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第六章 世界樹の試練

アヴァロンの魔女

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 そのひとは、キャリーバックのようなケースを引いて洞窟城にやって来た。

「メイさん、初めまして。私はアヴァロンの魔女モーガンです」

 黒尽くめの服装をした、妙齢の女性がニッコリ笑っている。とんがり帽子、ワンピースにマント。ハロウィンの仮装の魔女みたい! 帽子を取ると薄紫色の巻き髪に灰色の瞳が神秘的で、年齢不詳という感じだった。30代かな、と思ったけれど、もっと年を重ねているのかもしれない。

「あなたのお世話をするように、陛下に頼まれて来たの。メイさんのお姉さんだと思って、遠慮なく甘えて頂戴ね」

「まあ、モーガンったら、姉だなんて図々しいですわねっ。もうあなたは随分と長く生きているんだから、おばあさんの間違いではありません?」

 魔女の後ろから茶化したのは、上半身が女性で下半身が蜘蛛のアラクネーだった。数週間ぶりに会うアラクネーに、懐かしさを感じて涙ぐんでしまいそう。この時間軸の彼女が、私を知らないのは分かっているけど。彼女の見た目はほとんど変わってない。

「このうるさい蜘蛛はアラクネーよ。仕立て屋なの。腕は確かだから、安心してね」

 私は二人にペコリ、と頭を下げた。

「早速、採寸をさせて頂きますわ」

 これからアラクネーが、私の服を作ってくれるという。今までゴブリンやカインの服を借りて着ていたので、自分の服を持てるのはすごく嬉しい。アラクネーの作る服は軽くて丈夫で、デザインが素敵なのは分かっているし。彼女はたくさんある手足で、私の身体のあちこちの寸法を測っていった。

「陛下の御子様なら、約三ヶ月でご出産になります。すぐにお腹が大きくなるはずだから、お腹周りをゆったりとしつらえてね」

 モーガンが色々と注文を出すと、アラクネーは「はいはい、分かっていますよ」と答える。

「機能的で身体に優しく、メイさんの魅力を十分に引き出すお洋服を、作ってみせます!」

 アラクネーが採寸から、あっという間に型紙を起こし、仮縫いに移る間に、モーガンは薬草や乳鉢、薬研という舟形の器具に、握り手の部分となる軸を通した円盤状の石の車輪をのせたものをバックから取り出した。

 魔女はテーブルに使い込まれた道具を並べ、薬研を使って薬草を押し砕いて細粉する。乳鉢で数種類の薬草を合わせたものを混ぜると、茶こしに入れ、ポットからお湯を湯呑に注いだ。

「これをお飲みください。心をリラックスさせ、身体の調子を整える薬湯です」

 漢方薬みたいな匂いのする、薬湯が入った湯呑を渡され仕方なく飲む。まずい……。

「これからはメイさんのお食事の献立も、私が考えて出しますから。頑張ってよい御子様を産みましょうね」

 優しく微笑むモーガンを見ながら、私はふと、疑問に思う。

 ここで私が――メイが赤ちゃんを産むのは、未来を変えてしまうのでは……? 私はカインの赤ちゃんを産んでもいいのかしら。もちろん、せっかく授かった命なのだから、産みたい。無事に、産んであげたい……。

 カインが、アラクネーが帰るのと入れ違いで部屋に入って来た。モーガンは、カインにも薬湯を入れて渡した。彼は眉をしかめて、一息で飲み干す。

 それから、促されて浴室に一緒に行った。まだ昼下がりの遅い時間くらいなのに、何故?

 浴槽で十分身体を温めると、彼はスライムベットを用意して私の身体を丁寧に洗い始めた。特に秘部は執拗に、綺麗にされる。秘粒の包皮を剥かれて敏感な粒を石鹸の泡で洗われると、腰を揺らしてイってしまった。私もお返しにカインの身体を洗った。丁寧に肉茎を洗っているうちに立ち上がっていくのが愛しく思えて、丸い先端ににキスをしようとすると、止められてしまう。カインは自分でもう一度丁寧にその部分を洗った。

 身体を拭いてから、浴室を出て寝室に行くと、そこには魔女モーガンが居て驚く。思わず振返って、カインを見る。

「妊娠中の交合のやり方について、アヴァロンの魔女が教えてくれる」

「恥ずかしがらないで、大丈夫ですよ……私は魔女の夜宴サバトで、人に見られるのも見るのも慣れておりますから」

 ええっ?! うそ……でしょ? 

「魔王の系統の、強い子を産んでもらうために、必要なことだから」

 動揺している私に、なだめるようにささやいて天蓋ベットに横向きに寝かされる。カインは、私の後ろから手を回して抱きしめた。

「身体を冷やさないように、お腹に肌掛けを掛けて下さい」

 言われた通りに、お腹に肌掛けを掛けるカイン。

 私も彼も裸で、モーガンの方を向く形になっている。まさか、モーガンに見られながら、するの?!

「強い王統の子を産むためには、メイさんの持っていらっしゃる魔力だけでは足りません。足りない分を補うため、陛下より朝晩魔力を込めた精液を、直接子宮口に掛けていただきます」

 妊娠中は控えなきゃいけないんじゃないの……? カインの赤ちゃんには、魔力が必要なの?

「まだお腹は大きくなっておられませんが、後側位は下腹部に負担がかかりません。その体位なら挿入しても、それほど深く入りませんから……」

 後ろから手を回していたカインが、私の腰を引き、くの字にさせる。彼にお尻を突き出したような格好になると、固く起立した先端が私の秘所に押し付けられた。

 くちゅり。

「ぁっ! ……んんっ」

 正面にはモーガンが椅子に座って、私達を見ているのに。カインのまあるい先端が花びらを掻き分けて、蜜口の中に入ってくる。ゆっくりと蜜道のお腹側の部分を強くこすり上げながら、奥へと進んだ。

 彼の手が優しくお腹をさすり、後ろから私のうなじをちゅっと吸った。

「乳首は刺激されませんように。吸ったり、摘まんで引っ張たりしてはいけません」

「そうか。残念だな、メイ?」

「ゃ、ぁぁっ、ぁぁっ」

 ゆっくりと抽送を始めるカイン。粘性のいやらしい水音と、ベットの軋む音がして、ますます私の羞恥を煽る。恥ずかしさのあまり居たたまれなくて、せめてモーガンを見ずに済むようにと、ぎゅっと目をつぶった。

「メイのおまんこに、俺のちんぽがちゃんと挿入されて、出し入れされているのを、見てもらうよ」

 少年は私の片脚を持ち上げて、身体を開かせ、秘部をさらけ出してしまった。赤く充血して腫れぼったくなった花びらの中心の、濡れそぼった蜜口に、カインの張り詰めた肉杭が突き刺され、かき回されて、どっと蜜液が溢れ出している。

「ぁぁっ、ゃっ! ……ぅぅっ!!」

「子宮口は強く突いたらだめですからね。奥をガンガン突いたりなどしたら、赤ちゃんが居なくても女は痛みを感じて、気持ちよくなんかありませんから」

「……分かった。そこに優しく押しつけてキスするように、射精すればいいんだな」

「ふっ、ぁぁっ、ぁぁっ!」

 私の持ち脚げた足の間にカインの膝が入って来て、閉じないようにすると、開いた手で秘粒を撫でられた。次の瞬間、チカチカッと目の前に火花が飛んで、達してしまう。

「ぁぁんっ、あああああっ」

「メイ、射精すぞ。メイのおまんこに、俺の精を注がれているところを、見てもらいながらイくんだ」

「ゃっ! ぁぁっ、やぁぁぁぁぁあああああっ」

 熱く脈打つ肉杭が、膣の中でひと際膨らみ中を押し広げた。膣の中で彼の形を強く意識する。そして絶頂の悦びに降りて来た子宮口に、そっと丸い亀頭が押し付けられキスをした。そこに濃い白濁を思いっきり放たれ、魔力を込められた迸りを浴びると、シーツをぎゅっと掴み、高い叫び声を上げて絶頂してしまった。

秘粒クリトリスや膣で絶頂するのは、何回しても構いません。だだし体力を大きく奪うのは、控えて下さい」

「……だそうだ、良かったな、メイ?」

 荒い息をついていると、後ろからしっかり抱きしめられ、首を回されて口づけられた。

 たくさん奥に注がれて、中に収まり切れなくなった白濁が、彼のものを咥え込んだ蜜口の合間から吹き零れ、太腿を伝い、シーツにシミを作っている。

「モーガン、これでメイの腹の子が、俺の種だと証明されたな?」

「はい。陛下の魔力を、確かにお子様が受け止めておられました」

「様々な理由で敵味方双方に、メイが俺の子を孕んだことについて、よく思わない者が居るかもしれない。モーガン、あらゆる意味で力になって欲しい」

「かしこまりました。お二人の立会いを拝命致しましたことと合わせ、光栄に存じます」


 彼は私を抱き上げると、再び浴室に行き、身体を清めてくれた。寝室に戻ると、もう魔女は居なかった。新しいシーツに換えられたベットに寝かされ、髪を撫でられる。

「アヴァロンの魔女は信用できる。俺の系統である女悪魔アグラットは、魔女の女王なんだ。アグラットの系譜にある俺達の子を、守ってくれるだろう。――疲れたのか? 少し眠るといい」

 キスを一つ落とし、カインは寝室から出て行った。


 考えてみなくちゃいけないことが色々あるけれど、今は身体がだるくて、とても眠い。少し休んでから、ゆっくり考えよう……。

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