白雪姫は処女雪を鮮血に染める

 美しい母だった。
 常に鏡を見て、自分の美しさを保っていた。
 優しい父だった。
 自分の子供に対してだけでなく、どの子供に対しても優しかった。
 私は王女だった。
 美しい母と優しい父を両親に持つ、この国のお姫様だった。
 私は白雪姫と呼ばれた。
 白い雪のような美しさを褒めた呼び名か、白い雪のように何も知らない無知を貶した呼び名か、どちらかは知らない。
 でも私は、林檎を食べた直後に、口から溢れ出す血の理由を知っていた。

 白雪姫は誰に愛され誰を愛したのか?
 その答えが出たとき、彼女は処女雪を鮮血に染める。

※表紙イラストはRedys様に描いていただきました。
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