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1章
申請
いつもより早めにギルドへ行き、鞄の事を報告した。昨日の申告と報告をした鞄が一晩で見た目が変化した事を。
不正防止のために指定袋以外に持ち込めるのはゴミ拾いに使う道具類と水筒だけ。だからそれ以外はギルドに預けていくのだけど、自宅では離していても問題なかったのに、ギルドを出ようとしたら鞄が足元に落ちて来た。
慌てて鞄を拾ってカウンターに戻って職員を呼んで報告。検証した結果、一定距離を離れると持ち主の元に戻る所有者制限の盗難防止機能付きの古のマジックバックだと判明したのだ。
ダンジョンゴミの山から使用可能な魔道具であるマジックバックが出たことで問題になりかけたが、拾った時にはボロいだけの鞄で手入れして使っていたが、鞄より大きな物が入ったり、中身が収納されて見えなくなることもなかったから、途中までは普通の鞄だったと訴えた。
唯一おかしいと思ったのは若干軽い気がする時もあったが、気のせいかなと思うほどだったので言わなかった。
どの時点でマジックバックの機能が復活したのか、何が要因だったのかは分からないし、ギルド職員も行動の報告を聞いても思い至らなかったみたい。
結局何らかの条件を満たしたか、ダンジョンから持ち出されて機能が復活したかなど色々考えられるが、指定袋に入れた時点ではゴミであり、ゴミの処分方法は違法性がなければ、拾った者に委ねることに問題なしという原則に基づいて問題なしとなった。
問題ありだったらこの仕事を辞めなければいけなくなるから助かったよ。ギルドとしても唯一の真面目にゴミを処理してくれる冒険者を、不正と断定出来ない曖昧で、意図してやったことではないことで理不尽に辞めさせたくないと思ってくれたから大事にしなかったのかもしれないけど。
話し合いの結果、ダンジョンゴミの不正持ち出しを感知する魔導具を鞄に付ける事でようやく入場許可が下りたの。検証に数時間かかった。幸いだったのはその時間に誰一人ギルド内に冒険者が居なかったこと。居たら孤児でソロの子供がアーティファクトを持っていると噂になって狙われることになっただろう。
でももの凄い時間のロスだったので、2日目の今日は2回拾う予定だったけど、1回にすることにした。
疑いを防ぐために鞄はゴミの山から離した場所に置いて作業を進めた。しばらくは魔導具のチェックのために時間を取られるので、効率良く行動しなきゃいけない。とりあえず予定を1日ずつずらして、いつも通りに仕事をしよう。
いつものルーティンに入退場時の鞄の中身チェックと、返却時の魔導具チェックが加わった。
5日目まではゴミ拾いの後、帰宅して持ち帰ったゴミの解体準備という普段通りの日常を送っていた。
6日目、最初に決めた場所に鞄を置いて作業を始めた。今回は細かいゴミが多いから仕分けが大変で、もう数日かかりそうだと思いながら作業をしていた。
その日、ダンジョンは騒ついていた。それは本来なら魔物が居ないセーフティエリアの一角であるゴミの山がある広場も例外ではなかった。
シオンは遠くに置いた鞄に背を向けてお
り、鞄はダンジョンの奥へ続く通路に近い方にあった。
袋の口を閉めて鞄を取ろうと近付くと、鞄の側に何か塊があるのに気付く。
「置いた時には何もなかったはずなのに」
ふと溢れ落ちた言葉が、塊が何か気付いて驚愕する。
「何でこんなところにスライムがいるの?」
スライムがいるのはこの通路の先にある平原以降だから。ゴミ拾いトングを構えて観察してみると動く気配がない。核はあるが瀕死状態なのだろうとトングで摘んでみた。全くの抵抗もなく捕まったので鞄にひょいと入れた。
まだただの鞄だという認識だったため、マジックバックなら瀕死状態ならば入らないはずが入ってしまったという状況にシオンは気付いてない。
不正防止のために指定袋以外に持ち込めるのはゴミ拾いに使う道具類と水筒だけ。だからそれ以外はギルドに預けていくのだけど、自宅では離していても問題なかったのに、ギルドを出ようとしたら鞄が足元に落ちて来た。
慌てて鞄を拾ってカウンターに戻って職員を呼んで報告。検証した結果、一定距離を離れると持ち主の元に戻る所有者制限の盗難防止機能付きの古のマジックバックだと判明したのだ。
ダンジョンゴミの山から使用可能な魔道具であるマジックバックが出たことで問題になりかけたが、拾った時にはボロいだけの鞄で手入れして使っていたが、鞄より大きな物が入ったり、中身が収納されて見えなくなることもなかったから、途中までは普通の鞄だったと訴えた。
唯一おかしいと思ったのは若干軽い気がする時もあったが、気のせいかなと思うほどだったので言わなかった。
どの時点でマジックバックの機能が復活したのか、何が要因だったのかは分からないし、ギルド職員も行動の報告を聞いても思い至らなかったみたい。
結局何らかの条件を満たしたか、ダンジョンから持ち出されて機能が復活したかなど色々考えられるが、指定袋に入れた時点ではゴミであり、ゴミの処分方法は違法性がなければ、拾った者に委ねることに問題なしという原則に基づいて問題なしとなった。
問題ありだったらこの仕事を辞めなければいけなくなるから助かったよ。ギルドとしても唯一の真面目にゴミを処理してくれる冒険者を、不正と断定出来ない曖昧で、意図してやったことではないことで理不尽に辞めさせたくないと思ってくれたから大事にしなかったのかもしれないけど。
話し合いの結果、ダンジョンゴミの不正持ち出しを感知する魔導具を鞄に付ける事でようやく入場許可が下りたの。検証に数時間かかった。幸いだったのはその時間に誰一人ギルド内に冒険者が居なかったこと。居たら孤児でソロの子供がアーティファクトを持っていると噂になって狙われることになっただろう。
でももの凄い時間のロスだったので、2日目の今日は2回拾う予定だったけど、1回にすることにした。
疑いを防ぐために鞄はゴミの山から離した場所に置いて作業を進めた。しばらくは魔導具のチェックのために時間を取られるので、効率良く行動しなきゃいけない。とりあえず予定を1日ずつずらして、いつも通りに仕事をしよう。
いつものルーティンに入退場時の鞄の中身チェックと、返却時の魔導具チェックが加わった。
5日目まではゴミ拾いの後、帰宅して持ち帰ったゴミの解体準備という普段通りの日常を送っていた。
6日目、最初に決めた場所に鞄を置いて作業を始めた。今回は細かいゴミが多いから仕分けが大変で、もう数日かかりそうだと思いながら作業をしていた。
その日、ダンジョンは騒ついていた。それは本来なら魔物が居ないセーフティエリアの一角であるゴミの山がある広場も例外ではなかった。
シオンは遠くに置いた鞄に背を向けてお
り、鞄はダンジョンの奥へ続く通路に近い方にあった。
袋の口を閉めて鞄を取ろうと近付くと、鞄の側に何か塊があるのに気付く。
「置いた時には何もなかったはずなのに」
ふと溢れ落ちた言葉が、塊が何か気付いて驚愕する。
「何でこんなところにスライムがいるの?」
スライムがいるのはこの通路の先にある平原以降だから。ゴミ拾いトングを構えて観察してみると動く気配がない。核はあるが瀕死状態なのだろうとトングで摘んでみた。全くの抵抗もなく捕まったので鞄にひょいと入れた。
まだただの鞄だという認識だったため、マジックバックなら瀕死状態ならば入らないはずが入ってしまったという状況にシオンは気付いてない。
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2026.03.30 内容紹介一部修正
2026.04.29 内容一部修正(序盤に書いたヒロインの髪色が違うため。)
2026.05.07 思いついてしまったので完了解除
ハッカの子に転生してしまった不遇の子の話