聖なる王女はベッドの上で帝国を救う

梵天丸

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第四十三話 魂の盾と夜の誓い、そして忍び寄る影

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軍事会議での一件は、レティシアの「魂の盾」としての力が、ハルディンの強力な精神攻撃に対して有効であることを証明した。
それはクリストフにとって、そして帝国の未来にとっても、計り知れないほどの希望の光だった。
物理的な攻撃を防ぐ魔法の結界とは異なり、それはもっと繊細で、目に見えない精神的な領域、魂の最も深い部分に直接作用する聖なる力。
古文書に記されていた通り、レティシア自身の穢れを知らない清らかな魂と、クリストフへの深く揺るぎない愛情、そして互いへの絶対的な信頼といった「魂の繋がり」を通じて発揮され、彼の精神を悪意ある干渉から守護し、内なる闇の影響を和らげる聖なる盾。

レティシアは、その力を実践の中で経験し、深く理解し始めていた。
重要なのは、単なる力の強大さよりも、クリストフとの間に育まれた絆の深さと、その純粋さなのかもしれない。
二人の心が真に深く結びつき、共鳴していればいるほど、その魂の盾はより強固に、難攻不落になるのだ。

その理解に基づき、レティシアはクリストフとの日々の接し方を、より意識的に、そして心を込めて行うようになった。
彼の公務を支え、身の回りの世話をするだけでなく、彼が何を感じ、何を考え、言葉にできないどのような苦悩を抱えているのか、その心の奥底にある声に深く耳を傾け、彼の喜びも、そして人には見せない苦悩も、全てを自分のことのように分かち合い、受け止めようと努めた。
彼の好きな音楽を奏で、彼の心を和ませるような穏やかな話題を選び、時には執務室の隣でただ静かに本を読み、彼の存在を感じている。
そして、ふとした瞬間に彼の手に自分の手を重ねる。そんなささやかな、しかし温かい日常の積み重ねの一つ一つが、二人の魂の共鳴をさらに深く、強くしていくのだと信じて。

そして、夜の帳が下り、二人きりになる寝室での時間は、彼らにとってさらに特別で、神聖な意味を持つようになった。
それはもはや、神託を実践するための義務的な儀式では全くなく、ハルディンという脅威を抑えるという目的さえも超えて、互いの魂を最も深く、最も親密に繋げ、彼の傷つき疲弊した精神を内側から聖なる光で満たし、浄化し、そして互いの愛を確認し合うための、情熱的で愛に満ちた神聖な誓いの時間となっていた。

柔らかなランプの灯りだけが照らす寝室で、レティシアは神託に従い、優しく、しかし確かな意志を持ってクリストフの上に身を重ねる。

「んっ、ふぅ……っ…」

彼女の絹のような髪が彼の胸にかかり、甘い花の香りが漂う。

「クリストフ…さまっ…」

彼女が主導し、彼女の清らかな聖なる波動が、クリストフの時に衝動的になりがちな魂を、まるで月光が荒れた海を照らすように、穏やかに包み込む。

「レティシア…」

行為が進む中で、クリストフの魂は確かに癒され、浄化され、精神的な抵抗力、すなわち闇に対する魂の免疫力のようなものが着実に高まっていくのを、二人ともはっきりと実感していた。
レティシアは、クリストフの中に自身の聖なる光が熱い奔流となって流れ込み、彼の闇を溶かしていくのを感じ、クリストフは、レティシアの清らかな光によって内なる闇が押しやられ、魂が本来の輝きと力を取り戻していくのを感じていた。

「ん、ぁんっ…っ…クリストフ様…」

レティシアの吐息のような声が、クリストフの名を呼ぶ。
彼女の瞳は潤み、熱っぽく彼を見つめている。その眼差しだけで、クリストフの全身の血が沸騰するような感覚に襲われる。

「レティシア…愛しています…」

彼はレティシアのうなじに手を添え、引き寄せて深く口づけた。
互いの唇が貪るように重なり、舌が熱く絡み合う。レティシアから伝わる聖なる力と、彼女自身の女性としての甘美な熱が、クリストフの中で混ざり合い、抗いがたい陶酔へと彼を誘う。

レティシアは自ら寝間着の紐を解き、豊かな乳房を彼の硬い胸に押し当てた。
柔らかな膨らみが潰れ、彼の肌の熱を感じる。クリストフの手が、彼女の滑らかな背中を、腰のくびれを、そして丸みを帯びた臀部を、確かめるように、しかし大胆に撫で上げる。

「んっ…ぁ…んんっ」

レティシアの体から、甘い嬌声が漏れる。
彼女の手もまた、彼の鍛え上げられた肉体を求め、彷徨う。そして、彼の中心で熱く脈打つ楔に触れた時、レティシアは愛しさと切なさを込めて、それを両手で包み込んだ。

「こんなに…熱く…硬くなって…」
「あなたが…そうさせているのですよ、レティシア…」

クリストフの掠れた声が、彼女の耳元で囁く。
レティシアは、意を決して、自身の最も柔らかな場所へと彼の猛りを受け入れる。ゆっくりと、しかし確実に、彼を迎え入れ、身を沈めていく。

「あぁっ…んん…っ…!」

内側を満たす圧倒的な存在感。
痛みはなく、ただ全身の神経が痺れるような、深く強い快感がレティシアを貫く。
クリストフもまた、彼女の内部の信じられないほどの熱さと、きつく吸い付くような締め付けに、快楽の呻きを漏らした。

「レティシア…っ…」
彼女は、クリストフの魂を光で満たすように、そして彼への愛を伝えるように、ゆっくりと、しかし深く、腰を揺らし始めた。
その動きは、神聖な儀式のようでありながら、同時に抗いがたいほど官能的だった。
クリストフは、彼女の細い腰を支え、その動きを受け止めながら、時には自らも突き上げ、二人の快楽を高めていく。
シーツが擦れる音、互いの肌が触れ合う湿った音、そして二人の吐息と喘ぎ声だけが、濃密な空気の中で響き渡る。

「あ…クリストフ様…そこ…もっと…!」

レティシアが、快感のあまり意識が朦朧としながらも、最も感じる場所をねだる。クリストフは、彼女を悦ばせたい一心で、その一点を執拗に、深く、強く突き続けた。

「んんっ…!ぁあああっ…!」

レティシアの体が大きく痙攣し、甘美な絶頂の波が彼女を襲う。
その瞬間、彼女の中から放たれた聖なる光の奔流が、クリストフの魂の奥深くまで流れ込み、彼の内なる闇を浄化していくのを、クリストフは確かに感じた。
そして彼もまた、レティシアの絶頂に応えるように、自身の全てを彼女の最奥へと注ぎ込んだ。
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