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覚えている快感
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崇君とのデートは途中までは
ドキドキしたりして楽しかった。
そのドキドキがイケないことをしていてなのか
男性として見ていてもドキドキなのかは分からないけど。
だけど、千晶ちゃんに会ってからは……
崇君には申し訳ないけど
心がざわついてパスタの味もしなかった。
早く帰りたい、だけど、怖くて家に帰りたくない。
両極端のこの感情に揺さぶられていた。
玄関のドアが本当は軽いのに重く感じた。
そして玄関には雅人の靴があった。
「……雅人?」
恐る恐るリビングに入ると雅人はいなく
シャワーの音が聞こえてきた。
「あ……」
いつもは気にならない携帯が
机に無防備に出されていた。
携帯は見ていいことなんてない。
私は元彼で学んだはずだったのに
気付いたら手にとって握りしめていた。
電源ボタンを押すと
出てきたのは指紋認証だった。
寝ていれば別だが、シャワーに入っている雅人の指は借りれない。
そのままそっと机に携帯を置いて
ベランダでタバコを吸い始めた。
付き合い始めたころは
携帯にロックなんてしていなかったのに……
ロックを解除してからといって何もないかもしれない。
だけど今は、携帯にロックがかかっていたことが
何となくショックだった。
「帰っていたのか」
「雅人……」
何から話せばいいのかわからなくて
沈黙が続く。
昨日ことを気にせず他愛無い話をするべきなのだろうか。
「郵便……」
「え?」
「手紙届いていた」
「ありがとう」
業務連絡みたいな話をして
雅人は自分の部屋に入って行ってしまった。
まただ……また、この気まずい雰囲気になる。
ハガキは大学の同窓会の案内だった。
卒業してから会っていないから
みんなに会うのは久しぶりだ。
大学の友達はみんな卒業後バラバラになってしまって
連絡は取り合っているけど会えていない。
友達だけでなく、元カレにも――
「え……」
元カレのことを思い出しただけで
今身体が疼いたのがわかった。
この感触……雅人に触ってもらっていないからなのだろうか。
大学三年生の時に雅人から別れを切り出された時
テニスサークルに入っていた元カレに
飲み会の時に愚痴っていたみたいで……
悪酔いした私を自分に家で介抱してくれた。
手は出されずに、朝も家まで送ってくれて……
その優しさに甘えてしまって
何度も同じことを繰り返していた。
いつも通り雅人の愚痴を言って、その延長で
「私って魅力ないのかな……」って呟いた時だった。
元カレが突然キスしてきたんだ。
「俺、ずっと我慢している」
そういって、何度も優しいキスをされて――
思い出しただけで
身体が少しづつ火照ってきて
急いでシャワーに入った。
この熱を少しでも落ち着かせたくて――
元カレの春樹も同窓会に来るのだろうか。
もし同窓会に来たら……
今のこの私の身体は
春樹を押し倒してしまうかもしれない。
5年も女としての快感を忘れてしまった
私の身体はオスを探している。
頭ではダメだと分かっていながらも……
ドキドキしたりして楽しかった。
そのドキドキがイケないことをしていてなのか
男性として見ていてもドキドキなのかは分からないけど。
だけど、千晶ちゃんに会ってからは……
崇君には申し訳ないけど
心がざわついてパスタの味もしなかった。
早く帰りたい、だけど、怖くて家に帰りたくない。
両極端のこの感情に揺さぶられていた。
玄関のドアが本当は軽いのに重く感じた。
そして玄関には雅人の靴があった。
「……雅人?」
恐る恐るリビングに入ると雅人はいなく
シャワーの音が聞こえてきた。
「あ……」
いつもは気にならない携帯が
机に無防備に出されていた。
携帯は見ていいことなんてない。
私は元彼で学んだはずだったのに
気付いたら手にとって握りしめていた。
電源ボタンを押すと
出てきたのは指紋認証だった。
寝ていれば別だが、シャワーに入っている雅人の指は借りれない。
そのままそっと机に携帯を置いて
ベランダでタバコを吸い始めた。
付き合い始めたころは
携帯にロックなんてしていなかったのに……
ロックを解除してからといって何もないかもしれない。
だけど今は、携帯にロックがかかっていたことが
何となくショックだった。
「帰っていたのか」
「雅人……」
何から話せばいいのかわからなくて
沈黙が続く。
昨日ことを気にせず他愛無い話をするべきなのだろうか。
「郵便……」
「え?」
「手紙届いていた」
「ありがとう」
業務連絡みたいな話をして
雅人は自分の部屋に入って行ってしまった。
まただ……また、この気まずい雰囲気になる。
ハガキは大学の同窓会の案内だった。
卒業してから会っていないから
みんなに会うのは久しぶりだ。
大学の友達はみんな卒業後バラバラになってしまって
連絡は取り合っているけど会えていない。
友達だけでなく、元カレにも――
「え……」
元カレのことを思い出しただけで
今身体が疼いたのがわかった。
この感触……雅人に触ってもらっていないからなのだろうか。
大学三年生の時に雅人から別れを切り出された時
テニスサークルに入っていた元カレに
飲み会の時に愚痴っていたみたいで……
悪酔いした私を自分に家で介抱してくれた。
手は出されずに、朝も家まで送ってくれて……
その優しさに甘えてしまって
何度も同じことを繰り返していた。
いつも通り雅人の愚痴を言って、その延長で
「私って魅力ないのかな……」って呟いた時だった。
元カレが突然キスしてきたんだ。
「俺、ずっと我慢している」
そういって、何度も優しいキスをされて――
思い出しただけで
身体が少しづつ火照ってきて
急いでシャワーに入った。
この熱を少しでも落ち着かせたくて――
元カレの春樹も同窓会に来るのだろうか。
もし同窓会に来たら……
今のこの私の身体は
春樹を押し倒してしまうかもしれない。
5年も女としての快感を忘れてしまった
私の身体はオスを探している。
頭ではダメだと分かっていながらも……
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