30 / 59
大切な人との時間
第30話
しおりを挟む
「ナミ、これだけは言っておく。お前を幸せにできるのは俺しかいねぇよ。待っててくれ」
マサはそのとき、ナミにしたように彼女を抱きしめた。
「マサ・・・さん?」
そして離してからナミを見つめると、
「そしたら君はこう言ったんだ。『何を言ってるの?待ってないわよ!幸せになるんだから!あなたと違う人と幸せになるんだから!』って」
「・・・・・・!?」
「そして俺はこう言った」
その後、もう一度ナミを抱きしめたマサは、
「俺がナミにプロポーズしてるのがわからないのかよっ!」
「えっ・・・・」
ナミは、少し戸惑っていたが、抱きしめるては離さないでいた。
彼の声を聞きたかったからだ。
「俺が帰ってくるまで待ってろよ!ナミ!」
その言葉を待っていたかのように・・・・
「・・・・・マサ・・・・」
と、ナミは言った。
「えっ?今、マサって言ったか?思い出せたのか?」
「うん、温かいマサだ。あの時とおなじ温かいマサがここにいる」
ナミは、マサを抱きしめ返した。
「なんだよ、それ!!」
「生きてるマサ・・・・。生きていたんだね」
「・・・ばぁーか。そう簡単に死ぬわけねぇだろ!!」
ナミの頭を撫でるとふたりはもう一度抱き合った!!
「あれ?ラブラブになってる!!」
と、ケン。
「どうやら記憶を取り戻せたみたいですね」と、ヒロ。
「すごいね!!やったぁ」
「愛の力ってやつか」
「・・・・そうなんだ・・・」
ヨシが戻ってきたことに気がついたゴウは、
「ヨシさんもあの女王様といい仲だもんな!」
「いや、だからレイナとはそんな仲ではない」
「ふーん?でも、呼び捨てで名前呼んでるし?さっき、レイナさんに会ってすごく嬉しそうに見えたけど?」
ジュンが茶化した。
「なんだ、会ったんじゃん」
「なっ!?ジュン、君は見ていたのか?」
焦るヨシ。
「うん、見ていたというか偶然見たって言うか(笑)」
「うっそ!俺も見たかったぁ」
と、ゴウ。
「なんか満更でもなさそうだった」
「気のせいだろ?」
ヨシはなぜか恥ずかしくなりそっぽを向いた。
「なんかかわいい」
そう思ったのは、ゴウとジュンだった。
そして、
「もう、行ってしまうのね、マサ。」
「せっかく会えたに残念だね」
というケン。
「思い出せてよかった」
「俺は・・・・」
「思い出さない方がよかった?」
「そういうわけじゃないけど」
「シュウ、私を守って命を落としたのよね?まさか、傷ついたのがシュウの方だったなんて・・・・」
「・・・・わかるのか?言わないでおこうと思っていたが・・・」
「たぶん、私を傷つけないようにわざと記憶を消したのかも・・・・。聞こえたの・・・。彼の心の声が・・・」
「そうか。シュウはナミを守ろうとして・・・・」
「シュウはいつも言ってくれてた。寂しい時は俺がマサの代わりになるからなって。そう言っていてくれたから私もこうして生きてる・・・」
「そうか。ごめんな、ナミ。寂しい思いをさせてごめん」
「マサ迄居なくなったらわたし・・・・」
「俺は大丈夫」
「そんなのわからないじゃない!!」
「ナミのお守りが聞いている間は大丈夫」
「・・・・バカっ!」
ナミとマサが、最後に抱き合う姿を5人は黙って見ていた。
これから先は長い旅路になるって覚悟を始めていたからだった。
「いいなぁ・・・・僕も会いに行きたいな。今しか会えない気がする」
ケンはポツリと呟いたその声をヒロは聞いていて、
「では会ってきますか?」
と、ケンの方を向いた。
「えっ?」
「だって今会いたいって言いませんでした?」
「あっ、でも・・・名残惜しくなっちゃうし、やっぱり遠慮しようかな💦」
「ったくどっちだよ」
「ねぇ、ゴウはちゃんと思いを告げれたの?」
「えっ?俺の話?」
「兄さんは意地っ張りだもんなぁ」
と、話を聞いていたのはジュン。
「ジュン、余計なこと言うなよ?」
「今ちゃんと言わないと後悔するんじゃないんですか?」
「やっぱりそう思う?」
「サヨナラじゃなくて、ちゃんと《行ってきます》って言いたいなって思ってる」
「じゃあ、決定!」
と、ヒロ。
「決定って、何が?」
「みなさんそれぞれ今1番会いたい人に会ってくること!
そしてその人に《行ってきます》を言ってくること!後悔しない旅にするためにね!どう?賛成?反対?
特にヨシさん!どう思います?」
急に自分に振られ、
「えっ?僕?」
戸惑いしか感じない。
「ヨシさんにはまだ、恋人と呼べる人はいないけど・・・・あっでも、会いたい人はいるんだろ?」
と、ゴウに言い寄られる。
近いんだけど・・・・。
「いや・・・・別に」
と誤魔化す。
「ったくこんな時に嘘つくなよ」
「う、嘘なんかついていない!」
「ミュウ!」
「ほら、ミュウが言ってるぞ?」
「・・・・別にまだそこまでは・・・・」
「やっぱり、照れてる。素直に言えばいいじゃん」
「な、なんの事だよ」
「こら、ゴウ!あんまり茶化すなよ。ヨシさん困ってるじゃん」
マサが会話に入ってきて
「それにお前も人のこと言えないだろ?」
と、またくしゃくしゃと頭を撫でる。
「それやめろよ!痛いんだからー」
「お前もまだ子供だな」
「だって、あんまり長いこと会ってたら離れたくなくなるだろ?」
「・・・・・・」
「時なはさ、突き放すことも大切じゃん?」
「突き放す・・・・ね」
「時々でいいから、会えればいい。遠くから見て元気で生きていてくれればいい。必ず幸せに暮らせる時が来る。これ、俺の親が生きていた時にいつも言ってた言葉だ。だから俺もそうしようと思ってる」
「そうだな。その通りだ」
「まぁ?親がいなくなった俺にはそれを次の誰かに伝えていくしかないからさ。あっ、これ初めて話した話だわ。恥ずかしっ!」
「・・・・・・」
ゴウが見せた初めて見る悲しいひとみだった。
それをヨシは黙って見ていた。
ゴウの気持ちが痛いほどこの時になって初めて伝わってきたからだった。
「彼にもあんな表情する時があるんだな」
いつも明るく強いと思っていたゴウは弱さをみんなに見せなかったからだ。
マサはそのとき、ナミにしたように彼女を抱きしめた。
「マサ・・・さん?」
そして離してからナミを見つめると、
「そしたら君はこう言ったんだ。『何を言ってるの?待ってないわよ!幸せになるんだから!あなたと違う人と幸せになるんだから!』って」
「・・・・・・!?」
「そして俺はこう言った」
その後、もう一度ナミを抱きしめたマサは、
「俺がナミにプロポーズしてるのがわからないのかよっ!」
「えっ・・・・」
ナミは、少し戸惑っていたが、抱きしめるては離さないでいた。
彼の声を聞きたかったからだ。
「俺が帰ってくるまで待ってろよ!ナミ!」
その言葉を待っていたかのように・・・・
「・・・・・マサ・・・・」
と、ナミは言った。
「えっ?今、マサって言ったか?思い出せたのか?」
「うん、温かいマサだ。あの時とおなじ温かいマサがここにいる」
ナミは、マサを抱きしめ返した。
「なんだよ、それ!!」
「生きてるマサ・・・・。生きていたんだね」
「・・・ばぁーか。そう簡単に死ぬわけねぇだろ!!」
ナミの頭を撫でるとふたりはもう一度抱き合った!!
「あれ?ラブラブになってる!!」
と、ケン。
「どうやら記憶を取り戻せたみたいですね」と、ヒロ。
「すごいね!!やったぁ」
「愛の力ってやつか」
「・・・・そうなんだ・・・」
ヨシが戻ってきたことに気がついたゴウは、
「ヨシさんもあの女王様といい仲だもんな!」
「いや、だからレイナとはそんな仲ではない」
「ふーん?でも、呼び捨てで名前呼んでるし?さっき、レイナさんに会ってすごく嬉しそうに見えたけど?」
ジュンが茶化した。
「なんだ、会ったんじゃん」
「なっ!?ジュン、君は見ていたのか?」
焦るヨシ。
「うん、見ていたというか偶然見たって言うか(笑)」
「うっそ!俺も見たかったぁ」
と、ゴウ。
「なんか満更でもなさそうだった」
「気のせいだろ?」
ヨシはなぜか恥ずかしくなりそっぽを向いた。
「なんかかわいい」
そう思ったのは、ゴウとジュンだった。
そして、
「もう、行ってしまうのね、マサ。」
「せっかく会えたに残念だね」
というケン。
「思い出せてよかった」
「俺は・・・・」
「思い出さない方がよかった?」
「そういうわけじゃないけど」
「シュウ、私を守って命を落としたのよね?まさか、傷ついたのがシュウの方だったなんて・・・・」
「・・・・わかるのか?言わないでおこうと思っていたが・・・」
「たぶん、私を傷つけないようにわざと記憶を消したのかも・・・・。聞こえたの・・・。彼の心の声が・・・」
「そうか。シュウはナミを守ろうとして・・・・」
「シュウはいつも言ってくれてた。寂しい時は俺がマサの代わりになるからなって。そう言っていてくれたから私もこうして生きてる・・・」
「そうか。ごめんな、ナミ。寂しい思いをさせてごめん」
「マサ迄居なくなったらわたし・・・・」
「俺は大丈夫」
「そんなのわからないじゃない!!」
「ナミのお守りが聞いている間は大丈夫」
「・・・・バカっ!」
ナミとマサが、最後に抱き合う姿を5人は黙って見ていた。
これから先は長い旅路になるって覚悟を始めていたからだった。
「いいなぁ・・・・僕も会いに行きたいな。今しか会えない気がする」
ケンはポツリと呟いたその声をヒロは聞いていて、
「では会ってきますか?」
と、ケンの方を向いた。
「えっ?」
「だって今会いたいって言いませんでした?」
「あっ、でも・・・名残惜しくなっちゃうし、やっぱり遠慮しようかな💦」
「ったくどっちだよ」
「ねぇ、ゴウはちゃんと思いを告げれたの?」
「えっ?俺の話?」
「兄さんは意地っ張りだもんなぁ」
と、話を聞いていたのはジュン。
「ジュン、余計なこと言うなよ?」
「今ちゃんと言わないと後悔するんじゃないんですか?」
「やっぱりそう思う?」
「サヨナラじゃなくて、ちゃんと《行ってきます》って言いたいなって思ってる」
「じゃあ、決定!」
と、ヒロ。
「決定って、何が?」
「みなさんそれぞれ今1番会いたい人に会ってくること!
そしてその人に《行ってきます》を言ってくること!後悔しない旅にするためにね!どう?賛成?反対?
特にヨシさん!どう思います?」
急に自分に振られ、
「えっ?僕?」
戸惑いしか感じない。
「ヨシさんにはまだ、恋人と呼べる人はいないけど・・・・あっでも、会いたい人はいるんだろ?」
と、ゴウに言い寄られる。
近いんだけど・・・・。
「いや・・・・別に」
と誤魔化す。
「ったくこんな時に嘘つくなよ」
「う、嘘なんかついていない!」
「ミュウ!」
「ほら、ミュウが言ってるぞ?」
「・・・・別にまだそこまでは・・・・」
「やっぱり、照れてる。素直に言えばいいじゃん」
「な、なんの事だよ」
「こら、ゴウ!あんまり茶化すなよ。ヨシさん困ってるじゃん」
マサが会話に入ってきて
「それにお前も人のこと言えないだろ?」
と、またくしゃくしゃと頭を撫でる。
「それやめろよ!痛いんだからー」
「お前もまだ子供だな」
「だって、あんまり長いこと会ってたら離れたくなくなるだろ?」
「・・・・・・」
「時なはさ、突き放すことも大切じゃん?」
「突き放す・・・・ね」
「時々でいいから、会えればいい。遠くから見て元気で生きていてくれればいい。必ず幸せに暮らせる時が来る。これ、俺の親が生きていた時にいつも言ってた言葉だ。だから俺もそうしようと思ってる」
「そうだな。その通りだ」
「まぁ?親がいなくなった俺にはそれを次の誰かに伝えていくしかないからさ。あっ、これ初めて話した話だわ。恥ずかしっ!」
「・・・・・・」
ゴウが見せた初めて見る悲しいひとみだった。
それをヨシは黙って見ていた。
ゴウの気持ちが痛いほどこの時になって初めて伝わってきたからだった。
「彼にもあんな表情する時があるんだな」
いつも明るく強いと思っていたゴウは弱さをみんなに見せなかったからだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる