々に硬さを増していくそれには覚えがあった。
「……私が嫌だと言ったらやめてくださるとおっしゃいましたよね」
「嫌なのか?」
「…………いいえ」
 エレオノーラは顔を真っ赤にしながら縮こまる。だったら良いだろうとシルベスタは嬉しそうに言った。
 振り向いて否定することなんてできない。最後までしたいのはエレオノーラだって同じだ。
 ゆっくりと脚を開き、彼の侵入を許した。
 二本の指で押し広げられて敏感なソコをつつかれる。溢れた愛液と共に擦られると堪らず足先に力が入ってしまう。シーツを蹴って快感を逃がしたいのに夫は決してそれを許さなかった。
「ん、ん……」
 指がナカに這入ってくる。
 まだ第一関節しか入っていないのに奥へと引き込むように内側がうねる。
 エレオノーラはシーツに顔を押しつけた。声が漏れないように伏せていたけれど顎を掴まれて上を向かされる。
 親指を噛ませ、強制的に口を開けさせた彼は性急に唇を重ねた。エレオノーラの舌を探り当てると顔の角度を変えて更に深く口付けてくる。
 息継ぎも満足にできないでいるうちにシルベスタはナカに挿れる指を増やした。中指と人差し指が付け根まで押し込まれ、入り口ギリギリまで引き抜いてはまたずぶずぶと埋められる。始めのうちはゆっくりとした動きだったが、それも次第に速くなっていく。
 溢れ出た愛液がシーツを濡らす。
 シルベスタはエレオノーラを俯せにした。感じてしまっている顔を見られたくないとは思っていたけれど、秘部を晒け出すような体勢になっているという羞恥も耐え難い。
「綺麗だ、エレオノーラ」
 彼はそんな独り言を漏らして指を抜いてしまう。エレオノーラは物足りなさを感じながらもホッと息をついた。
 しかしシルベスタは秘部に顔を埋めると、あろうことか舌を入れてきた。何度かされたことがあるとはいえ、今のエレオノーラには刺激が強過ぎた。ビクッビクッと震えながら軽く達してしまう。
 それでもやめてくれなくて目の前がチカチカと瞬く。
 クリを吸われながら絶頂まで誘われた。
 力が入らなくなってきても、へたり込むことさえできない。腰を引き寄せられ同じことを繰り返される。唾液をまとった厚い舌で敏感になった突起を舐め回され、それが今度はナカを犯す。指とは違う、やわらかいそれが無遠慮にひだを掻き分けた。
 ハッ、ハッと犬のように息を荒げ、朦朧とする意識をなんとか保とうとする。
 仰向けにベッドに寝転がされる頃には蕩けた表情を隠すことさえ思い浮かばない。
 下っ腹に彼の性器が乗せられる。熱くて、これまでより遥かに大きくて太い。
 シルベスタはエレオノーラの表情を窺い、端的に「挿れるぞ」とだけ言った。
 エレオノーラが小さく頷くのを待ってから、ぐぐぐ、と押し入ってくる。息を詰めて受け入れた。
 指や舌の比ではなかった。圧倒的な質量のそれが時間をかけて入ってくる。
 シルベスタは額の汗を乱暴に拭うと、エレオノーラを抱きしめながら腰を押しつけた。
「あッ、ン……ッ!」
 全て入りきる頃には息も絶え絶えだった。痛みはなかったけれど、未知の経験に戸惑ってしまう。ぎゅうっとシルベスタの背中に腕を回して抱きついた。
 彼はエレオノーラが落ち着くまで動かずにいた。
 心底嬉しそうに顔中に口付けを落とし「愛してる」と続けた。徐々に前後に動かし始め、更に中で大きくなるので、これ以上は無理だと訴える。
「苦しい? やめるか?」
 少し迷って首を横に振ると、シルベスタは困ったように苦笑する。
「エレオノーラ。無理はしなくていい」
「私、できますっ」
「ならいいが」
 仕方がないなと言いたげな表情で見下ろしてくる。そうして前髪を掻き上げると、ふと獲物を狙うような視線で見つめてくるのでエレオノーラの胸はキュンキュンと高鳴った。
 ナカを締めつけて彼の形を覚えようとする。
 その様子から大丈夫だと判断したのか、ギリギリまで引き抜いては奥まで突き入れることを彼は繰り返した。
「アッ、あ、あぁ……っ」
 シーツに肘をついて腰を浮かせる。がっしりと両手で掴まれながら揺さぶられて、叩きつける水音が容赦なく響いた。
「イキそう?」
 聞かれて首を振るけれど脳内では火花が散っている。
 突かれる度に達していた。快感の波は引いてくれない。
 特に気持ちの良い瞬間があって、堪える間もなく潮を吹く。量は大して多くなかったけれどエレオノーラは漏らしたと思ってしまい呆然とした。
 頭が真っ白になって、尚も激しく突き上げてくる夫を止めようとしたのに、彼はエレオノーラの静止に気付かないフリをする。
「とめてっ、イヤッ、だめ、だめよ……でちゃう……でちゃうっ!」
 再び絶頂し、愛液を撒き散らす前に足を閉じようとした。
 夫はエレオノーラの膝頭を掴んで開かせた。赤く屹立したクリからビシャビシャと音を立てて潮を吹く様子を見られてしまう。
「イヤって言ったのに!」
 わんわん泣きながら彼の腕を叩いた。恥ずかしくて、自分の体がこれほどまでに意思に反して乱れてしまう経験など勿論なくて、シルベスタが「かわいい」とか「綺麗だった」なんて嘯いても聞き入れる余裕は一切なかった。
 ぐすんぐすんと目元を拭いながら「シルベスタ様のエッチ!」と悪口にもなっていない事実で詰ったつもりになる。
 彼がまた何かを言おうとするので両手で耳を塞いでベッドに俯せた。
「今日という今日は許しません!」
 好きだと言う割に意地悪が過ぎる。大切にしてくれなきゃ嫌ですとむくれていると優しく抱き寄せられて、もうほとんど許してしまいそうになっている自分を内心で叱りつけた。
「シルベスタ様はひどいことばかりされます。嫌と言っても全然やめてくださらない」
「悪かった。次は君の好きにしていい」
 うん、と頷いたはいいものの、はたと「次……?」と気付いて首を傾げる。
「俺はまだイッてない。まさかこの状態で終わりにするつもりか?」
 見ると、彼の性器はそそり立ったままだった。
 ぬらぬらと濡れているそれをしばし見つめ、顔を上げたが、どうやら本気のようだった。
 後退りするエレオノーラの足首をシルベスタは捕まえた。
「どうにも俺が上だと君に無体を働いてしまうようだ」
 そう言って胡座をかいた膝上にエレオノーラを乗せる。
 向かい合った状態で「君のペースでいい」と優しげに言う。
 どうあっても逃げられないらしい。
 慣れない手つきで夫の性器を掴み、挿れようとしたけれどうまくできない。押し当てたり角度を変えてみたりしても先端すら入らず、思わずエレオノーラは「シルベスタ様……」とねだった。しかし彼は宣言通り指一本たりとも動かす気がない。
 苦戦しつつも、ようやく先端を埋めることができたときには汗だくだった。
 腰を下ろしていくが、気持ちの良いところを掠めそうになるとそこで止めてしまう。
「エレオノーラ。それだと俺もイケない」
「うぅ……」
 言われずとも分かっているけれど先程のように乱れてしまうかもしれないと思うと躊躇してしまうのだ。
「シルベスタさま……シてください……」
 気持ちの良いところに自分で性器を擦りつけるなんてできない。いっそ彼に動いてもらったほうがいくらか羞恥も薄れるというものだ。
 ちゅ、ちゅっと頬に口付けていると、ようやくその気になったのか、シルベスタはエレオノーラの腰を掴むと一気に突き上げた。
 最奥に当たっているのが分かる。
 ぐりぐりと押しつけられて、引き抜いては突き上げられる。
「こうやってやるんだ。できるだろ?」
 彼にしてもらったのと同じように抜き差しする。奥まで入れるのは達してしまいそうだったので浅いところで腰を振った。
「違う。好きなのはココだろう」
 シルベスタはエレオノーラの感じるところを正確に把握していた。奥に押し当てるのも好きだと分かるとそればかりしてくる。
 堪らず彼の頭を抱えて胸に押しつけた。
 胸の先端をシルベスタの唇に押し当て、開かせる。白い歯で挟まれて舌で転がされる。
 ナカのうねりに合わせて腰を振った。恥ずかしい気持ちより快感を追うことに次第に夢中になる。
 シルベスタが精を放つ瞬間にエレオノーラも絶頂した。
 余韻に浸りながらじっとしていると精子を流し込まれているのが分かった。抱き合ったまま動かず、どちらともなく唇を寄せる。
 幸せで胸がいっぱいだった。
 最後までできた。
 あれほど泣いた夜が報われた気がして、体力は限界だったけれど満ち足りた気持ちだった。
 彼の腕の中で瞳を閉じる。シルベスタが次に何を言うのかは容易に推測できたので先回りすることにした。
「愛しています、シルベスタ様」
 口を「あ」の形にして固まってしまった愛おしい伴侶をエレオノーラは抱きしめた。
「君には一生振り回される気がする」
 シルベスタは溜息混じりにそんなことを言いながらも、その表情はとても満足そうに見えた。



 おしまい


---


読んでいただき、ありがとうございます!

「別の聖女ちゃんのお話も読みたい!」と思ってくださった方は、お気に入り登録や感想で教えてもらえると嬉しいです♪

ちなみに『元聖女は聖騎士の執着から逃げられない 聖女を辞めた夜、幼馴染の聖騎士に初めてを奪われました』は、四人の聖女のうちの一人・ミヤちゃんと、幼馴染の聖騎士・カイルの可愛らしいお話です。R18作品です。
よろしければ、そちらもどうぞ!

次作も頑張ります!
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