【R18】Melting Room Stories ―密室で溶け合う、僕らの本能―

くすのき紬

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Case.4 慎と澪 第2話:理性の限界点

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ようやく辿り着いた、都心の最寄り駅。

二時間半の「拷問」のような電車移動で、俺の理性はすでに風前の灯火だった。

「……椎野、歩けるか? ほら、住所言え。送ってやるから」

「……んん、……しんくん、……だっこ……」

「……はぁ? ふざけんな、重てーよ」

口では毒づきながらも、フラフラと線路に落ちそうな彼女の細い腰を抱き寄せる。

柔らかい身体の感触がダイレクトに伝わってきて、心臓に悪い。

だが、何度問いかけても椎野の口から住所が出ることはなかった。
挙句の果てには俺の胸元に顔を埋めて、すやすやと寝息を立て始める始末だ。


「……クソ。マジでどうしろってんだよ」
放置するわけにもいかず、かといって泥酔した彼女を連れて夜道を彷徨うわけにもいかない。

俺は結局、最寄り駅から徒歩五分の自分のマンションへと、椎野を連れ帰るしかなかった。


「……よっと。……ほら、着いたぞ。ここ俺の家。とりあえず寝ろ」

ベッドにそっと横たわらせ、せめて窮屈そうな上着だけでも脱がせてやろうとした……その時だ。

「……っ、……いかないで、……しんくん……」

ガシッ、と。
寝ていたはずの澪の手が、俺の首にしがみついた。

そのまま力任せに引き寄せられ、俺の視界は彼女の白い肌と、甘い酒の香りでいっぱいになる。

「……椎野、お前、……これ以上はマジで……」

「……しんくん、…なんで大学で、話しかけてくれないの?」

「……っえ?」

驚きで動きが止まった。
隠し通してきた俺の執着。

追いかけていたのは俺だけだと思っていたのに。

無防備に俺を求める瞳と、潤んだ唇。

俺の中で、数年分の理性が音を立ててぶち切れた。

「……あー、もう……。……知らないからな。明日、泣いて謝っても許さねーぞ」

俺は、自分を誘うように見つめてくる彼女に覆いかぶさり、その唇を強引に奪った。


***

柔らかな感触、甘い吐息。

彼女のブラウスのボタンに指をかけ、一気に熱が昇りつめた――その時。

「……ぁ、……ふぅ、……すぅ……」

「……は?」
……寝た。

あんなに熱っぽく俺を求めておいて、俺の腕の中で、あどけない顔でスヤスヤと寝息を立てている。

「…………っ、……ふざけんなよ……っ!」

俺は天井を仰ぎ、大きく息を吐き出した。
ここで手を出したら、本当にただのクズだ。

「……結局、真面目すぎるんだよな..お前も……俺も」

はち切れそうな下半身の熱を冷ますように、俺は彼女に乱暴に毛布をかけ、逃げるようにリビングのソファへ向かった。

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