幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第6章

お茶会

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近くまで行くと2つのテーブルに9人が座っていた。
遠くから見えたのは大人用の高いテーブルだった様で、低いテーブルはソファーの背に隠れて見えなかったらしい。
お茶会は既に始まっている様で遅れてしまった様だ。
「お連れしました」
ランヴァルドが胸に右手を当て軽く会釈するのに合わせ、同じように動作を真似をして、頭だけ少し下げた。
案内の最中に執事から略式の礼で良いと作法を教わっていたのでその通りにした。
「良く来てくれた。
我は国王のバルタサール・エクストランドという。
他の客人が早くから来ておったので先に進めておった許せ」
「とんでもございません。
お招きいただきありがとうございます、冒険者ギルド長レナード・ボールドウィンと申します。
平民ゆえ無作法なところがありますがご容赦くださいますようお願いいたします」
「良い良い、非公式のものだ、堅苦しい作法など無用だ。
それに人間程難しい作法を求めておらん。
さて紹介しようか。
我の右手が妃のビルギッタだ」
「バルタサールの妃のビルギッタと申します。
野生の幻獣達を治しているとお聞きしてお会いしたいと思っておりました。
お話しを楽しみにしておりますの」
「いえ、付近の森の動物を保護して治していたら、幻獣も持ち込まれる様になって、人族の薬草では効き過ぎたり、毒になったりということに気付いて、知能が高く会話が成立する幻獣や魔獣の上位種に実験に協力してもらっただけです」
「ほぅ、体格に合わせてただ薄めたり、量を減らしているのかと思ったが、動物用に調合しておるのか?」
「ヴォロンウェ様、名乗らずの発言は失礼ですよ。ねぇアグラレス様」
「あぁ、ビルギッタ様の言う通りだ。
私はエルフ代表のアグラレスだ。
そこの失礼な奴も同じくエルフ代表だ。以後お見知りおきを」
「随分な紹介じゃねぇか?
悪いわしはヴォロンウェだ。悪い興味が先走ってしまった。よろしく頼む」
「いえ、こちらこそ。エルフ代表の方々にお会い出来て光栄です。
エルフ秘伝の薬には遠く及びませんが、色々な方の協力があってこそ完成した物です」
「なに、エルフと言えども人族用の薬は多々あれど、動物用というのは作っておらぬ。
お主は面白いことを考えるな」
「ランヴァルドに竜神族の国王陛下への献上品として幻獣にも効く傷の塗り薬とポーションを渡してありますので、後ほどお納め下さい」
「ワシはエイドゥル、ドワーフだ。
ワシらの村に純血種の火焔馬と雷馬との混血種がおって今回産まれた双子が変異種でのぅ。
お前さんの国での噂を聞いて変異種の事を聞きたくて、エルフ代表について来たんじゃ。
あとで話しを聞かせて貰えんかのぅ」
隣のテーブルから話しかけられた。
「そういうことでしたら、本日はこの街で泊まりますので、終わってから改めて別の場所で」
「その話しは我も妃も聞きたいゾ!」
「皆さま今はお茶会ですよ、隣に居るのは王太子妃で、あちらのテーブルの子供達は孫達です。
息子の王太子は訓練のため長期遠征中で残念がっていましたわ」
「孫達は珍しい幻獣達に会いたさにここに参加しておる。
良かったら近くで見せてやって欲しい」
《アルバ、シャンス、あちらのお子様達の相手をしてくれないか?》
《良いよ》
《分かった》
「では、失礼します」
立ち上がって隣のテーブルへ向かう。
「王子様、王女様、こちらが麒麟のアルバで、この子が火蜥蜴のシャンスです。
シャンスはまだ幼体なので、握ったり、摘んだりしないで下さいね。
手のひらの上に乗ったり、肩の上に乗ったりしてくれます。
アルバはもう成体なので触っても大丈夫ですが、痛くない様にしてあげて下さいね」
「「「はい」」」
シャンスをテーブルに乗せると3人は興味深々でジッと見ていた。
義理母様おかあさまわたくしがエイドゥル様と席を代わって、幻獣様達に子供達が無体な事をしないか監督したいのですが、よろしいでしょうか?」
「あらそうね、その方が安心だし、先程の話しをこちらで出来るわね。
ヘンリク、手配を頼みます」
「承知しました」
素早い使用人達の手際により席の移動がスムーズに行われた。

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