幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第6章

捜索

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ルナとウェントゥスに合流し状況を確認したが何も見つからないという。
「急に姿が消えるというと移転系の罠か、落下系の罠の可能性が高い。
でも罠を見つけるのが上手いルナや、落下系の罠の隙間の風の流れを見る事が出来るウェントゥスが発見出来ないのは厄介だな」
ルナの前にもクレドが上空から捜索してもそれらしい物は見つからないと言っていた。

そして少し離れた場所でレナードの荷物から出て来た妖精とウェントゥスが、アルバの痕跡の近くを飛び回りながら会話をしていた。
《妖精サン、変ナ気配ガシナイ?》
《ント、セイレイサン?》
《ソッカ、デモ何ノ精霊ダロウ?》
《シラナイゾクセイナノ》
《ヒュードル様、出テ来テテヨ》
《ウェントゥスカ、ドウシタ》
《アルバノ気配以外ニ、他ノ変ナ気配ガスルノ。妖精サンハ精霊ダッテ言ウケド何ノ精霊カ分ラナイノ》

《フム、シバシマテ》
ウェントゥスが示した辺りを気配だけに意識して探ってみると確かに精霊独特の気配を感じた。
だがこの気配は!
《…マサカ闇ノ精霊!?》
そうかダンジョンは闇の精霊王のダーストニ様の管轄でもあるからおかしなことはないのか。
しかしこれだけ綺麗に痕跡が消えたという事は中精霊がいたのだろう。
ただ何故アルバを連れ去ったのかが分からないが、とにかくレナード様にお伝えしなければいけないですね。
《ウェントゥス、コノ気配ハ闇ノ精霊デス。覚エテオキナサイ》
《分カッタ》


どうしたら良いのか考えていたら念話と共に目の前にヒュードルが出て来た。
《レナード様、オ話シガアリマス》
《何かあったか》
《ハイ、アルバハ闇ノ精霊ガ連レ去ッタ様ナノデス》
《なんだって!じゃあ念話が通じないのはここには居ないということなのか?》
《何処カハ分カリマセンガ、コノダンジョンニハ居ナイ様デス。気配ガ途切レテイルノデ》
《そうか…、ここに居ても仕方ないな。一旦宿に帰ろう》

今回の罠は主人から一定の距離を離れた、気まぐれな妖精や同族の精霊を除く生まれた時からの幻獣で、契約または名付けの仮契約している者だけが捕らえられる物であった。
もし生まれた時からという条件だけだったならウェントゥスも対象であったのだが、妖精と小精霊に関しては好奇心旺盛で上の者の意見も聞かずに自分で仮契約をお願いする事があるためダーストニに対象外にされた。
他にも精霊は無理矢理捕らえられた場合には、属性の力の素になる者があれば精霊王に願う事で逃げ出すことも可能であるし、他の精霊王にすぐに知られてしまうと計画が狂うという面もあったからだ。
今は監視役の気配をダンジョンと気配を同化するのが上手い闇の中精霊以外は居ないため、同じく中精霊であるヒュードルでは存在に気が付かない。
失意のままダンジョンから出てギルドへと向かった。
とりあえずヒュードルには精霊王のところへ相談に行ってもらった。
ギルドに着いて帰還の報告と素材の買取のためにを受付の列に並ぶ。
しばらくして捜索隊が帰還し、中にいた隊員も出て来て何やら話していた。
どうやらダンジョンの途中で私達と入れ違いで、他にも被害が出ていないかと第3層とその下を隈なく調査して戻って来たらしい。
気になってそちらを見ていたら、丁度振り返った隊員と目があった。
それは先発隊のリーダーだった人だった。
「あぁ、戻られたんですね。
少々お待ちください」
中に入ってギルド職員と何やら話した後に戻って来た。
「先程の救援の件で聞きたい事があるので奥へ。
ちなみに受付へは帰還報告と買取だけですよね?」
「はいそうです」
「でしたら奥でついでに手続きをしますのでどうぞこちらへ」
従魔達と一緒に会議室へと向かう。
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