141 / 220
第6章
分裂
しおりを挟む
冒険者がモンスターや盗賊などに襲われている人を見殺しに出来ずに助太刀する様に、薬師だから目の前の怪我人や病人を放置出来なかっただけだからと何度も説明した。
しかしギルド職員や救援隊に参加した冒険者や警備隊など他の者は納得してくれたのだが、スライムとその主人だけは命の恩人なのだからの一点張り。
わざわざ職員の1人に直接レナードの意向を療養所へ伝えてもらったのに。
逆に主人より同じ薬師でも、他の薬師なら命そのものは確かに助かっても冒険者生命までは助からなかっただろうし、そもそも腕の良い薬師が大型パーティや討伐隊以外にダンジョンに居ること自体が珍しいのだからと言われてしまった。
どうも治療所のヒーラーに、自分の従魔の能力と信頼度と、レナードの契約した幻獣達が気付いたのが早く、運搬能力があったのも良かったと言われたらしい。
身に余る程の評価のせいで思いもよらぬ程の感謝を受け、主人想いのスライムもその気になっていてこれ以上断る続けるのは失礼に当たるからと受けることにした。
根負けしたとも言う。
ようやく話しがついて嬉しそうなスライム。
ぴょんぴょんと机の上でジャンプしている。
このスライムは特殊個体なだけあって質感とか色々と野生のものとも、牧場のものとも違う感じがする。
牧場のスライムはゴミ捨て場や下水処理などのために捕獲出来た個体を適正能力毎に分けて飼育したもので、食べ物や環境のせいか処理能力が上がるために各地で飼われている。
基本的には分裂で数を増やすのだが、稀に子供を産む個体がおり、そうした中から上位種や特殊個体が生まれることがある。
もちろん野生の上位種や特殊個体のが圧倒的に多いが、そもそもそういう個体は滅多に現れないし、強過ぎて討伐対象になってしまい中々捕獲出来ない。
このスライムは牧場なのか、野生なのか不明らしい。誤って主人の荷台にあった壺の中に落ちたらしいが、いつ何処で紛れ込んだのか分からないそうだ。生まれて間がなく自分の親が何処に居たのか覚えていなかったから。
壺の中には醸造し始めた果実が入っており、アルコールに長時間浸かっていて酩酊状態で発見されたのも覚えていない要因の1つと考えられた様だ。
とにかく外見的にも野生産か牧場産か判別出来ないために野良扱いのスライムだった。
ただ分裂したスライムは元のスライムの幼少期と同じ能力を有し、同じ環境下で育成すればほぼ同じになる。
まだまだ分かっていない事が多いのは特殊個体の一部や上位種の高レベルになった一部個体以外は、従属すればある程度の意思疎通は出来ても会話が出来ないから。
単純な感情は伝わって来るので不便はなく、危機的な状況やレベルアップ時など一定の条件下で増殖するが、最弱の魔物の1つなので戦闘や事故などで直ぐに減ってしまうため増え過ぎて困る事は滅多にない。
特にこのスライムは分裂を進化に回せるため主人が数をコントロール出来ていた。
しばらく飛び跳ねて満足したのか机の上でレナードの前に移動して来た。
《ダスネ》
良く見ると核がはっきり見えて来たと思ったら手のひら大の小さなスライムが机の上に飛び跳ねて来た。
後で聞いたところ、あらかじめ主人の前で分裂した後で契約の解除をし、野生化しない様に身体に取り込んでいたらしい。
レナードと仮契約を結ぶまで見張る様に側に居たスライムは、満足気にぴょんぴょんと机の上をちびスライムと一緒に飛び跳ねて一周し、一際高く飛んで床に降りた。
扉の近くにいた職員がほんの少し開けただけで勢い良く飛び出して行ってしまった。
帰り際にありがとうと念話が届いた。
このスライムの能力は未知数なので、これから少しずつ知っていけば良い。
きっとあのスライムと全く一緒にはならないだろうから。
何処まで同じか知るためにいつかまた会いに来ようとレナードは思った。
しかしギルド職員や救援隊に参加した冒険者や警備隊など他の者は納得してくれたのだが、スライムとその主人だけは命の恩人なのだからの一点張り。
わざわざ職員の1人に直接レナードの意向を療養所へ伝えてもらったのに。
逆に主人より同じ薬師でも、他の薬師なら命そのものは確かに助かっても冒険者生命までは助からなかっただろうし、そもそも腕の良い薬師が大型パーティや討伐隊以外にダンジョンに居ること自体が珍しいのだからと言われてしまった。
どうも治療所のヒーラーに、自分の従魔の能力と信頼度と、レナードの契約した幻獣達が気付いたのが早く、運搬能力があったのも良かったと言われたらしい。
身に余る程の評価のせいで思いもよらぬ程の感謝を受け、主人想いのスライムもその気になっていてこれ以上断る続けるのは失礼に当たるからと受けることにした。
根負けしたとも言う。
ようやく話しがついて嬉しそうなスライム。
ぴょんぴょんと机の上でジャンプしている。
このスライムは特殊個体なだけあって質感とか色々と野生のものとも、牧場のものとも違う感じがする。
牧場のスライムはゴミ捨て場や下水処理などのために捕獲出来た個体を適正能力毎に分けて飼育したもので、食べ物や環境のせいか処理能力が上がるために各地で飼われている。
基本的には分裂で数を増やすのだが、稀に子供を産む個体がおり、そうした中から上位種や特殊個体が生まれることがある。
もちろん野生の上位種や特殊個体のが圧倒的に多いが、そもそもそういう個体は滅多に現れないし、強過ぎて討伐対象になってしまい中々捕獲出来ない。
このスライムは牧場なのか、野生なのか不明らしい。誤って主人の荷台にあった壺の中に落ちたらしいが、いつ何処で紛れ込んだのか分からないそうだ。生まれて間がなく自分の親が何処に居たのか覚えていなかったから。
壺の中には醸造し始めた果実が入っており、アルコールに長時間浸かっていて酩酊状態で発見されたのも覚えていない要因の1つと考えられた様だ。
とにかく外見的にも野生産か牧場産か判別出来ないために野良扱いのスライムだった。
ただ分裂したスライムは元のスライムの幼少期と同じ能力を有し、同じ環境下で育成すればほぼ同じになる。
まだまだ分かっていない事が多いのは特殊個体の一部や上位種の高レベルになった一部個体以外は、従属すればある程度の意思疎通は出来ても会話が出来ないから。
単純な感情は伝わって来るので不便はなく、危機的な状況やレベルアップ時など一定の条件下で増殖するが、最弱の魔物の1つなので戦闘や事故などで直ぐに減ってしまうため増え過ぎて困る事は滅多にない。
特にこのスライムは分裂を進化に回せるため主人が数をコントロール出来ていた。
しばらく飛び跳ねて満足したのか机の上でレナードの前に移動して来た。
《ダスネ》
良く見ると核がはっきり見えて来たと思ったら手のひら大の小さなスライムが机の上に飛び跳ねて来た。
後で聞いたところ、あらかじめ主人の前で分裂した後で契約の解除をし、野生化しない様に身体に取り込んでいたらしい。
レナードと仮契約を結ぶまで見張る様に側に居たスライムは、満足気にぴょんぴょんと机の上をちびスライムと一緒に飛び跳ねて一周し、一際高く飛んで床に降りた。
扉の近くにいた職員がほんの少し開けただけで勢い良く飛び出して行ってしまった。
帰り際にありがとうと念話が届いた。
このスライムの能力は未知数なので、これから少しずつ知っていけば良い。
きっとあのスライムと全く一緒にはならないだろうから。
何処まで同じか知るためにいつかまた会いに来ようとレナードは思った。
1
あなたにおすすめの小説
転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる