【R18】アムール

かのん

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もう一度、あなたに恋をする。

同窓会①

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「え!?同窓会?」



「中学三年の同窓会の連絡がきたけど一緒に行かない?」



「中学三年か…ヒロはどうするのかな?」



「ヒロは三年のときクラス違ったからこないよ~」



「あ、そうだったね。」



今日は愛と一緒にショッピングを楽しんでいた。







「そういえば、美優が気になっていた武田君くるみたいだよ。」








「武田君…?」



「うん、覚えてない?確かサッカー部だったかな?」



「あ…保健室の…」



「そうそう、美優にボールぶつけてそれからいい感じになったよね。懐かしい~」



愛がニヤニヤしながら美優のほうを見る。



「え!?何?」



「確かその保健室で武田君と…」



「恥ずかしいから思い出さないでよ~」








武田君とキスしそうになったんだ…








――中学三年生



武田君はサッカー部のエースで、ファンクラブがあるぐらい女の子からモテていた。



中学はクラスが毎年変わっていたけど、武田君だけ三年間一緒のクラスだった。



「危ない!」



「え?」



美優のおでこに武田が蹴ったボールが勢いよくあたり、美優はその場にうずくまった。



「ごめん!大丈夫!?」



「うん…」



「本当に大丈夫?」



「大丈夫…」



「傷が…」



「え?」



ぶつかったおでこを触ると血が出ていた。



「先生!ちょっと保健室いってきます!いこう!」



「私一人でいくから大丈夫だよ。」



「俺の責任だから俺も一緒に行く。」



そうして二人で保健室へ向かった。



「先生~っていないか。じゃあここ座って。俺やるから。」



そういって手際よくピンセットなどを用意した。



「なれているんだね。」



「あぁ、俺たちしょうっちゅう怪我するし、それに親父のやっているのよく見ているから。」



「お父さん?」



「親父は医者だから。」



「そうだったんだ。知らなかった…」



「フッ…」



「え?」



「如月ってさ、三年間俺と一緒のクラスなのに俺のこと知らないでしょ?」



「え!?知ってるよ!武田篤人、サッカー部で女の子にもてて…」



「それぐらいでしょ?」



「まぁ…」




「俺は知ってるよ。両親がレストラン経営、神田も作ることが好きで料理上手、花も好きで花壇をよく見ているし、数学が苦手…」



「何で数学まで…」



「よく補習受けてるじゃん。」



「そうだけど…ッ――」



「痛かった?」



「大丈夫―ッ」



三年間クラスが同じでもこれだけ話のは初めてで、こんな至近距離で顔を見たのも初めてだった・・・



「神田はさ知らないでしょ?」



目を反らしたいのに反らせれなくて、目をみつめあったまま武田が話し始めた。



「何を?」







「俺がずっと神田とこうやって話したかったこと――」








「武田君…?」



まさか武田君にそんなこと言われると思っていなくて驚いた。



だって三年間そんなに話したことなかったのに――



武田君の顔がどんどん近づいて、近すぎて見えなくなってくる…



“ガラガラッ…”



「あら?どうしたの?怪我?」



保健の先生が帰ってきた。



「あ…」



恥ずかしくなってその場から逃げ去るように出て行ってしまった…



「お~い美優!」



「あ、ごめん。」



「今武田君のこと考えてたでしょ~保健室のこと。」



「そ、そんなことないよ。」



「でもあの保健室以来話もせず卒業しちゃったね。」



「そうだったね…」



「あのまま武田君とうまくいっていたらまた違う人生だったんだよね~なんか不思議な感じだよね。」



「そうだね…」



「ね?なんか最近元気なくない?」



「え?そうかな?」



「うん…巧君と何かあったの?」



「巧とは何もないんだけど…」



美優は黙り込んでしまった…



「お茶、お茶にしよう、ね?」



愛は美優を近くにあるカフェに連れて行き、そこで美優から巧と沙織の話を聞いた。



「え!?何それ…普通に嫌でしょ?てか遠慮するよね?だって今はまだ美優の気持ちがあれかもしれないけど、戸籍上奥さんなわけだしさ…」



「うん…///」



「え…何々今の反応何?」



「…巧のこと気になるっていうか…」



「うんうん。」



「……好き?う~ん好きは好きなんだけど、こう言葉にうまくできないんだけどさ。これが恋なのかと言われるとまだピンとこないというか…でも沙織さんのことが気になる…」



「そっか、あと一歩って感じか~」



「うん…」



「ゆっくり焦らないほうがいいよ。とりあえず同窓会に着ていく服探そう♪」



「うん。」



――同窓会当日



「美優!」



「愛!愛可愛い!似合ってる~」



「美優も可愛いよ!」



レストランで貸切で同窓会ということで二人ともおしゃれをしていた。



大学の時は二人ともいつもジーンズ姿だからこういう格好はみたことがなかった。



「じゃあ入ろうか。」



「うん♪」



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