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悪の女幹部2
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声をかけてきたのは、不良っぽい集団の中にいる一人の少女です。
集団の一番前にいるので、彼女がトップなのかも知れません。
「ちょっと、聞きたいことがあるんだけどいいか?」
彼女が私に尋ねてきました。
私はそれに答えます。
「よくありません」
彼女達が不良だと決めつけるつもりはありません。
普段、道を聞かれたら、答えるくらいはするつもりです。
けれど、今は朝の通学の時間帯です。
つまり、時間の余裕はないのです。
走らないと間に合わないほどではありませんが、立ち話をしていたら授業に遅れてしまいます。
「授業に遅れたくないので、失礼します」
一言断ってから、私は校舎へ向かいます。
尋ねてきた少女は私の返事を聞いてポカンとした表情をしていましたが、私が横を通り抜けようとするタイミングで反応しました。
「待て待て!時間は取らせないから!」
肩を掴んで、私を強引に立ち止まらせます。
痛くはないですが、見ず知らずの人から肩を掴まれるという状況に、私はムッとします。
もしかして、この人は乱暴者なのでしょうか。
たとえ無自覚だとしても、この人の暴力なのだとしたら、魔女っ子としてお仕置きしなければなりません。
とはいえ、まだ暴力というほどではありません。
私は注意深く彼女を観察することにしました。
「……手短にお願いします。入学してから無遅刻無欠席なんです」
「お、おう」
私は彼女と真正面から向き合います。
私に真正面から見つめられて、少し気圧されたようにしながら、彼女が話し始めました。
「あたしには弟がいるんだが――」
「あなたの家族構成には興味ありません。手短にお願いします」
「そ、そうだな」
悪い人ではないようですが、空気は読めない人のようです。
手短にして欲しいとお願いしているのに、すぐに脱線します。
そう思っていたら、彼女の後ろにいた人達が騒ぎ出しました。
「おまえ! イブさんが質問してやっているのに、その態度はなんだ!」
「黙って訊かれたことに答えればいいんだよ!」
睨みつけるように、私に向かって怒鳴ってきます。
怖がらせようとしているようですが、言っていることの頭が悪すぎて、まったく怖くありません。
『黙って』という行為は口を閉じないとできません。
『答える』という行為は口を開けないとできません。
同時におこなうことができないことを要求していくるとは、頭が悪すぎます。
「ふっ」
「てめえ!」
「こっちが大人しくしていれば、図に乗りやがって!」
堪えきれず、鼻で笑ってしまうと、怒鳴って来た人達が激昂します。
頭が悪い上に怒りやすいとは、典型的な不良です。
魔女っ子の出番でしょうか。
けれど、先に私と話していた彼女の方が反応します。
「おい、やめろ! あたしが話しているんだから、しゃしゃり出てくるな!」
彼女の一喝で、不良達が一斉に黙ります。
なかなか統率が取れているようです。
彼女はいわゆる女番長というやつなのでしょう。
たしか、取り巻きの不良達がイブと呼んでいました。
それが彼女の名前なのでしょう。
女番長なのに可愛らしい名前です。
「イブさん。質問があるなら、早くしてください。そろそろ時間がギリギリです」
「そうだな。あと、イブって呼ぶな。そう呼ばれるのは嫌いなんだ。私の名前はイブキだ」
私が名前を呼んで話しかけると、彼女はイブさんと呼ばれるのは嫌だと言ってきます。
でも、おかしいです。
さっき、取り巻きの不良がイブさんと呼んでいました。
私はイブさんと呼んだ不良に視線を向けます。
「え、でも……」
「さっきイブって呼んだヤツはシメておく」
「ええ!? イブさん、そんな!?」
「それ以上言うと、ぶっ殺すぞ!」
どうやら、本当に嫌なようです。
顔を真っ赤にして怒っています。
可愛らしい呼び方なのに、もったいないです。
でも、人が嫌がることをやるのは、よくないことです。
残念ですが、他の呼び方をすることにします。
「それで、女番長さん。質問はなんですか?」
「女番長って……ま、まあ、いい。訊きたいことは一つだ。この学校におかしな服を着た人間がいるだろう。そいつに会いに来た。どこにいる?」
女番長さんが、ようやく質問内容を口にします。
私はその質問内容を、頭の中でじっくり考えます。
そして、答えを返します。
「そんな人いません」
価値観は人それぞれです。
でも、『おかしな服』を着た人間なんて、この学校にはいないと思います。
だって、そんな服で登校したら、先生達に止められてしまいます。
だから、私はそう答えました。
集団の一番前にいるので、彼女がトップなのかも知れません。
「ちょっと、聞きたいことがあるんだけどいいか?」
彼女が私に尋ねてきました。
私はそれに答えます。
「よくありません」
彼女達が不良だと決めつけるつもりはありません。
普段、道を聞かれたら、答えるくらいはするつもりです。
けれど、今は朝の通学の時間帯です。
つまり、時間の余裕はないのです。
走らないと間に合わないほどではありませんが、立ち話をしていたら授業に遅れてしまいます。
「授業に遅れたくないので、失礼します」
一言断ってから、私は校舎へ向かいます。
尋ねてきた少女は私の返事を聞いてポカンとした表情をしていましたが、私が横を通り抜けようとするタイミングで反応しました。
「待て待て!時間は取らせないから!」
肩を掴んで、私を強引に立ち止まらせます。
痛くはないですが、見ず知らずの人から肩を掴まれるという状況に、私はムッとします。
もしかして、この人は乱暴者なのでしょうか。
たとえ無自覚だとしても、この人の暴力なのだとしたら、魔女っ子としてお仕置きしなければなりません。
とはいえ、まだ暴力というほどではありません。
私は注意深く彼女を観察することにしました。
「……手短にお願いします。入学してから無遅刻無欠席なんです」
「お、おう」
私は彼女と真正面から向き合います。
私に真正面から見つめられて、少し気圧されたようにしながら、彼女が話し始めました。
「あたしには弟がいるんだが――」
「あなたの家族構成には興味ありません。手短にお願いします」
「そ、そうだな」
悪い人ではないようですが、空気は読めない人のようです。
手短にして欲しいとお願いしているのに、すぐに脱線します。
そう思っていたら、彼女の後ろにいた人達が騒ぎ出しました。
「おまえ! イブさんが質問してやっているのに、その態度はなんだ!」
「黙って訊かれたことに答えればいいんだよ!」
睨みつけるように、私に向かって怒鳴ってきます。
怖がらせようとしているようですが、言っていることの頭が悪すぎて、まったく怖くありません。
『黙って』という行為は口を閉じないとできません。
『答える』という行為は口を開けないとできません。
同時におこなうことができないことを要求していくるとは、頭が悪すぎます。
「ふっ」
「てめえ!」
「こっちが大人しくしていれば、図に乗りやがって!」
堪えきれず、鼻で笑ってしまうと、怒鳴って来た人達が激昂します。
頭が悪い上に怒りやすいとは、典型的な不良です。
魔女っ子の出番でしょうか。
けれど、先に私と話していた彼女の方が反応します。
「おい、やめろ! あたしが話しているんだから、しゃしゃり出てくるな!」
彼女の一喝で、不良達が一斉に黙ります。
なかなか統率が取れているようです。
彼女はいわゆる女番長というやつなのでしょう。
たしか、取り巻きの不良達がイブと呼んでいました。
それが彼女の名前なのでしょう。
女番長なのに可愛らしい名前です。
「イブさん。質問があるなら、早くしてください。そろそろ時間がギリギリです」
「そうだな。あと、イブって呼ぶな。そう呼ばれるのは嫌いなんだ。私の名前はイブキだ」
私が名前を呼んで話しかけると、彼女はイブさんと呼ばれるのは嫌だと言ってきます。
でも、おかしいです。
さっき、取り巻きの不良がイブさんと呼んでいました。
私はイブさんと呼んだ不良に視線を向けます。
「え、でも……」
「さっきイブって呼んだヤツはシメておく」
「ええ!? イブさん、そんな!?」
「それ以上言うと、ぶっ殺すぞ!」
どうやら、本当に嫌なようです。
顔を真っ赤にして怒っています。
可愛らしい呼び方なのに、もったいないです。
でも、人が嫌がることをやるのは、よくないことです。
残念ですが、他の呼び方をすることにします。
「それで、女番長さん。質問はなんですか?」
「女番長って……ま、まあ、いい。訊きたいことは一つだ。この学校におかしな服を着た人間がいるだろう。そいつに会いに来た。どこにいる?」
女番長さんが、ようやく質問内容を口にします。
私はその質問内容を、頭の中でじっくり考えます。
そして、答えを返します。
「そんな人いません」
価値観は人それぞれです。
でも、『おかしな服』を着た人間なんて、この学校にはいないと思います。
だって、そんな服で登校したら、先生達に止められてしまいます。
だから、私はそう答えました。
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