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015.王妃の独白
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優しい男性だった。
誰にでも優しく、特に子供に対して優しかった。
子供が泣いていれば頭を撫でる。
子供がお腹を空かせていれば食べ物を与える。
子供が心細そうにしていれば側に寄り添う。
子供が震えていれば抱きしめて温める。
どのような子供に対しても、分け隔てなく優しかった。
その優しさが尽きることは無かった。
だから、私は男性と婚姻を結ぶことを決心した。
幸せだった。
男性を受け入れるのは初めてだったけど、夫は優しくしてくれた。
優しく抱きしめてくれた。
優しく口づけをしてくれた。
優しく愛撫してくれた。
優しく導いてくれた。
初めての痛みよりも、悦びが勝っていた。
心も身体も悦びに満たされていた。
だから、私は何度も夫を受け入れた。
夫と婚姻を結んでから、知ったことがあった。
婚姻を結ぶ前には、知らなかった。
夫は初めてのことが好きだった。
夫は初めてのものが好きだった。
夫は私の初めての口づけの相手であることを喜んだ。
夫は私が初めてまぐわう相手であることを喜んだ。
それが私の魅力の一つであると言われると、少し複雑だった。
でも男性が多かれ少なかれ、そういうことを喜ぶことは知っていた。
だから、夫が喜んでくれて私は嬉しかった。
子供を身籠ってから、知ったことがあった。
子供を身籠る前には、知らなかった。
夫は子供に優しかった。
夫は男の子にも女の子にも優しかった。
夫は初めてのものが好きだった。
夫は初めてではないものが嫌いだった。
子供に優しいことと、初めてのものが好きであること。
その二つは直接は関係がないことだと思っていた。
だけど、そうじゃなかった。
夫は特別な性癖があるわけではなかった。
私を妻に娶ったことからもそれは分かる。
だけど、夫は初めてのものが好きだった。
そして、子供は初めてである可能性が高かった。
だから、夫は子供に優しかった。
けれど、初めてではない子供には優しくなかった。
子供に優しいことと、初めてのものが好きであること。
初めてが好きであるから、子供に優しい。
そういうことだった。
夫はまっさらな雪の上を歩くのが好きだった。
誰も足を踏み入れていない、処女雪の上を歩くのが好きだった。
夫は初めてのことが好きだった。
夫は初めての相手になることが好きだった。
夫は初めての子供が産まれることを楽しみにしていた。
夫は初めての子供の初めての相手になることを楽しみにしていた。
私はそれを身籠っているときに知った。
私はそれを身籠る前に知らなかった。
だから、私は身籠った責任を取らなければならない。
私の子供は愛らしかった。
夫の願い通りに、私の願いに反して、とてもとても愛らしかった。
私の子供は、白い雪のような美しさだと言われた。
私の子供に、夫は優しかった。
私は子供に、美しく育って欲しくなかった。
私は子供に、みんなに愛される性格に育って欲しくなかった。
私は鏡を見て、自分の美しさを磨いた。
夫の目が常に私に向くように、自分の美しさを磨いた。
夫の目が子供に向かないように、自分の美しさを磨いた。
私の子供は歳を取るごとに美しくなっていった。
私の子供は白雪姫と呼ばれて、みんなから愛されていた。
私は子供が夫と一緒に風呂に入ることを、止められなかった。
私は子供が夫の寝室に呼ばれた日に、夫の上に跨って腰を振った。
私は子供が夫のお茶会に呼ばれた日に、古いミルクを紅茶に入れた。
私は子供を呼んで、自ら切り分けた林檎を、子供に食べさせた。
私は子供の美しさに嫉妬する醜い女だ。
私は嫉妬のあまり子供を殺そうとする愚かな女だ。
私は子供にそう思われたかった。
「あなたのことを愛しています」
それは無意識に出た言葉だった。
言うつもりのない言葉だった。
言ってはいけない言葉だった。
だけど、血を吐いている娘を見ていたら、
自然に出てしまった言葉だった。
「はい…………わかって……います」
私は泣きたくなった。
私は聞きたくなかった。
私は死にたくなった。
だけど、私は死ぬわけにはいかなかった。
私が死んだら、夫の目が娘に向かう可能性がある。
だから私は、今日も鏡を見ながら、自分の美しさを磨いている。
誰にでも優しく、特に子供に対して優しかった。
子供が泣いていれば頭を撫でる。
子供がお腹を空かせていれば食べ物を与える。
子供が心細そうにしていれば側に寄り添う。
子供が震えていれば抱きしめて温める。
どのような子供に対しても、分け隔てなく優しかった。
その優しさが尽きることは無かった。
だから、私は男性と婚姻を結ぶことを決心した。
幸せだった。
男性を受け入れるのは初めてだったけど、夫は優しくしてくれた。
優しく抱きしめてくれた。
優しく口づけをしてくれた。
優しく愛撫してくれた。
優しく導いてくれた。
初めての痛みよりも、悦びが勝っていた。
心も身体も悦びに満たされていた。
だから、私は何度も夫を受け入れた。
夫と婚姻を結んでから、知ったことがあった。
婚姻を結ぶ前には、知らなかった。
夫は初めてのことが好きだった。
夫は初めてのものが好きだった。
夫は私の初めての口づけの相手であることを喜んだ。
夫は私が初めてまぐわう相手であることを喜んだ。
それが私の魅力の一つであると言われると、少し複雑だった。
でも男性が多かれ少なかれ、そういうことを喜ぶことは知っていた。
だから、夫が喜んでくれて私は嬉しかった。
子供を身籠ってから、知ったことがあった。
子供を身籠る前には、知らなかった。
夫は子供に優しかった。
夫は男の子にも女の子にも優しかった。
夫は初めてのものが好きだった。
夫は初めてではないものが嫌いだった。
子供に優しいことと、初めてのものが好きであること。
その二つは直接は関係がないことだと思っていた。
だけど、そうじゃなかった。
夫は特別な性癖があるわけではなかった。
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だけど、夫は初めてのものが好きだった。
そして、子供は初めてである可能性が高かった。
だから、夫は子供に優しかった。
けれど、初めてではない子供には優しくなかった。
子供に優しいことと、初めてのものが好きであること。
初めてが好きであるから、子供に優しい。
そういうことだった。
夫はまっさらな雪の上を歩くのが好きだった。
誰も足を踏み入れていない、処女雪の上を歩くのが好きだった。
夫は初めてのことが好きだった。
夫は初めての相手になることが好きだった。
夫は初めての子供が産まれることを楽しみにしていた。
夫は初めての子供の初めての相手になることを楽しみにしていた。
私はそれを身籠っているときに知った。
私はそれを身籠る前に知らなかった。
だから、私は身籠った責任を取らなければならない。
私の子供は愛らしかった。
夫の願い通りに、私の願いに反して、とてもとても愛らしかった。
私の子供は、白い雪のような美しさだと言われた。
私の子供に、夫は優しかった。
私は子供に、美しく育って欲しくなかった。
私は子供に、みんなに愛される性格に育って欲しくなかった。
私は鏡を見て、自分の美しさを磨いた。
夫の目が常に私に向くように、自分の美しさを磨いた。
夫の目が子供に向かないように、自分の美しさを磨いた。
私の子供は歳を取るごとに美しくなっていった。
私の子供は白雪姫と呼ばれて、みんなから愛されていた。
私は子供が夫と一緒に風呂に入ることを、止められなかった。
私は子供が夫の寝室に呼ばれた日に、夫の上に跨って腰を振った。
私は子供が夫のお茶会に呼ばれた日に、古いミルクを紅茶に入れた。
私は子供を呼んで、自ら切り分けた林檎を、子供に食べさせた。
私は子供の美しさに嫉妬する醜い女だ。
私は嫉妬のあまり子供を殺そうとする愚かな女だ。
私は子供にそう思われたかった。
「あなたのことを愛しています」
それは無意識に出た言葉だった。
言うつもりのない言葉だった。
言ってはいけない言葉だった。
だけど、血を吐いている娘を見ていたら、
自然に出てしまった言葉だった。
「はい…………わかって……います」
私は泣きたくなった。
私は聞きたくなかった。
私は死にたくなった。
だけど、私は死ぬわけにはいかなかった。
私が死んだら、夫の目が娘に向かう可能性がある。
だから私は、今日も鏡を見ながら、自分の美しさを磨いている。
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