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悪の女幹部6
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「学校の部活のユニフォームですからね」
捜している人物がいないと愚痴を漏らす女番長さんに、私は話しかけます。
彼女は『恥ずかしい服装』をしている人物を捜しているらしいのです。
けれど、ここは学校です。
そんな服装を着ていたら、間違いなく教師が黙っていないでしょう。
校門で会ったときは放課後に見に来ることを提案しましたが、見つかる可能性は低いと思っていました。
だから予想通りではあるのですが、提案した手前、女番長さんの話を聞くくらいはしようと思います。
「そうだよなあ」
愚痴を漏らしていた女番長さんですが、捜している人物が見つからないことは予想していたのでしょう。
溜息はついていますが、こちらに文句を言ってくることはありませんでした。
少し気の毒になってきました。
「あの、どうしてその人を捜しているんですか?」
朝は詳しい事情を聞いている時間はありませんでしたが、今はその時間があります。
こちらから尋ねてみます。
女番長さんは校庭を引き続き観察しながら返事をしてくれます。
「あたしには弟がいるんだが――」
朝もそのようなことを言っていた覚えがあります。
そのときは時間が無いので話を遮ってしまいましたが、今回は続きを聞きます。
「とっても可愛いんだ」
「はあ」
「今年、小学三年生になるんだが、まるで天使のように可愛いんだ」
「そうですか」
「お姉ちゃんと結婚するーって、あたしの後ろを追いかけてくるのが可愛くてな」
『可愛い』という単語が三連続で出てきました。
よほど可愛いのでしょう。
色々な方向から可愛い理由を教えてくれます。
正直に言うと興味はないのですが、前回話を遮ってしまったこともあるので、黙って聞きます。
「風呂で髪を洗ってやるとサラサラでな」
「へえ」
「抱き枕にすると、とってもあったかいんだ」
「ほお」
女番長さんは15分くらいかけて説明してくれました。
結果、分かったことは一つです。
女番長さんは、おそらくブラコンです。
弟さんが可愛いということを説明するのに15分かけるくらいには、ブラコンです。
放っておいたら、まだまだ続きそうですが、そろそろ相槌のバリエーションが無くなってきました。
口を挟むことにします。
「それで、その可愛い弟さんがどうしたんですか?」
私が訊くと、女番長さんの顔が少し暗くなります。
そして、その理由を話してくれました。
「弟にカレシができたんだ」
「カレシ?」
「ああ。同級生らしい」
ここで言うカレシとは、交際相手という意味でしょう。
なるほど。
ブラコンの女番長さんからすれば、面白くないに違いありません。
けれど、同級生ということは交際相手も小学生のようです。
交際に適さない悪い男という可能性は低いと思います。
悪い男だったとしても、せいぜいガキ大将といったところです。
可愛らしいものです。
弟さんが大好きとは言っても、ここは祝福してあげるところだと思います。
だから、私は言います。
「それは、おめでとうございます」
「違うだろ!」
私が祝福の言葉を贈ったというのに、女番長さんは怒った声を上げます。
弟さんに交際相手ができたことが気に入らないようです。
けれど、嫉妬で弟さんの交際を認めないのは感心しません。
「女番長さん。いくらブラコンでも、ここは祝福するところじゃないでしょうか。日本の法律では、姉弟で結婚はできないわけですし」
「あたしは、ブラコンじゃねえ! いや、そうじゃなくてだな――」
あれだけ弟さんが可愛いと連呼していてブラコンでないというのは説得力がありません。
しかし、交際に反対しているのは、どうもブラコンなのが理由ではないようです。
「『カノジョ』だったら、あたしも反対しねえよ。でもな――」
女番長さんは深呼吸するように息を大きく吸います。
そして、理由を叫びます。
「なんで『カレシ』なんだよ! おかしいだろ!」
「?」
「なんで不思議そうなんだよ! 『弟』に『カレシ』ができたんだぞ! おかしいだろ!」
「えっと……?」
「もう一度言うぞ。 『弟』に! 『カレシ』が! できたんだぞ!」
「…………?」
最初、何を問題視しているのか分かりませんでした。
私が首を傾げていると、女番長さんが問題点を詳しくしていってくれます。
それでも首を傾げていると、女番長さんが焦れたように叫びました。
「男同士っておかしいだろ!」
なるほど。
どうやら、女番長さんは、それを気にしていたようです。
捜している人物がいないと愚痴を漏らす女番長さんに、私は話しかけます。
彼女は『恥ずかしい服装』をしている人物を捜しているらしいのです。
けれど、ここは学校です。
そんな服装を着ていたら、間違いなく教師が黙っていないでしょう。
校門で会ったときは放課後に見に来ることを提案しましたが、見つかる可能性は低いと思っていました。
だから予想通りではあるのですが、提案した手前、女番長さんの話を聞くくらいはしようと思います。
「そうだよなあ」
愚痴を漏らしていた女番長さんですが、捜している人物が見つからないことは予想していたのでしょう。
溜息はついていますが、こちらに文句を言ってくることはありませんでした。
少し気の毒になってきました。
「あの、どうしてその人を捜しているんですか?」
朝は詳しい事情を聞いている時間はありませんでしたが、今はその時間があります。
こちらから尋ねてみます。
女番長さんは校庭を引き続き観察しながら返事をしてくれます。
「あたしには弟がいるんだが――」
朝もそのようなことを言っていた覚えがあります。
そのときは時間が無いので話を遮ってしまいましたが、今回は続きを聞きます。
「とっても可愛いんだ」
「はあ」
「今年、小学三年生になるんだが、まるで天使のように可愛いんだ」
「そうですか」
「お姉ちゃんと結婚するーって、あたしの後ろを追いかけてくるのが可愛くてな」
『可愛い』という単語が三連続で出てきました。
よほど可愛いのでしょう。
色々な方向から可愛い理由を教えてくれます。
正直に言うと興味はないのですが、前回話を遮ってしまったこともあるので、黙って聞きます。
「風呂で髪を洗ってやるとサラサラでな」
「へえ」
「抱き枕にすると、とってもあったかいんだ」
「ほお」
女番長さんは15分くらいかけて説明してくれました。
結果、分かったことは一つです。
女番長さんは、おそらくブラコンです。
弟さんが可愛いということを説明するのに15分かけるくらいには、ブラコンです。
放っておいたら、まだまだ続きそうですが、そろそろ相槌のバリエーションが無くなってきました。
口を挟むことにします。
「それで、その可愛い弟さんがどうしたんですか?」
私が訊くと、女番長さんの顔が少し暗くなります。
そして、その理由を話してくれました。
「弟にカレシができたんだ」
「カレシ?」
「ああ。同級生らしい」
ここで言うカレシとは、交際相手という意味でしょう。
なるほど。
ブラコンの女番長さんからすれば、面白くないに違いありません。
けれど、同級生ということは交際相手も小学生のようです。
交際に適さない悪い男という可能性は低いと思います。
悪い男だったとしても、せいぜいガキ大将といったところです。
可愛らしいものです。
弟さんが大好きとは言っても、ここは祝福してあげるところだと思います。
だから、私は言います。
「それは、おめでとうございます」
「違うだろ!」
私が祝福の言葉を贈ったというのに、女番長さんは怒った声を上げます。
弟さんに交際相手ができたことが気に入らないようです。
けれど、嫉妬で弟さんの交際を認めないのは感心しません。
「女番長さん。いくらブラコンでも、ここは祝福するところじゃないでしょうか。日本の法律では、姉弟で結婚はできないわけですし」
「あたしは、ブラコンじゃねえ! いや、そうじゃなくてだな――」
あれだけ弟さんが可愛いと連呼していてブラコンでないというのは説得力がありません。
しかし、交際に反対しているのは、どうもブラコンなのが理由ではないようです。
「『カノジョ』だったら、あたしも反対しねえよ。でもな――」
女番長さんは深呼吸するように息を大きく吸います。
そして、理由を叫びます。
「なんで『カレシ』なんだよ! おかしいだろ!」
「?」
「なんで不思議そうなんだよ! 『弟』に『カレシ』ができたんだぞ! おかしいだろ!」
「えっと……?」
「もう一度言うぞ。 『弟』に! 『カレシ』が! できたんだぞ!」
「…………?」
最初、何を問題視しているのか分かりませんでした。
私が首を傾げていると、女番長さんが問題点を詳しくしていってくれます。
それでも首を傾げていると、女番長さんが焦れたように叫びました。
「男同士っておかしいだろ!」
なるほど。
どうやら、女番長さんは、それを気にしていたようです。
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