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最終節.女子高生(おっさん)の日常と、いともたやすく創造されしNEW WORLD

231.セカイの中心で愛を叫んだ女子高生(おっさん)

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──ねぇ、おじさんはどうしていつも同じ事ばかりしてるの?

 いつの間にか俺は、真っ白で何も無い空間にいた。
 なんか意識だけがふわふわして浮いてる感じ……インフルエンザにかかって寝てる時みたいだ。

──ねぇ、おじさんはどうしていつも同じ事ばかりしてるの?

 そして……神の声みたいな感じで誰かが問いかけてくる。
 キミは誰? 声だけしか聞こえないんだけど……うひひ、ようじょみたいな可愛らしい声だねぇ………おじさんに姿を見せてよ。

──ねぇ、おじさんはどうしていつも同じ事ばかりしてるの?

 ………え? 答えないと先に進まない感じ?
 質問の内容が漠然としすぎだけど……そうだなぁ、新しい事に取り組む気力が無いからじゃないかな。

──そうやって、新たな道を進んで否定されるのと時間が無駄になるのが怖いから? いいじゃない、既に無駄な時間を過ごして出来上がったのがおじさんなんだから。それに否定もクソもあなたの事なんて誰も気にしてないよ。

 なんだこの辛辣(しんらつ)なようじょ。
 そんな身も蓋もないこと言うために何回も質問してたの?

──ねぇ、おじさんになるとどうして容姿を気にしなくなるの?

 いや、だからなにこの『おじさんにする100の質問』みたいな問いかけ。いつまで続くの? 

──ねぇ、おじさんはどうして容姿を気にしないの?

 ………いや、気にしてるよ?
 ただ齢(とし)を重ねると面倒くさくなっちゃって……ファッションや美容にかける時間と金が皆無なんだ。それなら推しの配信か切り抜き動画見てた方が遥かに有意義な時間の過ごし方だから……

──そうやって、色々な言い訳で身を纏めて自分に自信がないのを誤魔化してるのね。

 なにこいつ!? 急にお姉さんめいた声色になって微妙に核心を突くなよ!!

 すると、突然景色が歪み始めた。
 真っ白だった空間は教室……いや、ダンスレッスンするところみたいな場所に変わり、俺はいつの間にか部屋のど真ん中にある椅子に座っていた。
 周囲には物も何も置いていない。
 薄暗い部屋の真ん中の、俺だけをスポットライトが照らしている。

 なんだろうこれ……全く意味わからんけど、どっかで見た事のある光景だ。

──ねぇ、おじさんはどうして女の子になりたかったの?

 は? 今度はなに?
 俺がいつそんなこと…………………いや、そうだ。
 確かに転生する前………………ちょっと願ってたのかもしれない。

──ねぇ、おじさんはどうして女の子になりたかったの?

 …………だって、人生に何もなかったから。
 喜びも、嬉しさも、温かさも…………だから、それらが一番簡単に手に入る美少女になりたかった。
 羨ましかったんだ、スタート位置から優遇されてるポジションが。
 ちやほやされたかった、気を使われたかった、可愛がられたかった。
 そんな寂しい生き物なんだよ、おっさんは。

──それは貴方だけじゃないの?

 いいや、おじさんは総じて寂しい生き物だよ。
 結婚してたって家庭に居場所が無くなる、どんなにスマートなイケおじでも若い女の子の恋愛対象にはならない、非モテ中年なんて言わずもがなだ。
 おっさんになるだけで、人生の難易度が格段に増していくんだ。
 こんな捻(ねじ)れた思考にもなるってもんさ。

──ねぇ、じゃあ、おじさんは結局なにが欲しいの?

 ……………………………人との、繋がり。
 詰まるところ──結局行き着くところ、求めているものはそれなのかもしれない。
 他人との関わり。壁のない付き合い。会話。

 金が無くても立場が無くても地位が無くても。
 それさえあれば、クソみたいな人生でもなにかがどうにかなったかもしれない。
 実際、阿修凪になってから……最後に心に残ったのは、それだけだった。
 小説家としての地位も、有り余る金も、立場も……心残りにはならなかった。

 最初は、違った。
 世界も他人も嫌いだった。
 絆(笑)友情(笑)仲間(笑)って馬鹿にしてた。

 でも、消えるってなった時………みんなとやりたかったことだけがいつまでも俺の心に居座り続けた。

──ようやく気づいたのね。なら、貴方と共にいた人達が急に消えたら貴方はどう思う?

 …………きっと、心が壊れるかもしれない。
 繋がりを知ってしまった今は………もう、そんなの耐えられないと思う。

──それはきっと、みんなも同じ気持ちだよ。

 …………………………みんなも、おっさんと一緒に、いたかった……ってこと?

──そう、潔く諦めないで。わかった振りして格好つけないで。人との繋がりって、そんな簡単に断てるものじゃないんだから。貴方の存在が、貴方の選択が、運命の鎖を断ち切って無数の世界を産んで、そうやって救われた人だってこの世界には沢山いるんだよ。

「………」

──傷つかないようにどこか一歩退いて世界を見ていないで、自分のやりたい事、自分の気持ち……口に出していいんだよ。おじさん。

「…………俺は、美少女のままで、この世界にいたい」
「ようやく気づいたんですか? クソ雑魚なめくじおじさんっ!!」

 朦朧とした意識の中に、聞き慣れた声が響いた。

 と、いうか一つ言いたい。
 これに似たようなやり取りとシーン……既視感がある。
 これ、もしかしてテレビ版【エヴァン●リオン】最終回パロってない?

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2004/11/23 12:13-
-2004/11/23 13:25-
-2004/11/23 14:00- 

-〈多世界code『luck0085536995443』→→→→→【unknown New world】〉-

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…………〈connect〉

──────????/??/??【波澄 阿修羅 ??歳】──────







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