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第八十九話 私が本気で皇帝になりたいとでも思ってるの?
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凍り付いたようなラウルの顔を見て、リリアは笑う。
「嘘がつけないのって、損ね」
ラウルは観念して息を吐く。
「どうして分かったのですか?」
「理由を説明する前に言っておくけど、シャーレットを責めないでね」
「そんなことしません」
ラウルはむっとしたように言うので、リリアは少しおかしくなってまた笑った。
「シャーレットがね、魔法と神聖力の違いについて聞いてきたのよ。私もはっきりとした定義は知らなかったから、皇宮図書館で調べてみたんだけど。すでにある力を使う神聖力とは違って、魔法は契約と代償なのよね。そこであなたのことを思い出したの。魔女と契約したのなら、神聖力が効かない理由に説明がつくなって」
「…………」
「おかしいと思ってたのよね。理論的には、あなたの目は神聖力で治るはずなのに。どうやっても治らなかったから。精神的なものが原因かと思ったけど、そうでもないし。でも、自分から望んで手放したものなら、治るはずがないわ」
「すみません…」
「あなたが自分のために魔女と契約をすることは考えられない。ランベルトとマリーゼは殺された。だとすれば、カイルを守るために契約したんでしょう?契約を取り消すにも代償が必要。他人の契約を取り消すことが可能かどうかは分からなかったけど、可能なら、カイルを殺すという契約をあなたが代償を払って取り消すことができる。そういうことだったんじゃないの?」
「………」
「そして、契約を取り消したことが知られれば、再びカイルの命が狙われる可能性がある。だから死んだことにして隠したんでしょう?」
ラウルは何も答えなかったが、この場合、答えないということは、そうだと言っているのと同じだった。
「責めてるわけじゃない。私だって、同じ場面に遭遇したら、あなたと同じ選択をするかもしれないから…」
重い空気が流れた。
魔女はこの世界では忌み嫌われる存在であり、人間とは相容れない存在だ。
魔女は気まぐれで、契約したことだけではなく、『呪い』と称して人を殺したり傷つけることもある。
そんな魔女と契約するということには、法的な問題はなくても倫理的な問題はあった。
「シャーレットはこのことを知ってるの?」
「いえ、まだ言ってません。今のところ、知っているのはディルクだけです。先日、彼と再会したときに言いました。もう彼に嘘は尽きたくなかったので」
「シャーレットにもちゃんと言いなさいよ。あの子、あなたの呪いを解きたくて、必死に情報を集めている。魔女との契約なら、呪いでもないからあなたの目が見えることはない。そのことを、ちゃんと伝えてあげないと可哀想よ」
「分かりました」
「魔女との契約の代償が、目だけで済んでいればいいけど…そこは大丈夫なの?」
「それが分からないので、私には資格がないと申し上げました。あえて私が生かされた理由も、未だ分かりません。それも資格がない理由です」
「皇位を拒否し続けていたのも、それが理由だったのね?」
「はい」
魔女との契約には謎が多く、契約したいからできるというものでもないらしい。
そのため、それほど多くの事例をリリアも知っているわけではない。
ただ、リリアの知る事例では、魔女と人間の契約は人間側の私利私欲を満たすためのことが多い。
ラウルの兄夫妻が殺されたのも、何者かが私利私欲のために魔女と契約したためだろう。
そして一緒に殺されるはずだったカイルは、ラウルが魔女と契約したことによって命を救われた。
ラウルは目という代償を支払った。
それが5年前の真実の一つだ。
残る問題は、ラウル自身も言っていたが、なぜ彼が生かされたのかということ。
(ラウルが皇位につくことによって、利を得る者がいるのかも…ラウルもそれを疑っていたから、皇位をかたくなに拒み続けていたのかもしれない…)
リリアはふとそんなことを感じた。
「魔女と契約したからといって、罰せられる法律もないわ。それに私が側にいれば、魔女もあなたに近づけない。万が一何かがあっても魔法と対局の神聖力なら対応できる。だから、さっきの3つの条件は変更しない」
「しかし、倫理的な問題はあります。私が皇軍をまとめることになったとして、魔女と契約したことが知られれば、結局…」
「その問題は私が全て責任を持つわ。あなたは何も心配しなくていい。この件に関して、あなた以外に適任者はいない。諦めて」
「諦めてと言われても…」
「私は今、あなたにどんな酷いことを言っているのか自覚してる。でも、考え直す気はないから」
「…少し考えさせてください」
「この期に及んで答えを選べるとでも思ってるの?」
リリアの問いかけに、ラウルは不機嫌になって黙り込んだ。
不機嫌になると、口を閉ざしてしまうのは昔から変わらない。
「それと、シャーレットには私の侍女になってもらう」
「は……?」
「あからさまに嫌そうな顔はやめなさい。別にあなたからシャーレットを取り上げるつもりはないから。本気で侍女として働かせようとは思ってないし。名目だけ侍女になるということ。理由は分かりるでしょ?」
「それは、私がさっきの3つの条件を全て飲むのが前提ですよね?」
「そうね」
「だったら、シャーレットさんの意思を無視して勝手に決めないでください」
ラウルがは不快な感情を隠すことなくあらわにした。
「分かった。侍女の件はシャーレットと相談して決める。それでいい?」
「はい、お願いします」
どうやらラウルは、自分のことについては観念したようだとリリアは感じた。
「代々の皇帝の血が流れる私たちには、国や民を守る義務がある。それは分かるでしょう?」
「分かりたくもないです。その血のために、どれだけ人が死んだと思ってるんですか」
「それでも、そこから逃げることはできないのよ」
「もうたくさんです。これまでも国のために尽くしてきました。皇女が私に押しつけようとしている義務は、私を一生鎖に繋ぐのと同じことです」
「別に私が繋がなくても、結局そういうことになる。それが私たちの宿命だから」
「一緒にしないでください。私と皇女とでは立場が違う」
「そう、違う。私は憲法を変えなければ皇帝になれない。あなたはすぐにでも皇太子になれるのに、その義務から目をそらし続けている」
「もうやめてください…皇帝になりたいならなればいいでしょう。私やシャーレットさんを巻き込まないでください」
「私が本気で皇帝になりたいとでも思ってるの?」
リリアの言葉の少し悲しげな響きに気づき、ラウルは自分が少し感情的になりすぎてきたと気づいた。
「申し訳ありません。言葉が過ぎました」
「いいのよ。あなたの気持ちはよく分かる。私の気持ちでもあるから」
「嘘がつけないのって、損ね」
ラウルは観念して息を吐く。
「どうして分かったのですか?」
「理由を説明する前に言っておくけど、シャーレットを責めないでね」
「そんなことしません」
ラウルはむっとしたように言うので、リリアは少しおかしくなってまた笑った。
「シャーレットがね、魔法と神聖力の違いについて聞いてきたのよ。私もはっきりとした定義は知らなかったから、皇宮図書館で調べてみたんだけど。すでにある力を使う神聖力とは違って、魔法は契約と代償なのよね。そこであなたのことを思い出したの。魔女と契約したのなら、神聖力が効かない理由に説明がつくなって」
「…………」
「おかしいと思ってたのよね。理論的には、あなたの目は神聖力で治るはずなのに。どうやっても治らなかったから。精神的なものが原因かと思ったけど、そうでもないし。でも、自分から望んで手放したものなら、治るはずがないわ」
「すみません…」
「あなたが自分のために魔女と契約をすることは考えられない。ランベルトとマリーゼは殺された。だとすれば、カイルを守るために契約したんでしょう?契約を取り消すにも代償が必要。他人の契約を取り消すことが可能かどうかは分からなかったけど、可能なら、カイルを殺すという契約をあなたが代償を払って取り消すことができる。そういうことだったんじゃないの?」
「………」
「そして、契約を取り消したことが知られれば、再びカイルの命が狙われる可能性がある。だから死んだことにして隠したんでしょう?」
ラウルは何も答えなかったが、この場合、答えないということは、そうだと言っているのと同じだった。
「責めてるわけじゃない。私だって、同じ場面に遭遇したら、あなたと同じ選択をするかもしれないから…」
重い空気が流れた。
魔女はこの世界では忌み嫌われる存在であり、人間とは相容れない存在だ。
魔女は気まぐれで、契約したことだけではなく、『呪い』と称して人を殺したり傷つけることもある。
そんな魔女と契約するということには、法的な問題はなくても倫理的な問題はあった。
「シャーレットはこのことを知ってるの?」
「いえ、まだ言ってません。今のところ、知っているのはディルクだけです。先日、彼と再会したときに言いました。もう彼に嘘は尽きたくなかったので」
「シャーレットにもちゃんと言いなさいよ。あの子、あなたの呪いを解きたくて、必死に情報を集めている。魔女との契約なら、呪いでもないからあなたの目が見えることはない。そのことを、ちゃんと伝えてあげないと可哀想よ」
「分かりました」
「魔女との契約の代償が、目だけで済んでいればいいけど…そこは大丈夫なの?」
「それが分からないので、私には資格がないと申し上げました。あえて私が生かされた理由も、未だ分かりません。それも資格がない理由です」
「皇位を拒否し続けていたのも、それが理由だったのね?」
「はい」
魔女との契約には謎が多く、契約したいからできるというものでもないらしい。
そのため、それほど多くの事例をリリアも知っているわけではない。
ただ、リリアの知る事例では、魔女と人間の契約は人間側の私利私欲を満たすためのことが多い。
ラウルの兄夫妻が殺されたのも、何者かが私利私欲のために魔女と契約したためだろう。
そして一緒に殺されるはずだったカイルは、ラウルが魔女と契約したことによって命を救われた。
ラウルは目という代償を支払った。
それが5年前の真実の一つだ。
残る問題は、ラウル自身も言っていたが、なぜ彼が生かされたのかということ。
(ラウルが皇位につくことによって、利を得る者がいるのかも…ラウルもそれを疑っていたから、皇位をかたくなに拒み続けていたのかもしれない…)
リリアはふとそんなことを感じた。
「魔女と契約したからといって、罰せられる法律もないわ。それに私が側にいれば、魔女もあなたに近づけない。万が一何かがあっても魔法と対局の神聖力なら対応できる。だから、さっきの3つの条件は変更しない」
「しかし、倫理的な問題はあります。私が皇軍をまとめることになったとして、魔女と契約したことが知られれば、結局…」
「その問題は私が全て責任を持つわ。あなたは何も心配しなくていい。この件に関して、あなた以外に適任者はいない。諦めて」
「諦めてと言われても…」
「私は今、あなたにどんな酷いことを言っているのか自覚してる。でも、考え直す気はないから」
「…少し考えさせてください」
「この期に及んで答えを選べるとでも思ってるの?」
リリアの問いかけに、ラウルは不機嫌になって黙り込んだ。
不機嫌になると、口を閉ざしてしまうのは昔から変わらない。
「それと、シャーレットには私の侍女になってもらう」
「は……?」
「あからさまに嫌そうな顔はやめなさい。別にあなたからシャーレットを取り上げるつもりはないから。本気で侍女として働かせようとは思ってないし。名目だけ侍女になるということ。理由は分かりるでしょ?」
「それは、私がさっきの3つの条件を全て飲むのが前提ですよね?」
「そうね」
「だったら、シャーレットさんの意思を無視して勝手に決めないでください」
ラウルがは不快な感情を隠すことなくあらわにした。
「分かった。侍女の件はシャーレットと相談して決める。それでいい?」
「はい、お願いします」
どうやらラウルは、自分のことについては観念したようだとリリアは感じた。
「代々の皇帝の血が流れる私たちには、国や民を守る義務がある。それは分かるでしょう?」
「分かりたくもないです。その血のために、どれだけ人が死んだと思ってるんですか」
「それでも、そこから逃げることはできないのよ」
「もうたくさんです。これまでも国のために尽くしてきました。皇女が私に押しつけようとしている義務は、私を一生鎖に繋ぐのと同じことです」
「別に私が繋がなくても、結局そういうことになる。それが私たちの宿命だから」
「一緒にしないでください。私と皇女とでは立場が違う」
「そう、違う。私は憲法を変えなければ皇帝になれない。あなたはすぐにでも皇太子になれるのに、その義務から目をそらし続けている」
「もうやめてください…皇帝になりたいならなればいいでしょう。私やシャーレットさんを巻き込まないでください」
「私が本気で皇帝になりたいとでも思ってるの?」
リリアの言葉の少し悲しげな響きに気づき、ラウルは自分が少し感情的になりすぎてきたと気づいた。
「申し訳ありません。言葉が過ぎました」
「いいのよ。あなたの気持ちはよく分かる。私の気持ちでもあるから」
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