幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第9章

支部開設

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 長い間の懸案であった事が次々に引き受け先の目処がついた。
 まず元々から前向きに検討してくれていたドワーフが毒植物から蜂蜜を採取する種族を引き受けが了承してくれた上、本業を休んでまで蜂蜜酒作りに情熱を燃やす者も出た。それによって隠れ里にいた酒好きのハイエルフが興味を持ち、結果的に毒花の花粉を採取する種族を食料と薬の材料として引き受けてもらう事が出来た。流石なのは現役の幻獣士は居なかったが、引退した者や子孫はいたため試練の森ではなく、隠れ里のある迷いの森で特例として幻獣士が誕生した。隠れ里を出ることは無い者のでギルドの登録はしていないが。
 家族経営で廃業を検討していた果実農園が、受粉を手伝える果実や花の蜜が主食の鳥類系の種族を引き受けが決まった事で、零細家業の養蜂家や薬草園が話しだけでも聞いてくれる様になった。
 武装組織の第一部隊としては体皮に濃縮した毒を纏い身を守る昆虫系1種族と、薬効成分のある糞を出す新種の鹿の群れを元々共生していたいう事で仮契約が済んだ。
 冒険者集団と元盗賊団は第三部隊に編成された。麻痺をさせる事が出来る種族、幻覚を見せる特殊能力を持つ幻鳥を元盗賊団が。冒険者集団が体皮に濃縮した毒を纏い身を守る種族の中で即効性はあるが即死性はない解毒剤が存在する数種と仮契約が済んだ。
 特異体2匹と残りの毒に関連する能力を持つ種族は、今後メンバーが増えることが確定している第二部隊が挑戦する予定だ。非戦闘者以外はひとまず幻獣士を目指すが、残りの種族と契約するかどうかで部隊編成することになっている。
 武装組織は特に問題ある種族の世話や保護、密猟の監視と保護以外に、安全な拠点の確保や仲間を増やす活動がある。ゆくゆくは幻獣を守り、幻獣士を指導・監視する集団となる。

 『幻獣の卵』が全ギルドでの正式運用が決定した事により、国内外の地域からの参加希望が殺到し、幻獣術を習得しようとする者が爆発的に増えた。幻獣使いや幻獣士挑戦者も増え、それに伴い竜人族の国コンティノアール国に支部が開設された。本部が『幻獣の卵』関連の試練で貸切になる事が多いためと、人間至上主義の国の上流階級以外の者達以外の全ての試練の挑戦はコンティノアールでのみ行う事になった。幻獣士ギルド支部の建物内の地下の入り口を作り、精霊王達が転送門を作り試練の森へ移動出来る様になっている。この事により試練の森の場所がより分かりにくくなって、人間の国からの幻獣士ギルド本部周辺にいた間者が減った。

 こうした大まかな帝国と王国、宗教団体へのいちおうの対策の目処が立ち、幻獣士の制度もしっかりした形になって多くの国家に認められる様になった。そして幻獣士の増加に伴って一定のルールが追加された。
 新たに幻獣士となる際のルールだ。
 家業や目指す職業がある場合には事前申請と面談を必須とし、本人の意志を確認の上で目的に合わない能力の幻獣は居ない様に目的別に日程を決めて行う。
 気に入られた幻獣の能力によって職業を決める者は、最初に契約した幻獣によっては試練の森での追加契約は基本的認められない。
 契約したい変異種がいる場合で、別に幻獣と契約したい時には従来通りその種族の能力に応じた補助または保護出来る能力の種族しか居ない日程にするが、1個体または1集団とする。
 契約したいのが変異種のみの場合には第一試練だけで契約出来るが、『幻獣の卵』への加入が条件とする。
 但し変異種のみの幻獣士以外は、愛玩メインの種族と、試練の森以外で自ら連れて来た幻獣には制限はしないとした。

それらは幻獣士の需要が増え過ぎたことと、初期登録の幻獣士本人の意志や能力が高い者達と違い、複数の能力の強い幻獣と契約することによって奢り、後から契約した幻獣達が愛情不足などの不満から幻獣王の元に帰った事例が続いたため。酷い者は幻獣士の資格を失い、二度と契約出来ない者もいた。

元々能力的に兼業だった幻獣士が、兼業を公にする者が増えたことにより、自然と虐待や密猟は大きく減らすことになった。但し帝国と王国を除いて。
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