幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第9章

説明会

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 第一部隊と第二部隊の元々のメンバーは、契約の前段階で自らの団体の意志でそういった者達を精査し排除していたし、個別での勧誘は都度性質などまで確認した上で行っているため問題ない。
 しかし冒険者集団と盗賊団については仲間愛が強く、信用し過ぎて一切忖度しなかったので、幻獣士に相応しくない性質や過去のある者達がいる可能性がある。そのため光と闇の大精霊によって精神のスキャンを実施する必要があり、説明会という名目で幻獣士ギルド本部に別々に来てもらった。

 最初に訪れたのは女性だけの冒険者パーティのアルマラス姉妹団。最初に関係者以外がいる可能性がある場所での『幻獣の卵』関する話題は一切してはいけない事と、契約しない場合には説明会で見聞きした事は記憶を精霊が消すこと。納得出来ない者は会場から出るようにと伝えた。
「幻獣士になるのは幻獣次第でもあるけど、幻獣術だと幻獣以外なら仮契約しなくてもある程度言っている事が分かる様になります。従魔術だと仮契約しても魔法が使えない変異種や動物しか意思疎通出来ない。ただ頑張ればお世話に必要な感情くらいは分かる様になることもある。但し契約後に今の団体単位で仕事をしたいのならば、幻獣士は数人、幻獣術は作業グループで最低1人は習得して欲しい」
他にも違いや特徴、幻獣や変異種の説明をする。
「幻獣士になるためには幻獣術は必須だと言う事は知られているが、もう一つ大切なことが応募要項に記載されている。幻獣達の好む性格や性質である事だ。例えば嫌いな種族だからと暴力で排除する者、詐欺など弱い者を狙った犯罪をした者などを嫌らわれる。つまり生き物にとって当然の情があることなどだ」
真剣に聞いていて好感が持てる。
「第一の試練では本人の性質など幻獣に相応しい人物であるかを見極めるものだ。この試練で不適合と判断されたら二度と挑戦出来ず、試練の森から出て来なかった者も居た」
半数程の表情が固くなる。
「ちょっと脅す様なことを言ってしまったが、
あくまでも人としての良心的な行動が出来て、幻獣を守ろうとする心があれば、幻獣士にはなれなくても無事帰って来れるから心配するな。それに幻獣士にならなくても加入し仕事は出来る。不安がある人も多いでしょうから後ほど個別相談に応じるので順番に別室に来て下さい」
ほとんどがホッとして様子だった。
最後に『幻獣の卵』は団体での加入契約のため幻獣が問題視する者が居れば許可は下りないこと、幻獣や種族の人族側の希望は出来ず、出来るのは提供可能な環境や役割などや出来ないことを提示することだけだと説明する。
「個別相談の結果パーティを辞める者が出ても説得したり、抗議しないように。した場合は残念ながら団体での受け入れ自体を断念させてもらう」
ちなみに説明会の精神スキャンされた。その結果問題あるとされた者が居たが、個別相談で過去の記憶を消す事を同意して残る事が出来た者も居た。
 酔うと暴力的になるなど性質的に問題があったり、記憶を消しても精神的に弱く漏洩する可能性があるなど一部問題がある者と、倫理観や生き物に著しい危害を加えるなど著しく問題がある者はは同意の上で脱退してもらうことになった。前者は建物から出て仲間以外から声をかけられた時点から『幻獣の卵』に関する事を公開済の情報以外は消える処置をされ、後者は幻獣や変異種に関わる情報が思い出せない処理をされた。そしていつの間にか妖精達が集まって来て、前者には条件付き悪戯OKの粉を、後者には幻獣士失格の粉をふりかけていた。
 戦闘集団から幻獣にとって相応しくないと退団した者は今後幻獣士や『幻獣の卵』が全土に周知させ、元の仲間達と水面下での接触を権力者達が強要する恐れがあるため要注意人物として通知される事となった。
 後日行われたクランの星屑の守り手と華麗なる義賊も同様に説明会を終えた。
 これで問題ある幻獣の内、初回の仮契約を希望する幻獣達を受け入れる団体の見込みが出来た。
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